不登校を経験した子ども達はどのような思いで仕事を選んでいくのでしょうか。中学校で不登校を経験した女性に不登校のその後をお聞きしました。そこには不登校経験者ならではの今時の仕事のあり方への思いがありました。 |
【目次】
1.やりたいことは決して諦めない!元不登校中学生はアニメーターの道へ
2.不登校経験から得られた仕事への思い
3.占いでお母さん達を救いたい!
4.『お母さんは家族の太陽でありリーダーである』
5.○○の力で不登校のその後の明暗を分ける⁈
1.やりたいことは決して諦めない!元不登校中学生はアニメーターの道へ
不登校を経験した人達がその後、どんな大人になり、どんな仕事をしているのか気になりませんか?
もしも、子どもの将来を不安に感じているお母さんがいたら、知って欲しいんです。
「不登校でも、明るい未来を作ることができますよ」ということを。
今回のインタビューでそんな思いが更に強くなりました。
インタビュー前編では、中学校で元不登校だった占い師の夜明ちはるさんが、どんな思いで不登校中過ごし、どんな居場所に出会い、高校受験を目指したのかをお伝えしました。
後編では、夜明さんの高校生活や、社会に出て仕事に就く上で何を基準に選択してきたのか、今、どんな思いで活動しているのかをお聞きしていきます!
―――高校には無事合格しましたが、高校生活は順調でしたか?
「順調ではなかったです。不登校だったっていう情報が周囲に知れ渡ってしまうんですよね。男子とかが、中学での不登校については言及はないものの、こいつはいじめていいんだって感じで接してきたので、まとわりつく蚊のように感じて『ウザいな』という感じがありましたね。
本当の友達もできたし、今でも付き合っている友達もできましたが、満たされなさがずっとありましたね。」
―――高校生の頃から占い師になりたいと思っていたんですか?
「元々は、占いに興味はなかったんですよ。最初はアニメーターになったんです。」
―――アニメーター⁈イラストを描く人ですか?
「そうです。イラスト描いて、動かして、テレビに映って、自分の名前まで載っちゃうみたいな。ご褒美か!って感じで始めたんです。」
―――アニメーターになるには、専門学校に行ったんですか?
「はい、絵の勉強をして。でも、その学校ではアニメの勉強はできなかったので、そのまま、『アニメは描けないけどアニメやりたいんですけど』って言って会社を受けまくって、落ちて…
たまたま新設の会社でアニメ描けなくてもいいから人が欲しいっていうところがあって、受け入れてくれたんです。」
―――それまたラッキーでしたね。アニメの会社に入って、その後どのくらいの期間お仕事されていたんですか?
「わかります?そうなんです、私の人生ラッキーなことだらけなんですよ!仕事は会社で4年くらいですね。その後フリーになって3年くらい。合計7年くらいやって、子どもを産んでやめたんです。」
―――フリーになると大変ではないんですか?
「会社の過酷労働に倒れて(笑)フリーで仕事を自分でとるのは会社に所属していた頃より大変だったんですけど、自分のペースでやれるようになったのでよかったんですよ。」
―――失礼な質問かもしれませんが、フリーになっても食いっぱぐれはないんでしょうか…?
「そうですね、基本、アニメーターって人手が足りないんですね。だから仕事はたくさんありますよ。アニメーター辞めても、未だに知らない人から依頼が来るんですよ。」
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絵を描くことが好きで、アニメーターを目指した夜明さん。やはり、好きなことを極めていくことで、困難な状況に遭っても「やりたい!」という気持ちで頑張ることができますね。
現在はコロナウイルスにより色々な人が職を失っています。フリーで自宅で仕事ができる、自分のペースでやっていけるというのも子どもたちが将来を考える上で参考にしたいポイントですね。
発達に特性のある不登校の子どもたちも、興味のないことをやらされて苦しかったり、周りに合わせなきゃと感じて疲れてしまったりする。
けれど、好きなこと、得意なことにはどんどんチャレンジして頑張れる!というお子さん達は多いです。
子どもたちの得意を生かすことができて、安心できる場所やペースでできる仕事があるという情報を、大人である私たちが提案してあげることが必要ですね。
2.不登校経験から得られた仕事への思い
―――占い師さんになったのは、お子さんを産んでからなんですか?
「2人目を産む前くらいからかな。ちょっと興味があってちょくちょく習ってて、子育てで忙しいし、できる範囲でと思っていたんですけど、主人が過酷労働で倒れるという事態が起きて休職せざるを得ない状況になって。
『やばい、私が働かないと』と思って。娘が1歳、息子が生後3ヶ月のときでした。」
―――子育てでとても大変な時期ですよね。
「だけど、旦那が子どもを見ててくれるので、その間に勉強できる!なんてラッキーなんだ!と、タロットの勉強を本格的に始めたんです。
旦那は休職手当が出ていたので、ゆっくり休んでもらって、その間に私は勉強しようって。」
―――すごい!ピンチをチャンスにする力がありますね。そのとき、なぜ占い師を選択したんですか?
「そもそも、アニメーターになった理由が、在宅勤務ができる仕事だったからなんですね。姉が不登校になったとき、うちの母親は外にも出られない、姉がいつ死ぬかわからないから仕事にも出れない状況でした。
子どもに何かあったとき、家でできる仕事がいい!!と思春期の間にこれぞというくらい植え付けられていたんです。」
―――占いなら在宅でもできると。
「このインタビューを受けるにあたって、アニメーターになったとき考えていたことを思い出していました。
私、中学で不登校になったときアニメをよく見ていたんです。アニメに助けられていました。私みたいな子のためにいいアニメを作りたい、監督もやってみたいとまで思っていたんです。私の人生、不登校に支配されている(笑)
占い師になるときも、『不登校専門の占い師になっちゃえばいいじゃん!』と思って。占いの先生にも専門分野を決めた方がいいと言われていたのもあって。それで不登校の勉強もして、カウンセリングの本とかも読んで勉強しました。不登校の子どものお母さんをサポートできるようにって考えました。」
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中学校での辛い不登校経験の中でも、お母さんの大変な姿をしっかりと見て、自分の将来を考える軸として役立てていることが素晴らしいですね。
また、自分の不登校という経験を他の誰かのために役立てたいという気持ちがあったということ。不登校経験って悪いものではないんだなと、改めて感じます。
3.占いでお母さん達を救いたい!
―――夜明さんの人生にとって、不登校経験がとても大きなものになっているんですね。私も無料メールタロット鑑定をしていただいて、メールだけでなんでこんなにわかるんだ⁈ってちょっとびっくりしました!
「タロットって、会わなくても、生年月日とか知らなくても、わかるんですよ。集合意識の中で、目に見えない、気づかないところでみんな繋がっていると言われていて。」
―――占いができるっていうのは、素質なんですか?それとも、勉強して技術を習得すれば誰でもできるんですか?
「誰でも勉強すればできますよ。霊感とかなくてもできますよ。」
―――本鑑定ではタロット以外もやってますよね。
「東洋占星術の一つ、紫微斗数(しととすう)もやってますね。タロットはカードで人の気持ち、近況の未来がわかる。紫微斗数は命術で、生年月日、生まれた場所等を聞いて時差計算をして占うっていうものです。
こっちはその人の一生を見ていく、その人が向いている方向性、家庭運、仕事運、健康運、その人の人生丸ごとわかるものです。」
―――本鑑定では、紫微斗数を使って子どもの将来も占ってくれるんですか?
「はい。個性、性格、思考のタイプ、メンタル面も見ていきます。紫微斗数は親がネガティブに見てたものをポジティブに見せてくれます。
例えば、私の例ですが、私は親に『お前は気が強くて、外面がいい、男に生まれればよかったのに』ってよく言われていました。
自分でも、気が強くて人間関係が下手くそっていうのをネガティブに捉えていました。
だけど紫微斗数に出会って、その素質をうまく使いこなせばいいんだって師匠に言われたときにものすごく楽になったんです。今まで苦しんでいたのはなんだったんだろう。自分の性格、思考を抑えなくていいんだって言ってもらえてとても楽になりました。
不登校の親御さんってどうしてもネガティブにしか捉えられなくなってしまうんですよね、疲れてるから。苦しくなってしまいますよね。
『いつ終わるんだろう。スマホして寝転んでる、このやろう!いつ学校行くんだ!』みたいな。
そんな親御さんに子どもの性格とか素質について、『変えることは必要ない、受け止めることができるんだよ』って伝えているんです。」
―――親の捉え方って大事だなって不登校経験をして私もすごく思います。夜明けさんがアドバイスして、お母さん達は考え方をすぐに変えられるんでしょうか?
「そうですね、割と変わりますね。ただ、長続きしない可能性もあります。人間は自分の考え方を変えるのが怖い性質を持っているので。
そういう人を継続して相談できるようにするシステムを作ろうと、数か月にわたりサポートできるようなコースを作ったり、お茶会などやりたいなと思っているところです。」
―――夜明さんのブログでは、『不登校の子どもの才能を伸ばす、引き出しましょう!』と書かれていますが、お母さん達にどんなことをアドバイスしているのですか?
「お子さんのありのままを認める、受け入れることですね。価値観ってみんな違うじゃないですか。私がエビフライが一番好きで、あなたはハンバーグが一番好きっていうのがあったら、それって変えられないじゃないですか。
みんな、そこをついつい変えたくなっちゃうんですよね!それって違うよっていうことをお伝えしている。受け入れるだけで違ってくる。
そうすると、お母さん自身もポジティブになってくる。お子さんを否定しないだけで前へ進めるようになるんです。
価値観を受け入れるだけでいい。人の価値観を無理やり変えるんではなくて、価値観のすり合わせをした方がいいんですよね。家族というチームの中で、すり合わせをすることで、一緒に進めるようになっていくんですよね。
また、お母さんがひどく疲れていることもあるので、まずお母さんを元気にしたい。対面して、元気になって帰ってもらいたいというのは常に意識していますよ。」
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親子の関係では、「“自分の”子ども」という気持ちが強くなりがちで、「自分とは違う一人の人間」という視点に立てなくなることが多いのではないでしょうか。
どんなサポート方法でも、子どもの人格を尊重するということが大事なのだと再確認することができました。
4.『お母さんは家族の太陽でありリーダー』
―――最後に読者の方にメッセージをお願いします。
「不登校のお子さんの今って、よくない状況かもしれない。見守るのって大変だと思います。うちも旦那が鬱になって大変だった。本当に大変で、寄り添うのって大変、家族って大変なんだって気づきました。
そのとき、不登校のお母さんって、こんな気持ちなんだ!って私も思いました。
寝れなかったり、どうすれば良いのかわからなかったり。子どもがひきこもっている場合、親御さんも不安でたまらないと思います。
でも、子どもの過去や今を見るんじゃなくて、未来を見て欲しいです。
うちの親はほんと大変だった、家庭は壊滅的だった。父からは怒号が飛び交うし、姉は自殺しそうだし、母はそんな姉を見張るので大変だし。そんな家族も今は『お前不登校だったっけ?』って感じなんですよ。
仕事も大変なこともあるけど、ワクワクしながら好きな仕事をやっている。そんな未来があるんだよ!っていうのを知って欲しい。未来を信じて欲しい。
そのためにお母さん達には元気になって欲しい、お母さんは太陽なんです。家族の精神的なリーダーってお母さん。お母さんが元気になったら、家族が元気になっていく。うちも母親が元気になったら、家族みんなの調子がよくなっていきました。
贅沢だって思わないで、たまには美味しい良いもの食べて欲しい、今、コロナウイルスでなかなかそうもいかないけど、美容院行ってきれいにして欲しい、自分を潤すことで家族が潤います。自分を大事にすることが家族を大事にすることにつながるんですよ。
泣きたいときには泣いていい、信頼できる人の前で泣けばいいです。
お母さんは頑張っているんだよ、十分!あなたを大事にすることで、家庭の立て直しが始まります。
お母さん、お子さん心配だと思うけど、お母さんが幸せになって一緒に幸せになって欲しいです。」
―――ありがとうございました。とてもお母さん達の心が元気になるメッセージだと思います!
4.○○の力で不登校のその後の明暗を分ける⁈
夜明さんとお話をして感じたことは、「苦しい経験=悪いことではない」ということでした。
夜明さんは、自分の不登校の経験によって、自分のことも家族のことも大事にできる仕事を選び、自立した道を歩むことに成功しました。
「今」、不登校の子どもがいて苦しいと感じているお母さん。今起こっている困りごとばかりにとらわれていませんか?
心配ばかりして、否定的な言葉ばかりを言い続ければ、子どもたちも不安になってどんどんネガティブになってしまいます。
子どもたちが今経験している辛い出来事は、将来の大きな財産になるかもしれません。
私たちお母さんは、まず子どもが困っていることに共感してあげましょう。
子どもが困難に打ち勝って明るく大人になっていくことをイメージしていきましょう。
子どもを叱ったりせずに肯定する言葉をかけることで、子どもたちは「不登校で悩んでいたこともあったよね」と笑って話せる時期が来ると思います。
子どもにプラスの言葉をかけるためにも、お母さんがまず元気になりましょう。
コロナウイルスの影響でお母さん自身も自宅にこもりきりでストレスが溜まっているかもしれませんが、ほっと一息できる時間を作ってみてはいかがでしょうか?
笑顔を取り戻せたら、将来好きなことを仕事に役立てられるよう、のんびりと子どもの好きなことを好きなだけやらせてあげて一緒に楽しみましょう。
そうすれば、明るく過去を振り返りながら会話ができる未来が待っていますよ!
夜明さんの占いはこちらでチェックできます。
家族の笑顔を取り戻そう!お母さんが楽しくなれちゃう育児法ありますよ。
執筆者:すずき 真菜
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)