発達グレーの子が「言わないと動かない」のはなぜ?ゲーム・YouTubeはできる子の自分で動く力を育てる声かけ

 

「ママが言わないと動かない」発達グレーの子に悩んでいませんか?ゲームやYouTubeはできるのに、着替えや宿題には動けない理由と、自分で考えて動く力を育てる声かけを紹介します。
 

【目次】

1.発達グレーの子が「言わないと動かない」のはなぜ?
2.ゲームはできるのに、やるべきことには動けない理由
3.「やらない子」ではなく、力を出しにくい状態だった
4.自分で動く力を育てる「次、どうする?」

 
 

監修者:吉野加容子

発達科学コミュニケーション創始者/パステル総研主宰/発達科学ラボ代表

 

脳科学をベースに、発達障害・発達グレーゾーンの子どもの発達支援を専門とする。広島大学教育学部卒業後、東京学芸大学大学院修士課程、慶應義塾大学大学院博士課程で学び、民間企業での脳科学研究、医療機関での発達支援、大学での教育に従事。

 

15年以上にわたり発達に悩む親子と向き合う中で、「子どもの発達を本当に伸ばすのは、家庭での365日の関わりである」という結論にたどり着く。

 

病院や学校だけでは支援が届きにくい発達グレーゾーンの子どもたちに対して、家庭で再現できる支援を確立するため、脳科学・教育学・心理学を融合した独自メソッド「発達科学コミュニケーション」を開発。

 

これまでに数多くの親子の変化を生み出し、“ママが変われば子どもが変わる”という発達支援の新しい当たり前を広げている。

著書に『発達障害とグレーゾーン 子どもの未来を変えるお母さんの教室』『脳を育てる親の話し方』『脳が喜ぶ子育て』など。

 
 

1.発達グレーの子が「言わないと動かない」のはなぜ?

 
 
朝起きたら、まずYouTube。
着替えもしない、朝ごはんも途中、学校の準備も終わっていない。
なのに、動画だけは自分から見始める。
 
 
学校から帰れば、今度はゲーム、 宿題をしない、 お風呂にもなかなか入らない。
 
 
そんな毎日が続くと、 「ゲームやYouTubeなら自分からやるのに、どうしてやるべきことは何度言ってもやらないの?」 と思いますよね。
 
 
 
 
「早く着替えて」 「宿題やったの?」 「もうゲームやめなさい」 「お風呂入って」 一日に何度も声をかけて、それでも動かない。
 
 
最後には怒ってしまい、夜になると、 「今日もまた怒っちゃった…」 と落ち込む。
 
 
そして気づけば、 「私が言わないと、この子は何もやらない」 と思うようになっていませんか?
 
 
けれど、ここで知ってほしいことがあります。
 
 
ゲームやYouTubeを自分からできることと、生活の中で次の行動へ自分から動けることは、同じではありません。
 
 
「やらない=やる気がない」と決めつける前に、まずはその違いを見ていきましょう。
 
 

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2.ゲームはできるのに、やるべきことには動けない理由

 
 
YouTubeやゲームには、「見たい」 「続きが気になる」 「楽しい」 という、自分から向かいやすい理由があります。
 
 
一方で、着替える、宿題を始める、 ゲームを終える、お風呂に入る。
 
 
こうした行動には、
 
・今やっていることを止める。
・次に何をするか思い出す。
・気持ちを切り替える。
・面倒でも動き始める。
 
という、いくつもの力が必要です。
 
 
だから、 「ゲームはできるんだから、やればできるはず」 とは限りません。
 
 
発達グレーゾーンの子を見ていると、 「やらない」 「動かない」 「言うことを聞かない」 という行動が目につきます。
 
 
 
 
すると、つい、
 
「やる気がない」
「怠けている」
「甘えている」
 
と思ってしまいます。
 
 
けれど、その行動の奥には、 「やりたいけれど、動き出せない」 という状態が隠れていることがあります。
 
 
「やる気があるか、ないか」ではなく、「この子はどこで動きにくくなっているんだろう?」と見ること。
 
 
ここが、関わり方を変える最初の一歩です。
 
 

3.「やらない子」ではなく、力を出しにくい状態だった

 
 
以前、宿題を始めるだけで毎日バトルになっていた小学2年生の女の子がいました。
 
 
ママが、 「宿題やろう」 と声をかけても動かない。 やっと机に向かっても、問題につまずくと、 「分からない!」 とイライラして、宿題どころではなくなってしまいます。
 
 
ママも毎日へとへとでした。
 
 
けれど、発達科学コミュニケーションを学び、 「どうやったら宿題をやらせられるか」 ではなく、 「この子が動きやすい状態をどうつくるか」 という見方に変えていきました。
 
 
すると、自分から宿題を始める日が増え、穏やかに取り組めるようになりました。今まで分からなかった問題にも取り組み、ある日には、 「勉強、楽しい」 と言うようになったんです。
 
 
テストで100点を取ることが増え、苦手だった漢字の小テストでも一発合格できるようになりました。
 
 
 
 
この子は、能力がなかったわけではありませんでした。 持っている力を出しにくい状態になっていただけだったんです。
 
 
だからこそ、「やらない」という行動だけで、その子のやる気や力まで決めつけないことが大切です。
 
 
そしてもうひとつ。 「宿題やった?」 「ゲーム終わりだよ」 「次はお風呂だよ」 と毎日ママが答えを伝えていると、生活は回っても、子どもが自分で考える場面は少なくなっていきます。
 
 
「私が言わないと動かない」を減らしていくには、ママが動かすことだけではなく、子どもに“考える番”を渡していくことが大切です。
 
 
自信が削れてしまう前に、関わりを整えることが大切です。
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4.自分で動く力を育てる「次、どうする?」

 
 
子どもが考えて行動するために使いたいのが、「次、どうする?」という一言です。
 
 
たとえば、YouTubeを見ている子に、「もう終わり!宿題やって!」と言う代わりに、「次、どうする?」と聞いてみます。
 
 
すると、
 
「次は何だっけ?」
「宿題かな」
「先にお風呂かな」
 
と、自分で考える余地が生まれます。
 
 
もちろん、一度聞いただけですぐに全部できるようになるわけではありません。
 
 
最初は、「知らない」「あとで」と返ってくることもあります。
 
 
 
 
大事なのは、一回で動かすことではありません。
 
 
ママが答えを言う前に、子ども自身が考える経験をつくることです。今はママが言わないと動かなくても、それがずっと続くと決まったわけではありません。
 
 
「早くして」「やりなさい」と答えを伝える前に、まず一回だけ、「次、どうする?」
 
と聞いてみてください。
 
 
ママが言わなくても、自分で考えて、選んで、動く力を育てていくため第一歩になります。
 
 
 
 

よくある質問(FAQ)

Q1:ゲームやYouTubeはできるのに宿題をしないのは、やる気がないからですか?

 
A1:ゲームをしている時間だけを見るのではなく、子どもが自分で時間を決めたり、終わるタイミングを考えたりできているかにも目を向けてみましょう。この記事の事例では、「21時にやめる」「これで最後にする」と自分で決めようとしていたことを大切な変化として捉えています。
 

Q2:「次、どうする?」と聞いても「知らない」と言われたらどうすればいいですか?

A2:一度の声かけですぐに動けるようになることが目的ではありません。まずはママが答えを言う前に、子ども自身が次の行動を考える経験をつくっていきましょう。
 

Q3:何度言っても動かないと、結局ママが指示するしかないのでは?

A3:生活を回すために指示が必要な場面もあります。すべての声かけを変える必要はありません。まずは一日の中で一回、答えを言う前に「次、どうする?」と聞くところから始めてみてください。
 
 

 

執筆者:松下かよ (発達科学コミュニケーショントレーナー)

 

私自身も、特性のある3人の子どもを育てる母です。グレーゾーンの長男、長女、そしてダウン症の次男。中でも、私が一番悩んだのは普通に見えるグレーゾーンの子育てでした。

 

そんな中で出会ったのが発達科学コミュニケーション。子どもの脳の発達に合わせた声かけを学び、関わり方を変えたことで、子どもたちは少しずつ自分から動けるようになっていきました。

 

現在は、集団の中で固まる、人前になるとしゃべれない、「学校に行きたくない」と言うそんなお子さんにどう関わればいいのか分からず悩んでいるママに、子どもが自分から動き出す声かけをお伝えしています。

 

 
 
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執筆者:松下かよ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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