発達障害・グレーゾーンの子どもが危険な行動をしようとした瞬間、とっさに出てくる言葉は無防備になりがちです。子どもの行動の裏にある気持ちを察し、子どもの立場を尊重した言い方ができれば、大人が伝えたかったことも受け止められやすくなります。 |
【目次】
1.とっさの言葉ほど気を付けて!子どもの気持ちがおいてけぼりに!
みなさんは、子どもが危険な行動 または問題につながりそうな行動をした時、どんなふうに接していますか?
たとえば「高いところに置いてあるコップをとろうとした」という場面。とっさに出る言葉はどっちでしょうか?
A:「あー!!あぶない!ママがやるから!!」
B:「コップがほしかったのね。危ないから、ママがとるね」
A・Bで比較するとBを選ぶ人は多いはずです。
でも、実際このような場面になるとAのような接し方をしている人が多いかもしれません。
今回は、子どもとより良い関係を築いていくために、知っておいてほしいことをお伝えします。
2.発達障害グレーゾーンの子どもの行動の裏にある気持ち
子どもが「喉がかわいたな~。何か飲みたいな~。コップを持っていって、ママに飲み物をもらおう」といった軽い気持ちでコップをとろうとした瞬間、「あー!!あぶない!ママがやるから!!」と怒鳴られた…。
コップを取ろうとしただけなのに。なんでママはそんなに怒るの?
そう思われても仕方ありませんよね。子どもは先の先まで考えて行動することはまだできません。危険を予知する能力はまだ未熟で、様々な経験から発達していくものです。
大人はとっさに気づいても、子どもは気づけません。ADHDタイプの子どもならば、なおさら欲しいと思ったものに一直線です。
ママは危険を教えたつもりの言葉ですが、子ども側の立場からみたら…
ママは何もわかっていない。
自分のことを理解してくれない。
受け入れてくれない。
と受け止められてしまうかもしれません。
3.子どもの未熟な脳を発達させるのはママの言葉かけ
子どもは、とっても正直です。自分をしっかり認めてくれる人には心を開きますが、上辺だけの人には心を開きません。
なぜ、子どもは大人の気持ちを見抜くのか?
それは、心の中の思いが表情や言葉のトーンとして表れるからです。
子どもの脳はまず、非言語情報を処理します。非言語情報とは、言葉で表現されている内容以外の情報です。つまり、表情や声色、声の大きさ、強さなどです。
恐い顔と強い語調で「あー!!あぶない!ママがやるから!!」と言ってしまった場合、言葉の内容はもはや子どもには伝わりません。
突然 怒られて、自分を否定されたように感じとられてしまいます。
一方、穏やかな表情で「コップがほしかったのね。危ないから、ママがとるね」と言われた場合。子どもは、きっとこんな気持ちでしょう。
「そうなんだよ。コップをとりたかっただけなんだ。コップをとりたいときは、ママに言えばいいのか。」
ママは自分をわかってくれている。そう思った子どもは、これから何かあればママに言おうと思うはずです。
一方的に自分の意見を押しつけるのではなく、子どもの立場を尊重して接することができる人。そんな人は、お子さんと良い関係をずっと築いていけるはず。 常に心がけて行動したいですね。
執筆者:須藤ゆかり
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)