子どもがなかなか新しいことに挑戦しない…。それは脳の発達の状態と自信のなさが原因です。好きなこと、得意なことにどんどん取り組んで自信を付けていけば、新しいことにも挑戦できるようになっていきます。
【目次】
1.ネガティブ思考で新しいことに挑戦しようとしない
ネガティブな感情が強すぎて、新しいことに挑戦しようとしない。そんなお悩み、ありませんか?
過去の失敗体験を引きずったり、まだ起きてもいないことを心配したり…
例えばうちの息子の場合は、
・あそこに行くまでにお腹が痛くなったらどうしよう
・失敗したらどうしよう
・転んで血が出たら嫌だな
など、いろいろな心配ごとが頭の中にどんどん湧いてきて、新しいことに挑戦することをためらっていました。
2.なぜ新しいことに挑戦できないの?
息子のように、ネガティブな感情が頭を占めてしまい新しいことに挑戦できない理由は大きく2つあります。
◆①脳がネガティブな記憶を溜めやすい状態
脳には、ネガティブな情報をあえて溜めておく機能が備わっています。
これは、人間の祖先が外敵から身を守り生き延びるために備えた危機管理能力で、とても原始的な脳の機能なのです。
たとえば、猛獣が住んでいる洞窟の場所や、食べたら死んでしまう植物の色や形など、命に関わる危険なことから身を守るためにこの機能は必要でした。
現代人にはあまり必要のない機能ですが、脳の発達が未熟な状態だと、この機能が強く働いてネガティブな記憶を溜めやすい状態になっているのです。
◆②何事にも自信を持てない
発達が凸凹な子どもは、ほかの子が普通にできているのに自分だけうまくできないことが色々とあって、苦手意識を持ちやすい状況にさらされています。
さらに、先生や親からできてないことを注意されることで「自分はダメなやつだ…」と自信をなくしていきます。
そのような状況が続くと、未経験のことにあえて挑戦しようという気は起きなくなっていきます。
3.好きなこと、得意なことで自信を付ければ新しいことにも挑戦できます!
このように新しいことに挑戦できない子どもには、好きなことや得意なことで楽しく成功体験を積んで自信を付けてあげることで、だんだんと新しいことにも挑戦できるようになっていきます。
どういうことかというと、うまく行く→褒められる→自信が付いてまたやってみる、ということを積み重ねると、「自分ならできる!」という自己効力感が育っていきます。
そして自己効力感が高くなると、それまで経験したことがないことでも「自分ならできる!」という気持ちを持つことができ、新しいことにも挑戦することができるようになるのです。
以前は新しいことに挑戦できなかった私の息子ですが、発コミュの対応を続けて脳が発達し、自己効力感が育ってきたことを実感したある出来事がありました。
冬休み中に近所のショッピングモールにアイススケートリンクが設置されていたのですが、それまでスケートをやったことのない息子がやりたいと言い出しました。
アニメか動画でスケートを滑っている姿を見て自分もやりたくなったようで、頭の中に滑れるイメージもあったようです。
ですが、いざ氷の上に立ってみると思った以上にツルツル滑って、うまく立つことすらできません。
少しずつ立ったり歩いたりできるようにはなったものの、何度も派手に転んで、ズボンや手袋は氷の粉まみれになりました。
さすがに心が折れそうかなと思って声をかけたところ、息子はこう言ったのです。
「バンジートランポリンみたいに皆に『おぉー』って言ってもらいたいから、頑張って上手くなるんだ!」
「バンジートランポリン」というのはゴムの付いたハーネスを付けて下から上に飛び上がるアトラクションなのですが、息子は運動は苦手だけどバランス感覚は良くて、小さいころから上空で宙返りするなどして歓声を浴びていました。
このように、自己効力感が高くなると、未経験のことにも「自分ならできる!」と思うことができ、挑戦することができるようになっていきます。
何か1つでも自信を持てることがあれば、それを拠り所にほかのことにも挑戦する気持ちを持つことができるようになります。
子どもが新しいことになかなか挑戦しないと悩んでいるお父さん・お母さんはぜひ、お子さんの好きなこと・得意なことをたくさん褒めてあげて、自信を付けてあげましょう!
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執筆者:大谷 聡志
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)