好き嫌いや、得意・不得意がはっきりしている発達障害・ADHDの子。せっかくならば好きなことで子どもを伸ばしてあげたいと思ったことはありませんか?脳科学の視点から見ても、苦手なことを克服しようとするより好きなことをする方が脳は育っていくんです!
【目次】
1.発達障害・ADHDの息子を好きなことで伸ばしたいけれど、苦手は克服しなくていいの?
2.好きなことをしているときに脳は発達する
◆脳は使えば使うほど発達する
◆好きなことならば、成功体験を作りやすい
3.好循環を生み出すお母さんの声かけとは!
1.発達障害・ADHDの息子を好きなことで伸ばしたいけれど、苦手は克服しなくていいの?
「子どもの好きなことを伸ばしてあげたい!」
「得意なことから伸ばしてあげたい!」
そう思ったことはありませんか?
好きなことや得意なことを磨いて自信がついたり、将来の仕事へつながっていったりしたら嬉しいですよね。
私も「子どもの好きなことや得意なことを見つけて伸ばしてあげたい!」と思い、子育てをしていました。
その反面、
「好きなことだけしていていいの?」
「苦手なことは克服しなくていいの?」
という疑問も・・・。
好きなことを極めて活躍している人はいますが、それは一部の限られた才能をもった人だけかもしれない・・・。
発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)の息子は、好きなことへの集中力はすごいけれど、苦手なことには取り組みません。
好きなことを伸ばしたいけれど、「苦手なこともできるようにしておかないと将来困るのでは?」という親心から、ネットサーフィンや本を読んで答えを探しましたが、解決しませんでした。
2.好きなことをしているときに脳は発達する!
そんな私の疑問は、発達科学ラボに入り「脳は楽しいときに発達する」ということを学んで解決しました。
好きなことに没頭していると、苦手なことを克服させようとしなくても脳が発達していくので、結果的に苦手なこともクリアしていけるようになるのです。
どうして好きなことをすると脳は発達するのでしょうか?
◆脳は使えば使うほど発達する
脳は筋トレと同じで、使えば使うほど発達すると言われています。
好きなことはどんどんやるので、それに関連する脳のエリアが発達し、さらに得意になっていきます。
例えば絵を描くのが好きな子であれば、描きたいものを観察するための見る力や、手を動かす力、記憶して思い出す力、集中力などが鍛えられます。
さらに絵を描くことで発達した脳のエリアは、絵を描く以外の他の場面でも力を発揮するので、他のこともできるようになっていきます!
学習に関連することだと、新しい漢字を学習するときに役立ちます。
見る力は、字形を見て覚えることにも関連しますし、手を動かす力は運筆の力として、鉛筆を握ったり、マスの中に文字を書いたりする力となるのです。
◆好きなことならば、成功体験を作りやすい
苦手なことや嫌なことは繰り返しやりたくないものですが、好きなことならば何度も取り組むので、うまくいくチャンスが増えます。
また、ポジティブな気持ちで取り組んでいるので、多少失敗したり、うまくいかない過程があったりしても、めげずに続けることができます。
「できた!」という成功体験が積み重なると自信になります。
このように好きなことの中で脳を発達させ、「自分はできるんだ!」という自信をたっぷり貯めてから、苦手なことに取り組むのでも遅くないはないのです。
3.好循環を生み出すお母さんの声かけとは!
好きなことならば放っておいてもどんどんやるのでそれだけでも伸びていきますが、お母さんにぜひ意識してもらいたいことがあります。
それはお子さんの好きなことに対して、肯定の声かけをしてあげることです。
子どもの活動がお母さんの言葉によって成功体験となり、どんどん自信がついて行動力が増えていくという、好循環が生まれていくからです!
好きなことで成功体験を作ったわが家の例をご紹介します。
息子は工作と電車が好きなのですが、日頃から工作している様子を見ながら
「のりのつけ方が丁度いいね!」
「そのやり方どうやって覚えたの?」
などと、肯定や、質問の声かけをしていました。
最近YouTubeで見たマイクロブタに興味をもつようになった息子が
「ブタを作りたい!」
と言い出したときには、
「いいね!材料は?」
と、すかさずアイディア褒め、興味関心を示す声かけをしました。
一緒に材料をそろえて試行錯誤。
電車は作り込んでいるので脳にそれほど負荷がかかりませんが、今回は作り慣れていないものを作るので失敗もします。
途中、うまくいかずに諦めそうになりましたが、見守ったり、
「ここまで諦めずに作ったんだね!すごい‼︎」
と、途中経過を褒めたりしながら、最後まで完成させることができました!
工作で身につく手先の器用さや集中力以外にも、
・試行錯誤して考える力
・最後までやり抜く力
を鍛えることができたと言えます。
これは息子が苦手としている部分でもあります。
好きなことの中で「最後まで頑張れた!」という達成感と自信をつけてあげることで、苦手な宿題でも決めたところまでは頑張れる力がついてきています。
苦手な勉強で同じように最後までやりきる力をつけようとしても、こうはいきません。
息子の場合は工作でしたが、絵本が好きならば関連のある本を読んで知識を広げたり、絵を描くことが好きならば絵を描いたりして活動を広げることで、脳のいろいろな場所を使うことができます。
子どもをよく観察して、興味関心のあることから活動を提案してあげると、子どもの脳はどんどん伸びていきます!
発達の凸凹は、見方を変えれば強みにもなります。
苦手を克服しようと、できないことばかりに目を向けるより、好きなこと、得意なことを活かして、子育てを楽しんでくださいね!
お母さんが関わり方を変えるだけで、子どもがぐんぐん伸びるヒントをお伝えしています。
執筆者:若月綾
(発達科学コミュニケーショントレーナー)