発達障害・グレーゾーンの子どもが入学し勉強が始まったものの、鉛筆を上手く持てずに書きにくそうにしているお悩みはありませんか?それは脳の運動エリアの発達が遅いためです。そんなお子さんが遊びを通して鉛筆をしっかり使えるようになる対応をお伝えします。
【目次】
1.発達障害・グレーゾーンの子ども 運動面の発達が遅れるのは脳の問題
2.運動の発達が遅いために自信をなくす子が多い学校生活
3.運動脳を育て始めるのは、今すぐが必須!
4.運動発達の遅い不器用な子 指先だけの問題ではない事実
5.不器用で運動発達の遅い子が、鉛筆を使えるようになる遊び
1.発達障害・グレーゾーンの子ども 運動面の発達が遅れるのは脳の問題
発達障害・グレーゾーンの場合、生まれつき脳の運動エリアに未発達な部分があることが見受けられます。
その場合、体の動きに不器用さがみられ、これは発達障害・グレーゾーンの50〜80%に合併すると言われています。
この不器用が極端な場合は発達協調性運動障害(DCD)といいます。
お家でママとの遊びの中で不器用さは改善できますよ!
DCDではこんなことが見られます。
・何も無いところで転んでしまう、走り方がぎこちない
・姿勢が崩れやすい
・食べこぼしが多い
・ボタンの掛け外しに時間がかかる など
これは脳の運動エリアに未発達の部分があるためなので、本人の努力や頑張りが足りないとか、育て方のせいではないんです。
でも大丈夫!お家でママとの遊びの中でチカラを育てることができるんです。
2.運動の発達が遅いために自信をなくす子が多い学校生活
小学校の入学を楽しみにしていたお子さんは多いはず。
ところが、不器用キッズにとって、先ず鉛筆を扱うことに試練があります。
スムーズに扱えないのです。
よく鉛筆をギューっと握りこんで、書きにくそうな独特な持ち方をしている子が見受けられます。
そのため疲れやすく、集中力も長続きしません。
先生からは不要な注意を受け、その持ち方では大人が期待するようなきれいな字も書けないので、どんどん自信を失ってしまいます。
その他に、給食当番や掃除当番、体育の授業前後の着替え、友達と遊ぶ休み時間など、スムーズな動きを求められる場面が学校生活にはたくさんあります。
でも大丈夫!お家でママとの遊びの中で、スムーズに動くチカラを育てることはできるんです。
3.運動脳を育て始めるのは、今すぐが必須!
鉛筆を使うのは毎日のことです。
独特な持ち方をしていては、板書の遅れにもつながり、内容が頭に入らなくなることも考えられます。
また、学年が進むにつれ画数の多い漢字を書いたり、ノートの枠も小さくなります。
そのため、鉛筆の楽で効率の良い持ち方を身につけるのは大切なことなんです。
運筆のポイントは、指先の力(特に親指〜中指)・手首〜指のコントロール・力加減です。
この3指は手先の細かな作業を行う主要な指なんです。
そのため、この部分の器用さを上げておくことは、日常生活の中で様々な作業を行っていく上で、とても大切なんです。
なるべく早くマスターさせてあげたいですね。
4.運動発達の遅い不器用な子 指先だけの問題ではない事実
指先の遊びと同時に、体全体を上手に使えるようになる遊びをしましょう。
なぜなら、指先のチカラを発揮するためには、その付け根である腕〜肩周りがしっかり安定していることが大事だからです。
そして、肩を安定させるためには、その大元である体幹がどっしりと安定していることが前提となるからなんです。
想像してみましょう。
体がフラフラしていたら、手に力は入らないし、崩れた姿勢では、体幹に力は入らず、指先の細かい作業はできませんよね。
体ぜんたいを上手に使えるようになるために、運動の習い事に行くとか、何かハードな特訓をする必要はありません。
公園などで体をダイナミックに動かして遊びましょう!
公園遊びの例を挙げます。
◆シーソー
上下する不安定なシーソーの上で座り、落ちないように両手で留め具を握っていることで、体幹〜手の握力が育つ。
シーソーが下がるタイミングに合わせて両足で地面を蹴ることで、反応する力やリズム化力、瞬発力も育ちます。
◆鉄棒
ぶら下がっているだけでOK
手指の握力から、それに繋がる体幹の力が育ちます。
体を前後に揺らすと、それらの力がさらに育ちますよ。
お母さんとどちらが長くぶら下がっていられるか、競争するといいですね。
◆ジャングルジム
両手で捕まり、足を交互に掛けながら上ることで、手足を同時にスムーズに動かすチカラや、手足〜体幹の筋力も育ちます。
細い棒の上で立っていることで、バランスをとることが上手になる。
そうすることで、体幹のチカラも育ちますよ。
5.不器用で運動発達の遅い子が、鉛筆を使えるようになる遊び
遊びを3つご紹介します。
洗濯バサミ遊び・おはじき・ぬりえ遊びです。
描くことの楽しみを広げるためにも、初めは持ち方を強くは矯正せず、鉛筆操作に必要な手の動きを、遊びの中で取り入れましょう。
なぜなら、何度もうるさく指導されたら、鉛筆を持つこと自体が嫌になってしまうからです。
◆洗濯バサミ遊び
お母さんの体中に(服)付けた洗濯バサミを、子どもに外してもらいましょう。
「あ痛たた・・!洗濯バサミに噛まれちゃった〜」
など、コミカルな声かけで子どもの関心を引き出しましょう。
また、「指がキツネさんになってるかな〜」の言葉で、指の腹同士が向かい合って力を発揮させやすいポジションを覚えさせましょう。
指先の力が育ちます。
◆おはじき
机上にばらばらに置いたおはじきを、指で弾いて遊びます。
隣りのおはじきを当てられたら、1個もらえるルールです。
お母さんとどっちが多く取れるかな?
親指・人差し指・中指を順番に使ったり、外向きに弾いたり、内向きに弾いたりと、ルールを変えて楽しみましょう。
一本一本の指のなめらかな動き・力加減・コントロール力が育ちます。
昔からの伝統遊びには、体の器用さを楽しく育てる要素がたくさん入っているんです。
◆ぬりえ
色鉛筆で、好きなキャラのぬりえをしましょう。
「このスカート、赤で塗ったからかわいくなったね」
関心をもっていることを伝える。
「ここ、よく線のところで止めれてるね。スカートの模様が分かりやすいよ」
枠に収まっているところを見つけて褒めることで、「はみ出さない方がいいんだ」が分かり、徐々に「こうすればいいんだ」と力加減ができるようになります。
手首・指先の力加減、コントロール性が高まりますよ。
また、確認したいのは、食卓や勉強机と椅子の高さです。
ポイントは、机に両腕を置いた状態で、肘と膝がだいたい90度。
そして、足の裏が床にしっかり付いていることです。
足の裏に体重をしっかり乗せることで、姿勢が安定しやすいからです。
これらの楽しい遊びで、徐々にしっかりと鉛筆を扱えるようになりますよ。
お子さんが独特な持ち方をしている、集中力が続かないのが気になる、とお悩みの方は、ぜひ行ってみてくださいね。
発達凸凹キッズの生活をより良くするためのヒントが多数あります!
執筆者:長野愛
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)