発達障害ADHDの子が音楽の時間をつらく感じていたら…先生に聴覚過敏を知ってもらうメリットとは?

発達障害、ADHDで聴覚過敏があるお子さんが音楽の授業に参加するとき、お母さんとしては心配ですよね。感覚過敏がある我が子が、少しでも楽にすごすために何ができるでしょうか?
 

【目次】

 

1.発達障害やADHDは先生にとってまだまだ「未知のもの」?

 
 
人は、未知のものや自分が知らないことに対して嫌悪感や恐怖を感じます。
 
 
私たちも初めての場所に行くときや、初対面の人と合うときには、少なからず緊張するのではないでしょうか。
 
 
発達障害については、最近メディアで取り上げられることが増えてきたので、「学習障害」「注意欠陥多動性障害(ADHD)」といった言葉についても、知っている人が増えてきたと思います。
 
 
とはいえ、まだまだよく知らない人も多いのが現状です。
 
 
私は、ピアノを教える仕事をしています。私の音楽教室に習いに来てくれているお子さんの中には、他の教室で通うことを断られたという子がいます。
 
 
残念ながら、どんな子なのか会ってもいないのに、問い合わせをした段階で断られることがあるのも事実です。
 
 
でも、音楽教室の先生だと発達障害についてあまり知らず、そのために躊躇してしまったということもあるのかもしれません。
 
 
私も、ある発達障害の子と出会うまでは「自閉症」という言葉は知っていても、細かいことは何も知らないままでした。
 
 
過去に関わりのあったお子さんたちの中には、ADHD的な特性があったのだろうと思う子もいて、知識があればより良い対応ができたかもしれないと考えることがあります。
 
 
 
 

2.聴覚過敏について先生に知ってもらうメリット

 
 
特に、音楽関係の授業や習い事で気をつけたいのは「聴覚過敏」です。
 
 
私たちも、黒板を爪でひっかいた音など思い出しただけで嫌な気分になる音がありますよね。
 
 
そんな苦手な音を大音量で聞かされ続けるのを想像してみてください…絶対に嫌ですよね?
 
 
ほとんどの人は気にも止めない程度の音も、聴覚過敏のある子どもたちにとっては耐え難いほど嫌な音かもしれません。
 
 
ADHDの特性どうこう以前に、落ち着けないのも仕方ないですよね。それなのに、「やる気がない」「困った子」と誤解されてしまうこともあるのです。
 
 
でも!聴覚過敏は生理的反応です。好き嫌いの問題ではない、ということを先生に知っておいてもらうといいかもしれません。
 
 
音楽の先生が聴覚過敏について知ってくれれば、子どもたちが授業中に適切な配慮を受けられる可能性も高まります。
 
 
また、音楽に限らず 学校の先生が聴覚過敏について知ってくれれば、学校行事のときにも子どもたちがつらい思いをしなくてすむかもしれません。
 
 
 
 

3.音楽を使って聴覚過敏を和らげるアプローチを!

 
 
では、もしも音楽の授業などで聴覚過敏が心配な場合はどうしたらいいでしょうか?
 
 
まず、聴覚過敏の反応を和らげていくためには、
 
・短期的な(その場でできる)対応策
・長期的に取り組む対応策
 
という、2本立ての対応を意識してみてください。
 
 

◆短期的対応:苦手の原因を取り除く、もしくは遠ざける

 
 
・無理をさせずに、苦手とするもの(音源など)から離れる。
 
・パニックになってしまうと防衛反応も強く出てしまうので、ときには中断することも必要。
 
「どんな音が苦手か」という事前情報があると配慮してもらいやすくなる。
 
 
とはいえ、ずっと苦手なものから遠ざけているだけだと、子どもの成長や発達の機会を奪ってしまうことにもなりかねません。
 
 
そこで、長期的なアプローチが大切になってきます。
 
 

◆長期的対応:意識的に音を聞く経験を積み重ねる

 
 
興味のあることなら大丈夫だったり、注意を向けていれば平気ということもありますよね?
 
 
注意や関心を向けて音を聞くことで、聴覚防衛反応の改善につながります。
 
 
例えば、
 
・音当てや曲のイントロクイズをする(注意を向ける)
 
・使用する音楽は好きな曲を使う(興味のあること)
 
など、意識的に音楽を聞くことで、聴覚過敏を和らげることが期待できます。
 
 
もう1つ大切なのは、予告すること!私たちも突然大きな音がしたら驚きますよね?
 
 
突然の音で怖い思いをさせたり嫌なイメージがつかないように、どんなアプローチをする時も必ず予告をするように心がけてあげましょう。
 
 
ママたちには当たり前のことでも、もしかしたら先生にとっては目からウロコが落ちるようなありがたい情報かもしれません。
 
 
未知のものに対する不安感や偏見をなくすためには知識を得ることが貴重な一歩です!ぜひ、発達障害やADHDの特性だけでなく、感覚過敏についても先生に伝えてみてくださいね。
  
 
 
 
執筆者:三浦知花
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
 
 
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