| 衝動的な行動が目立つ発達障害ADHDタイプの子ども。「思いついたら考える前に行動してしまう…」こんなふうに悩んでいるお母さんはいませんか？ここではADHDタイプの子どもが慎重に行動できるようになる、遊びながらできるトレーニングを紹介します。 |
【目次】
１．ADHDタイプの「思いついたら即行動！」に悩んでいませんか？
２．どうしてADHDタイプは考える前に行動してしまうの？
◆ブレーキをかけることが苦手
◆見通しを持つことが苦手
３．発達障害の子どもが慎重に行動できるようになる遊びとは？
１．ADHDタイプの「思いついたら即行動！」に悩んでいませんか？
衝動的な行動が目立つ、発達障害・注意欠陥多動性障害（ADHD）タイプの子ども。
・欲しい物を見つけたら一直線！で、お友達にぶつかりトラブルになる…
・気になるボタンがあったら押す！で、エスカレーターを緊急停止させてしまう…
こんなふうに「思いついたら即行動！」な我が子の様子に悩んでいませんか？
実は、発達障害ADHDタイプの「考える前に行動してしまう」には、脳の特性が大きく関係しているんです。
そこで今回は、「思いついたら即行動！」な子どもが慎重に行動できるようになる、オススメの遊びを紹介します。
２．どうしてADHDタイプは考える前に行動してしまうの？
そもそも、どうして発達障害ADHDタイプの子どもはやりたい！と思ったら衝動的に行動してしまうのでしょうか？
ここでは、原因となる脳の特性を２つお話しします。
◆ブレーキをかけることが苦手
脳というのは、場所によって発達の順番が決まっています。その中でも、中学生以降の一番遅い時期に発達する場所と言われているのが「考える部分」です。
脳の「考える部分」とは
・状況に合わせて判断する
・自分の意欲や意思を持つ
・行動にブレーキをかける
などの働きをしており、脳全体の司令塔のような役割をしている大事な場所です。
ところが、発達障害の子どもはこの「考える部分」がまだ十分に発達していません。そのために自分の行動にブレーキをかけるのが難しいのです。
◆見通しを持つことが苦手
脳には「ワーキングメモリ」という、頭の中にある情報を使って考える働きがあります。
ワーキングメモリは
・目的を覚えておく
・見通しを持つ
などの働きがあり、日常生活の様々な場面で必要とされるものです。
ところが 発達障害の子どもは ワーキングメモリが弱い傾向があります。
そのために
・今 走ったら、お友達にぶつかるかもしれない
・このボタンを押したら、エスカレーターが止まるかもしれない
などといった 見通しを持って行動することができないのです。以上のような特性が原因で、ADHDタイプの子どもは 衝動的に行動することが多くなりがちです。
つまり、ADHDタイプの子どもが慎重に行動できるようになるためには
・ブレーキをかける
・見通しを持つ
という２つの要素を取り入れた遊びを使って、トレーニングすることが効果的なんです。
３．発達障害の子どもが慎重に行動できるようになる遊びとは？
では、衝動的な行動が目立つ発達障害ADHDタイプの子どもにオススメの遊びとは何でしょうか？
それは ジェンガです。ジェンガとは、木のタワーからブロックを１つずつ抜いて積んでいく遊びです。
やったことがある方ならわかると思いますが、何も考えずに勢いよく抜くとタワーはすぐに壊れてしまいます。
ジェンガでは
・ブロックを抜く前に考えることが必要
・「ここを抜くと倒れるかもしれない」などと自分なりに見通しを持つことが必要
・タワーが倒れないように、そーっと抜く必要がある
といった要素があり、慎重に行動することが求められます。
つまりジェンガで遊ぶことで、発達障害ADHDタイプが苦手な
・ブレーキをかける
・見通しを持つ
という２つの能力を高めることができるんです。
ジェンガで遊ぶときに大事なことは、お母さんの声かけでたくさん子どもに自信をつけてあげることです。
・ブロックを抜く前に観察し始めたら「お、ちゃんと考えてるね！」
・ブロックを抜けたら「ちゃんとそーっと抜けたね！」
などと、子どものできていることをたくさん口に出してあげてくださいね。
他にもジェンガには、
・手先がスムーズに動かせるようになる
・倒れる恐怖をみんなと共感することで、社会性を育てる
など様々な効果があります。
ゲームを通して子どもの脳をぐんぐん発達させることができるんですよ。
ただし、こういったトレーニングは子どもが楽しく取り組めることが大切です。
まずは親子のコミュニケーションをスムーズにしてから、次のステップとして遊びの中にトレーニングを取り入れてくださいね。
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執筆者：森あや
（発達科学コミュニケーショントレーナー）
（発達科学コミュニケーショントレーナー）
