小学生の子どもの字が汚い!とお困りではありませんか?実は「きれいに書きなさい」は子どもには通用しません。字が汚い理由があるので、きれいに書くためのコツを定着させる声かけが必要です。ママが1日1分でできる「字が上手くなる声かけ術」をお伝えします。
【目次】
1.小学生の子どもの字が汚い!と悩んでいた
小学生の子どもの字が汚いとお困りのことありませんか?
字が汚すぎると、先生が読めずにテストで減点されたり、お友達から指摘されたり、自分でも読めなくて、本人も困る原因になります。
せめて相手が読める、自分でも読める字を書けるようになってほしいですよね。
現在小学3年生の息子も字が汚すぎて、困ったことがあります。
小学校のワークには先生から「なんて書いてあるの?」「読めないよ」「もっときれいに書いて」と、心無いひとことを記載されていたことがありました。
それ以外にも
・漢字ドリルの宿題で、たくさん修正され、ドリル一面真っ赤になっている。
・漢字テストで、字が汚くていくつも減点される。
・漢字テストの間違えた箇所のやり直しが多くなる。
・自分で書いた字が読めなくて、学習に時間がかかる。
など、たくさんの困りごとがありました。
このことで息子が自信を失うことがないように、私は誰もが読める字を書けるようになってほしいと思いました。
そこで、読める字を書けるような声かけを実践したところ、息子は必要な状況で字を上手く書けるようになったので、ご紹介します。
2.字が汚い理由
小学生の子どもの字が汚い理由はいくつかありますが、字を正しくきれいに書くチカラがあるかどうかも理由を知る指標になります。
字を正しくきれいに書くチカラがあるけれど汚い字を書く子どもの場合は、普段は急いでいたり、丁寧に書くことが面倒で、パパ〜っとなぐり書きのように書いてしまうことがあります。
しかしテストや書写など丁寧に書いた方が良い場面ではきれいに書いたり、本人の意識次第で調整できるので、困りごとも少ないです。
一方、字を正しくきれいに書くチカラが備わっていない子どもの場合は、「きれいに書きなさい」「丁寧に書きなさい」と言われたからといって、書くことができません。
なぜなら、子どもがきれいな字を書くことができるほど発達していないからです。
では字が汚くなる理由について、具体的にお伝えしますので、お子さんに当てはまるものがないか確認してみてくださいね。
◆見る力が弱い
文字を正しく書くためには、文字の形やバランスを目で見て把握できること、線がどこから始まっていて、どの方向に鉛筆を向けて動かすといいかがわかっていることが必要です。
そのため見る力に弱さがある場合は、字をうまく書くことができません。
◆覚える力が弱い
文字を目で見て捉えたあとは、その形やバランスを覚えておく必要があります。
覚えておくこと、思い出すことのチカラに弱さがある場合は、正しい形を覚えてられず、うまく思い出せず、文字の形を正しく書くことに影響します。
◆運筆がうまくいかない
運筆とは文字を書くときの筆の動かし方のことで、姿勢や運動を通した感覚も関連してきます。姿勢が安定することで、手先をうまくコントロールできるようになります。
そして文字を書いたときの線の動かし方など、体や感覚で覚えておくことで、次にスムーズに書くことにもつながります。
また目で見ながら、手指を動かすという目と手の協調運動がスムーズにできると、見た文字を真似して正しく書くということができます。
そのため、これらの運筆に関連するチカラが発達していない場合は、文字を書くことですぐに疲れたり、文字の形が乱れていきます。
◆左利きである
日本で習うひらがなやカタカナ、漢字の書き順は右利きの人が書きやすいようにできています。
文字は左から右に向かって書き進めることが多いので、右利きの人にとっては手を動かしやすく書きやすいのですが、左利きの人にとっては左から右に向かって書くことは手を動かしづらく書きづらいのです。
左利きの子どもの場合は、書き順通りに手がうまく動かせずに、字が汚くなる傾向があります。
このように、字が汚くなるにはさまざまな理由があります。中には、書字障害(ディスグラフィア)といって、知能には問題ないものの文字や文章を書くことに困難が生じている場合があります。
また、発達性協調運動障害(DCD)といって、体の動きをコントロールする協調と呼ばれる動作がスムーズにいかないために不器用さを生じ、うまく書くことができない場合があります。
子どもの字が汚いだけでなく、字を書くこと自体に時間がかかったり書きづらさがあるときは、それらの可能性を疑って、専門機関に相談することをおすすめします。
3.1日1分で字が上手くなる「ママの声かけ術」
字をきれいに書くチカラのある子どもも、きれいに書くチカラが発達していない子どもにも共通する、字が上手くなる声かけ術をお伝えします。
それは、子どもが字が正しく書けるコツに気づき、それを繰り返して、定着させていくことです。
丁寧に書こうねと言われても、表現が抽象的でどこをどう書けば丁寧に書けるのかがわからないことも多いです。
そのため、子どもが宿題の時などに、書いている様子や文字を見て、具体的に声に出して肯定します。
そのときの声かけのポイントがあります。
それは
・1つの良い部分に注目すること
・その肯定を一定期間繰り返すこと
一度に「マスにおさまっているね」「ハネがきちんとできているね」「アーチがきれいだね」などと色々と肯定するよりも、今週はマスに文字をおさめることに注目して肯定しようなどと、どこの部分を肯定するかを決めておくと良いです。
肯定する部分の決め方として、最初は
・できていない時もあるが、できている時もある動作
にすることです。
できれば、5割から7割くらいできている、良い部分にするといいです。なぜなら、ある程度できていることは、意識もしやすく、定着しやすいからです。
では、実際の声かけの例をお伝えします。
「文字を書く時の姿勢が良いね」
「鉛筆の持ち方が良いね」
「正しい書き順で書けたね」
「マスにおさまっていてきれいだね」
「はねることできているね」
「最後の『とめ』がしっかりできているね」
「「はらい」がきれいだね」
など、どれか一つの動作に注目して、声に出して肯定します。
例えば、マスにおさまっている動作を定着させたいときには、マスにおさまっていない文字はスルーして、何も言いません。
マスにおさまっている文字だけ、「この文字、マスにおさまっていてきれいだね」と声に出して伝えます。
すると子どもは、文字がマスにおさまるときれいなんだ、と気づくことができます。
その後の文字を書くときにも、マスにおさめて書こうと意識が向きやすくなります。
宿題が終わった頃に、再度「この文字もこの文字もマスにおさめられたね」と肯定していきます。
子どもが文字をマスにおさめると褒めてもらえた!嬉しい!という成功体験の記憶を残していきます。
それを数日繰り返すことで、肯定されなくても、文字をマスにおさめるという動作が定着します。そうしたら、次には別の部分に注目して、肯定することを開始します。
それを繰り返していくことで、子どもは正しく書けるコツをつかんでいき、徐々に字が上手くなります。
同時に、その動作に意識を向けることが増え、その動作に関連する見るチカラや運筆のチカラなども発達していきます。
息子も、肯定の声かけを繰り返し続けた結果、徐々に文字を正しく書けるようになり、今までは字が汚くて✖️が多かった漢字テストでも90~100点がとれるようになりました。
丁寧に書いたほうが良い場面では、ぐんときれいに書けるようになり、字を書くチカラが発達してきています。
本人も、「きれいに書くといい点数がもらえる」ときれいに書くことのメリットを感じているようです。
子どもは字が上手くなると、自信にもつながります。たった1分あればできる声かけなので、お子さんの字を書くときの伸ばしたい部分を肯定して、定着できるように対応してみてくださいね。
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執筆者:菅野 美香
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)