怒りっぽい子への対応に悩んでいませんか?発達障害の特性を持つ子が怒りっぽいのは、性格ではなく、気持ちを言葉でうまく表現できないサインです。怒る時間を減らし、伝わる言葉へと育てる関わり方を解説します。
1.発達障害の子が怒りっぽくみられる理由
すぐ怒る、すぐ泣きわめくなど、感情が爆発してしまう子の対応に疲れていませんか?
実はそれは性格ではありません。
些細なことですぐに感情が爆発すると、「どうしてそんなに怒るの?」と言いたくなりますよね。
これは気持ちややりたいことをうまく言葉にできないもどかしさや、感情のコントロールの未熟さから起きています。
そのため、本人の我慢の問題でも、しつけの問題でもないのです。
子どもが、抱えきれない気持ちを「怒り」という形で表現している状態です。
さらに「怒る」と、周りがすぐ反応してくれる(慰めてくれる、ママが近くに来る)ことで、
✔️怒ることで気持ちが伝わる
✔️怒ることで楽になる
という誤った学習が積み重なり、気持ちを伝える方法として「怒る」がクセになってしまうこともあります。
だから、怒りを止めるだけでは解決しません。
次の章で、落ち着かせなきゃと思うほどやってしまいがちな対応と、対応の注意点について解説していきます。
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2.怒りっぽい子についやりがちな対応
怒りっぽい子に対して「正しいことを伝える」関わりは、実は逆効果です。
怒っている状況を早くどうにかしようとして、つい正しいことを伝えてしまうことはありませんか?
でも実は、正しいことを教えようとする関わりは、子どもの中の気持ちをさらに強くしてしまいます。
正しいことを伝えても、子どもは、
「わかってもらえない」
この気持ちをどう処理したらいいのかわからないままです。
その結果、「怒る」ことでしか表現できない状態が続いてしまうのです。
これは、「怒る」という方法だけが強化されていくということです。
だからこそ、「正しさを伝える」のではなく、「気持ちを言葉にする関わり」へ変えていくことが必要です。
3.怒りが落ち着く声掛け3ステップ
では、怒りっぽい子にどう対応すれば良いのでしょうか。
感情は、言葉にすることで整理され、落ち着いていきます。
なので、心の中で起きていることを、言葉にしてあげることが大切です。
怒りっぽい子の多くは「今の気持ちを言葉にする」ことが難しく、
その結果、感情があふれ出し、怒りとして表現してしまうからです。
まず大前提として、感情が大きく高ぶっている時は言葉は入りません。
そのためこの声かけは、普段の落ち着いている時、または怒りが少しおさまってきたタイミングで使っていきます。
やり方はシンプルな3ステップです。
1.事実を伝える
「おもちゃがなくなっちゃったんだね」(事実)
2.本当はどうしたかったか言葉にする
「まだあそびたかったんね」
3.今の気持ちを言葉にする
「悔しかったよね」
例えば、順番がなかなか来なくてイライラしている場面。
「もう待てない!」と怒っているときに、すぐに止めようとするのではなく、
「ずっと待ってるのに自分の番にならないんだよね」(事実)
「早くやってみたかったんだよね」(希望)
「できなくてモヤモヤするよね」(感情)と、気持ちを言葉にしていきます。
子どもは
「やりたい」という気持ちと「できない現実」の間で揺れています。
その気持ちを言葉にしてもらうことで、自分の中で整理され、少しずつ安心して落ち着いていくという変化が起きていくのです。
4.怒りっぽい子に大切なのは気持ちを育てる関わり
怒りっぽい子への対応は、怒りを止めることがゴールではありません。
子どもは、怒ることで、自分の気持ちを外に出そうとしています。
だから大切なのは、怒りを抑えることではなく、気持ちを言葉にできる力を育てていくことです。
「悔しかったんだね」
「本当はこうしたかったんだね」
こうして気持ちを言葉にしていくことで、
子どもは少しずつ
✓自分の気持ちに気づく
✓言葉で伝える
ことができるようになっていきます。
そしてこの関わりは、子ども同士や家族との関係にも広がっていきます。
例えばわが家では、下の子がイヤイヤ期真っ最中。
「何がいやなのかわからなくて苦しいのかな」
「わかってほしい気持ちがあるのかな」
と、気持ちを一緒に考える声かけを続けていました。
すると上の子も、少しずつ
「眠くてイライラしてるのかな」
「うまく言えなくて困ってるのかな」
と、相手の気持ちを想像して言葉にしようとする姿が見られるようになりました。
このように、言葉にしてもらった経験は
そのまま子どもの中に積み重なり、やがて、自分の気持ちを整理する力、相手の気持ちを考える力へとつながっていきます。
今ママが使っている言葉が、その子の未来の言葉になるとしたら、どんな言葉をかけますか?
怒りっぽい子の対応に困ったとき、ぜひ試してみてください。
少しずつ、怒りで表現することが減り、やがて言葉で伝えようとする姿が見られるようになります。
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執筆者:栗原かおり
(発達科学コミュニケーショントレーナー)