朗報!発達障害・グレーゾーンの不登校中学生から希望の進路を聞き出すコツとは?

中学3年生は進路選びの時期ですね。家にこもりがちでお母さんとの会話の少ない発達障害・グレーゾーンの不登校中学生とどうやって相談して進路を決めたらいいのでしょうか?高校選びが親子で会話をするきっかけにできる方法を伝授します。
 

【目次】

 

1.発達障害・グレーゾーンの不登校の子の進路選びのむずかしさ

 
 
 中学3年生のお子さんをお持ちのお母さん、進路を選択する学年になりましたね。
 
 
お子さんに「どんな高校に行きたいの?」と聞いてみても「よくわかんない」「めんどくさい」などの答えしか返って来ないことはありませんか?
 
 
当時、我が家で不登校だった次男もそうでした。私から進路の話をしても反応が鈍く、切り出しにくい雰囲気がありました。
 
 
しかし、中学を卒業して居場所がなくなることに不安を感じているようでした。
 
 
発達障害・グレーゾーンの不登校中学生の進路選びにはいくつか難しい点があります。
 
 
・注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプ:刺激が多いと反応してしまう。興味のないことに集中することが苦手
 
 
・自閉症スペクトラム(ASD)タイプ:不安が強い。新しい場所・人・集団に慣れるのに時間がかかる。
 
 
・学習障害(LD)タイプ:聞く、話す、読む、書く、計算する、推論する、のどれか一つもしくは複数が苦手。
 
 
さらにどのタイプにも共通して、早起きや朝の支度が苦手な傾向があります。また不登校が長引いていると
 
 
・出席日数
・勉強の遅れ
・内申点
 
 
など、お母さんの心配はたくさんあります。でも、お子さんの特性や希望を踏まえて学校を選んで楽しい高校生活を送って欲しいですよね。
 
 
 
 
それでは、発達障害・グレーゾーンの不登校の中学生に向いている高校ってどんな学校なのでしょうか?
 
 

2. 「素直に、わがままに選ぶ」高校の選択肢はたくさんある

 
 
高校には全日制、通信制、定時制高校、高等専修学校などがありますが、発達障害・グレーゾーンの不登校の子が通いやすい学校は主に下記の3つです。
 
 
生徒が少人数で刺激が少なく、その子に合った対応をしてもらえ、入試ではテスト、面接、作文などで中学校の出席日数や成績が問われないことが多いからです。
 
 
取り寄せたパンフレットを見ているとダンスや音楽、お菓子、動物などワクワクすることがいっぱいで親世代の高校とは大違いでした。
 
 
やりたいことがはっきりしている子には好きなことに思いっきり打ち込める学校もありますよ。
 
 

①通信制高校

 
 
「レポート」「スクーリング」「テスト」によって学習を進めます。単位制の仕組みをとっているので、履修の仕方、スピードは自分で決められます
 
→将来の夢や目的、体調など自分のペースに合わせやすい、登校日数も週5日〜年間20日と様々。
 
 

②高等専修学校

 
 
授業時間の6〜7割を専門分野について学べる学校。このうち「技能連携制度」活用する学校は、高校卒業の資格も得られます。
 
→工業、農業、医療、衛生、教育・社会福祉、商業実務、服飾・家政、文化・教養の8つの専門分野で興味のあることをしっかり学べる
 
 

③サポート校

 
 
通信制高校と連携する民間の教育機関。民間独自のカリキュラムが魅力の一つで体験学習や生活面の支援などで別に所属する高校の卒業までを支援します。
 
→通信制高校のレポート指導がある。独自の専門コースもある。
 
 

 
私が9月に行った合同説明会では、不登校だった子がいきいきと楽しい高校生活を語り、主催者の方も「素直に、わがままに選ぶのがいい」と話すのを聞いてきました。
 
 

3.親子で相談タイムを持とう

 
 
高校を選ぶとき、子どもの気持ちや考えをよく知ることはとても大切です。お母さんの希望や理想もあるとは思いますが、実際に高校に通うのはお子さんです。
 
 
お子さんが主体的に選ぶことで、自分のこととして考え、行動することができるようになってきます。
 
 
・高校でやってみたいことや興味を持っていることはあるのか?
 
・どんな不安や心配があるのか?
 
 
やりたいこと・やりたくないことを知っておくことで、どんな高校が合っているか絞り込むことができます。
 
 
ですから、親子でしっかりコミュニケーションをとって相談していくことがとても重要になってくるのです。
 
 
我が家では雑談ではなかなか会話が増えなかったので、高校選びのテーマを意識して相談タイムを作っていました。
 
 
相談タイムを使ってお子さんが言葉で気持ちや考えを表現することで脳を発達させることができ、コミュニケーション力が上がります。
 
 
会話の中でお母さんが「いいね」「そうだね」とあいづちを打つことで、認められた、自分の考えが合っている、と小さな自信を積み重ねていくことができます。
 
 
相談するプロセスもお子さんを成長させることができるのです。
 
 
相談タイムはおやつの時間、食事の後などリラックスしているときがおすすめです。
 
 
我が家では私が9月から学校の情報を集め始めました。
 
 
次男に全日制、通信制、定時制高校、高等専修学校など集めたパンフレットを少しずつ見せながら説明をして希望を聞いてみましたが、ピンとこない様子でした。
 
 
複数の中から選ぶのが難しいようだと思い視点を変えて、簡単に答えられるような質問をしてみました。
 
 

 
 
・「高校でやってみたいことはある?」
→部活、行事、アルバイト、勉強など
 
・「高校で無理だということは何?」
→制服がある、出席日数が多い、生徒の数が多いなど
 
 
すると「高校でやってみたいことは特になくて、制服がなくて、アルバイトができて、勉強と出席日数の少ないところがいい」ということが分かりました。
 
 
この条件と私が考えた、始業時間が遅くて家から1時間以内で通える場所で次男に合った学校を探すこと、で絞り込むことができました。
 
 
とても気を使いながら進めていったのでようやくここまで来た!という感じでした。
 
 
今は親子の会話が少なくてもお子さんの機嫌のよさそうな時間にぜひ進路の相談タイムを作ってみてくださいね。
 
 
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執筆者:半谷彩子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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