年長で6歳なのにお子さんがひらがなを読めない書けないと焦ることありませんか?なかには学習障害や認知機能の遅れがある場合があります。就学後に困らないように、読み書きする力が発達しているか、支援が必要かの見極め方がありますのでお伝えします。
【目次】
1. 年長6歳なのにひらがなを読めない書けない
年長さんで6歳になるお子さん、ひらがなを読めますか?書けますか?
一般的には年中さんくらいからひらがなに興味がではじめ、年長さんになると、ひらがなが読めたり書けたりするお子さんが多くなります。
遊びの中でもひらがなを書く機会が増えたり、お友達同士でお手紙のやりとりも増えてきます。
そして小学校からは入学までには自分の名前は読めるようにしておきましょうといわれることもあります。
卒園までにはほとんどの子がひらがなを読めたり、自分の名前を書けたりすることも多いですよね。
周りが当たり前のように書けていると、自分の子だけ6歳なのにひらがなを読めない書けないと焦ってきてしまいます。
よく「小学校に入れば、すぐに書けるようになるよ」というアドバイスをされる方も多いですが、鵜呑みにしないほうが良いケースもあります。
なぜなら、ほとんどのお子さんは書けるようになるものの、中には就学後に本当に困るケースがあるからです。
そのため、困ってから対応するのではなく、6歳なのにひらがなを読めない書けないと気づいた早い段階から、心配なケースかどうか見極めて対応することが大切です。
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2.年長6歳でひらがなを読めない書けないと学習障害?
年長さんで6歳過ぎてもひらがなを読めない書けない場合は心配なケースと心配しなくても良いケースがあります。
心配しなくても良いケースは発達には問題なく、たんにひらがなに興味関心がないだけの場合です。
その場合は就学まで全く読み書きできていなくても、小学校で教えてもらえば問題なくひらがなを読むことも書くこともできます。
ほとんどのお子さんは心配ないのですが、中には学習障害や境界知能・軽度知的障害などということがあります。
特に学習障害の場合は会話もスムーズに行え、日常生活も問題ないことが多いので気づかれずに見過ごされてしまうことが多くあります。
そして就学後に、ひらがな学習が始まってから先生に学習面のつまづきを指摘されて気づくケースが多くあります。
読めない・書けない状況に気づいてから慌てて対応した場合、読めるようになるためにも、書けるようになるためにも時間がかかります。
その間に子どもは自信を無くしたり、学習への意欲が失われてしまうこともあります。
そのため年長6歳でひらがなを読めない書けないと気づいたら、就学前の早い段階で、お子さんが読み書きするために必要なチカラが発達できているのかをある程度把握しておくことが大切です。
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3.支援が必要かの見極め方
お子さんが学習障害だったり、認知機能の発達がゆっくりなことが原因で、ひらがなを読んだり書いたりできない場合は、早期に支援をすることで、就学後の読み書き学習がスムーズにいくことがあります。
そのため、ひらがなを読み書きできるチカラが発達しているか、支援が必要かを見極めていくことが必要です。
ひらがなが読み書きできるようになるために必要なチカラとして主に二つあります。
一つはことばと音のつながりが理解できること、もう一つは文字を見て正しく認知できることです。
この二つのチカラが発達しているかどうかを判断する、ご家庭で簡単にできる方法があるのでご紹介します。
◆しりとりをする
ひらがなを読めるようになるために必要なチカラの一つとして音韻認識があります。
音韻認識とはことばがいくつの音でできているか、最初の音や最後の音は何か、どの順に並んでいるかなど、ことばと音の関係が理解できることです。
音韻認識が発達しているかどうか判断する方法の一つとしてしりとりがあります。
しりとりは「たぬき」「きつね」「ねこ」と、単語の一番最後の文字を使って、その文字から始まる単語を考え、それを続けて言っていくことば遊びです。
しりとりをする過程で、「たぬき」という単語を
①「た・ぬ・き」と分解する
②最後の音は「き」と理解する
③「き」から始まる単語を思い出す
④「きつね」と言う
相手が発した単語の一番最後の文字が何の音かを理解して、その音を使って次に自分がいう単語を考えるので、音韻認識が発達しているかの目安になります。
通常4歳半頃に音韻認識ができるようになり、しりとりは5歳頃からできるようになります。
そのため年長さんで6歳過ぎていても、しりとりができない場合は音韻認識が発達していない可能性が考えられます。
音韻認識が発達していない場合、ひらがなを読むことにも難しさが出るので、音韻認識の発達を見ていくことが重要です。
◆三角形を真似して描く
ひらがなを読み書きできるようになるためには、ひらがなの文字の形を目で見て捉えることができる視覚認知の力が必要になります。
形を目で見て捉えることができているかを判断する一つの方法に三角形を真似して描くことがあります。
図形を真似して書くことができるようになるためには主に二つのチカラが必要です。
一つは目で形を見て脳でその形を正しく捉えることです。もう一つは目で見た形に合わせて手を動かしていく目と手の協調のチカラです。
図形といえば、丸や四角、三角がありますがこの中で三角が一番難しいです。
なぜなら四角は縦線と横線で成り立っていますが、三角は線が斜めになっており、斜めの方向も違うからです。
どこが線のスタートになるのか、どうやって線を書いていけばいいのか、どこで線を止めればいいのかなど目で見ながら書いていく必要があります。
三角形をまねて描くことができるようであれば、大抵のひらがなは書けるようになっているでしょう。「マンガでわかる読み書き指導」より引用
そのくらい、ひらがなが書けるようになるためには三角形が描けるかどうかは大事な指標となります。
通常は三角形は5歳で描けるので、年長さんで6歳になっているお子さんが描けない場合は、形を捉えるチカラか目と手の協調のどちらかのチカラが弱い可能性が考えられます。
以上のことから、しりとりも三角形を真似して描くことも問題なくできる場合は、お子さんに興味が出ればひらがなが読めて書けるようになる可能性が高いです。
一方、しりとりができない、三角形を真似して描けない場合は就学後にひらがな学習で難しさが出る可能性があります。
そのため、気づいた時点で地域の教育センター、療育センター、児童相談所などにご相談されることをお勧めします。
早めに相談し、お子さんの発達に関して把握して、サポートしていくことができれば安心して就学を迎えることにもつながります。
年長6歳でひらがな読めない書けないと焦るママは、ぜひしりとりや三角形を真似して描くことをやってみてくださいね。
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執筆者:菅野 美香
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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