繊細な子(HSC)はちょっとしたことで不安や緊張を感じやすく、日常の困りごとが増えがちです。そんな子どもに安心感を届けるカギは、親子のスキンシップ。毎日の小さな触れ合いで、繊細さをやわらげながら心と脳を育てる方法をご紹介します。
【目次】
1.繊細な子の困りごとに悩んでいませんか?
2.繊細な子が不安を感じやすい理由とは
3.繊細な子を育むオキシトシンの力
4.繊細さをやわらげる親子のスキンシップ
1.繊細な子の困りごとに悩んでいませんか?
「ちょっとしたことで泣いてしまう」
「集団生活で疲れてぐったりしてしまう」
「園や学校に行きたがらない日がある」
そんなわが子の姿に、将来への不安を感じているママも多いのではないでしょうか。
「なんでそんなことで?」と思うようなことで泣かれたり、うまくいかない毎日の子育てに「なんでうちの子だけ・・・」と落ち込んでしまうこともありますよね。
私も繊細な子を育てていて、どうしても周囲の人と比べてしまい、自分の育て方が悪いんじゃないかと悩むことが何度もありました。
でも安心してください。これは性格や心の弱さではなく、繊細な子(HSC=Highly Sensitive Child)ならではの脳と心の特性が関係しているのです。

繊細な子は、毎日の生活の中でこんな困りごとを抱えやすいです。
・新しいことに挑戦できない
・クラスの雰囲気や先生の表情にすぐ影響を受ける
・音や光、においなどに敏感で疲れやすい
・一度の失敗でも自信をなくしやすい
このように、繊細さゆえに表に出る困りごとはたくさんあります。
しかし、一つの困りごとを解決しても、また新しい困りごとが出てくる・・・。
だからこそ、繊細な子を育てるには「困りごとをなくす」よりも、「繊細さそのものをやわらげてあげること」が大切なのです。
2.繊細な子が不安を感じやすい理由とは
心理学や脳科学の研究からも、繊細な子が不安を感じやすい背景がわかっています。
◆偏桃体(へんとうたい)が敏感
脳の「偏桃体(へんとうたい)」は、不安や恐怖をキャッチするセンサーのような場所です。
繊細な子はこの偏桃体が敏感で、小さな出来事でも「危ないかも」と強く反応してしまいます。
◆ネガティブな記憶が残りやすい
怖かった体験や失敗の記憶を強く覚えていて、何度も思い出す傾向があります。
そのため、同じような場面になると「また失敗するかも」と不安を感じやすくなるのです。
◆感覚や社会的な刺激に影響を受けやすい
大きな音や強い光だけでなく、先生の表情やお友だちの一言でも心が揺さぶられます。
安心できる環境が整っていないと、すぐに脳も身体も疲れてしまうのです。

だから「気にしすぎないで」「大丈夫だよ」と声をかけても、不安はなかなか消えません。
繊細な子には、脳のセンサーが安心できるように働きかける工夫が必要です。
そのために役立つのが、子どもに「安心感を与える関わり」です。
3.繊細な子を育むオキシトシンの力
その安心感を与える関わりとして、とても有効なのが「親子のスキンシップ」です。
スキンシップをすると脳内で「オキシトシン」というホルモンが分泌されます。
オキシトシンは「安心ホルモン」とも呼ばれ、次のような効果があります。
・親子の愛情や絆を深める
・安心感や幸せを感じさせる
・ストレスをやわらげる
・感情を調整して安定させる
・社交性を高める
このオキシトシンによって、偏桃体の過剰な反応が落ち着き、不安や緊張がやわらぎます。
オキシトシンによる効果は、どれもストレスに弱かったり、集団行動が苦手だったりする繊細な子に欠かせない力ですよね。

つまり、スキンシップは繊細な子の心と脳を安心で満たして落ち着かせる、シンプルで効果的な方法なのです。
だからこそ、繊細な子の子育てにはスキンシップが欠かせません。
親子の絆と安心の土台を育てる――そのカギがスキンシップなのです。
4.繊細さをやわらげる親子のスキンシップ
では実際に、どんなスキンシップを取り入れたらいいのでしょうか?
大切なのは「毎日の小さな積み重ね」です。特別なことをしなくても、ちょっとした触れ合いで十分に効果があります。
例えばこんな関わり方がおすすめです。
・朝のおはようハグ
一日のスタートにぎゅっと抱きしめて「おはよう」と伝えるだけで、子どもの心に安心が広がります。
・くすぐり遊び
優しくこちょこちょ(フリだけでもOK)するだけで、あっという間に笑顔になります。
・寝る前のスキンシップ
背中をトントンしたり、手をにぎったりするだけで、心が落ち着いて眠りにつきやすくなります。
触れるときに大切なのは「強すぎず、無理のない触れ方」を意識することです。
繊細な子の中には感覚過敏を持っている子も多いので、力加減や触れ方は子どもの反応を見ながら調整してあげましょう。
こうした小さなスキンシップの積み重ねが、子どもの安心の土台をつくり、不安や緊張に揺らぎにくい強い心を育てます。
そしてなにより大切なのは、スキンシップを通して「ママはあなたの味方だよ」「安心していいんだよ」というメッセージが伝わることです。

繊細な子は、不安を感じやすい脳と心の仕組みを持っているため、毎日の生活で困りごとが多くなりがちです。
そんな子どもたちに安心を届ける方法が「スキンシップ」です。
スキンシップをすることで不安がやわらぎ、親子の絆と安心感が育ち、肯定的な言葉も受け取りやすくなります。
「ママがそばにいるから大丈夫」という感覚は、子どもにとって一生の宝物です。
毎日のちょっとした触れ合いが、繊細な子の心を守り、安心感を育て、繊細さをやわらげる力になります。
そして、スキンシップはママにとっても心がやわらぐ時間になります。
無理せず、できるときに、できる形で取り入れてみてください。
その優しい積み重ねが、繊細な子の心の土台をしっかり育てていきますよ。
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執筆者:くぼ あかり
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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