発達障害・思春期男子の心を強くする!ストレスが解消できるパターン学習

 

発達特性がある思春期の子は心がとても疲れやすく、大人から見るとちょっとしたことで感情がぐらついて行動しなくなってしまいませんか?心を強くするために、ストレスをコントロールすることがポイントになります。やる気0から行動力を上げた関わり方をお伝えします。
 
 

【目次】

1.発達特性がある思春期の心はジェットコースター並みの不安定さ
2.なぜストレスによる影響が出やすく感情コントロールが難しいのか
3.ストレスと上手く付き合い心と脳を前向きに動かすには
4.発達特性があっても心を強くできる

 
 

1.発達特性がある思春期の心はジェットコースター並みの不安定さ

 
 
お子さんは些細なことでやる気や自信を無くしやすくなっていませんか?
 
 
「イケていたハズの自分が違った?」思春期はそんな時期でもあります。
 
 
周りとの感じ方のズレや違いに気づくと同時に、周りの言葉にとても敏感になる時期。
 
 
自信を無くしてしまう要因が増えるのです。
 
 
しかし、そういったストレスは脳でコントロールすることができ、結果心を強くすることができます。
 
 
私の息子は発達特性により、不快なことに対して過剰に反応したり、過剰に避けたりする傾向があるため、思春期の辛い状況から抜け出して楽になりたい、生きていたくないと言うようになっていました。
 
 
そのため学校に行きたくない、友達にも会いたくない、何もやる気が起きない状態でした。
 
 
頭では思っているのに行動を起こせないこと。更に、それを周りが良く思っていないことが分かっていて、自分を否定し周りのことも否定せずにはいられない状況でした。
 
 
 
 
そんな状況から心を強くしてあげたい。
 
 
一生懸命もがいている思春期を大人への準備期間として、ストレスに耐えられる力を身につけてあげたいと思いました。
 
 
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2.なぜストレスによる影響が出やすく感情コントロールが難しいのか

 
 
思春期でイライラして、情緒不安定、できることにも大きなムラがある状態は本人も周りもしんどいですよね。
 
 
なるべくストレスのない生活を送らせてあげたいものです。
 
 
発達特性のある子は脳の発達に偏りがあるためストレスにより、輪をかけて脳のパフォーマンスが落ちます。
 
 
そのため、ストレスで身体が弱まり動かなくなるとか、攻撃的になるなど、感情コントロールができなくなるといった事が起こります。
 
 
なぜ、自分がこんなに怒れてくるのか、なぜこんなに動けないのか、子ども自身が訳が分からなくなっている可能性があります。
 
 
 
 
さらに、特性がある子は特に頭で何度も嫌だった事を思い出したり、増強をして自分を辛い状況にしてしまいます。
 
 
自分を攻撃するストレス、されど自分を守るためにも役立つストレス。
 
 
コントロールできるスキルを身につければ、ちょっとしたことではぐらつかない強い心と身体を持っていられますよね。
 
 
そこで、ストレスを把握・コントロールすることが心を強くするカギになります。
 
 
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3.ストレスと上手く付き合い心と脳を前向きに動かすには

 
 
ストレス環境を把握したりコントロールすためにはどうしたらよいのでしょうか。
 
 
脳は環境に合わせて身体をストレスからシャットアウトしたり、適応させたりすることができます。
 
 
例えば、不登校の子で言うと、教室での刺激、友達からの干渉などの刺激から自分を守るため、学校に行かないと言う手段を取るというのは対処法でもあるのです。
 
 
ストレスフルの状態では脳は良く動きません。
 
 
そこで脳を良く動かす=パフォーマンスを上げることが先決。
 
 
そのために、
 
1.慢性的なストレスフルの状態からまず解放・弱まった脳機能を回復してあげる
 
 
2.ストレスを感じる状況を把握・パターンを学習する
 
 
この2つが大事なポイントになります。
 
 
具体的にどのようにすればいいか、お伝えします。
 
 

◆①ストレスフルな状態からの解放と回復させる

 
 
見るだけでポジティブな感情を起こさせるものを部屋に置く。
 
 
子どもが楽しかった、頑張って成功した想い出の写真を貼っておきます。写真を見るだけでポジティブな感情を起こさせることができます。
 
 
こちらの言葉が耳に入らないこと、思春期にはよくありますよね。これは無言の肯定です。
 
 
自分の良い所を再確認できるので自己肯定感が上がります。
 
 

 
 
肯定の関わりにより、何もしたくない、考えたくないという状態から行動しようとし始めたら、脳と心が回復してきた印です。
 
 

◆②ストレスを感じる状況を把握・パターンを学習する

 
 
何がストレスなのかを言葉にします。
 
 
何が自分にとってストレスなのか、俯瞰して言語化することは大切です。
 
 
ストレスを感じる状況をパターンとして覚えることで、脳がストレスへの対応を学習する様になるからです。
 
 
そこで、何(ストレス)を排除したら、行動できるかを言葉にして、自分の今の状態を把握できるようにします。
 
 
息子の場合、友達関係のストレスが一番の悩みであり、不登校になる原因でした。
 
 
そこでストレスに感じる状況について質問し、ストレスを感じたらどうしているかとも聞いてみました。
 
 
すると、友達と合わないようにしている、目を合わせないようにする、学校の後遊びに誘われても行かないなど友達と関わるのを避けているのがわかりました。
 
 
友達との接触が何より避けたいこと。しかし更にカウンセリングしていくと、勉強はしたいという気持ちが残っているのが分かりました。
 
 
そこで担任の先生に息子の状況をお話ししたところ、他の生徒と鉢合わせないような時間に別室に登校させてもらえたり、オンラインで学習できるよう環境を準備してもらい、出席扱いにしてもらうことができました。
 
 
環境を変えるのは逃げではない。賢い選択ができるということです。
 
 
ストレス環境をコントロールできれば、自分を適応させることができ、それが成功体験となって心を強くすることができます。
 
 

4.発達特性があっても心を強くできる

 
 
苦手な友達に会わずに登校できる、出席を認めてもらえる、さらに不登校だった友達と別室で共通のゲームの話で盛り上がれた。
 
 
また、その友達の担任の先生から、○君が別室に来たことで、□くんが週一だった別室登校が週三に、しかも朝から登校できる様になって嬉しい、ありがとうと言ってもらうことができました。
 
 
これが息子のストレスに対する成功体験のパターンとなりました。
 
 
 
 
”人の役に立つこと”が好きな息子にとってこの言葉は大きな自己効力感になりました。
 
 
これをことあるごとに会話の中に出し、振り返りができるようにしました。
 
 
大事なのはどう脳のパフォーマンスを上げてストレスをコントロールし、心を強くしてあげられるか。そのための環境を用意してあげられるか。
 
 
この記事が、お子さんの心を回復させ、強くする一歩に役立つと嬉しいです。
 
 
お母さんはいつでも味方だよと言う気持ちで、お子さんの心の声を聞き出してみてください。
 
 
 
 
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執筆者:五上亮子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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