発達障害の子どものお母さんなら、一度は「この子、将来自立できるのかしら?」と不安に思ったことはありませんか?不安な方こそ、行動することが大切です。幼児から始めたい、2つの自立について解説します。少しずつ将来の準備を始めていきましょう! |
【目次】
1.発達障害の子どもの将来が不安なお母さんへ
「うちの子、将来自立できるかしら?」
「私たちがいなくなっても、しっかり生きていけるかしら?」
発達障害のお子さんを持つお母さんなら、お子さんの将来に不安を感じたことがありますよね。
私もその一人です。
私の息子は幼稚園の年少さんのときに、発達障害・自閉症スペクトラム診断されました。当時は、軽度知的発達の遅れがあった上に、うまく会話が続かなかったり、人との距離が近すぎたりする面がありました。
息子のふるまいのすべてがやってはいけないことだらけに見えていまい、将来が不安でたまりませんでした。
今日は過去の私のように、子どもが自立できるかどうか不安なお母さんへ、幼児期の今から始められる「自立」についてお伝えしていきます。
発達障害かどうかにかかわらず、子どもは可能性に満ち溢れています。 子どもの将来を悲観して子育てするのではなく、大いに期待して育てていきたいですよね。
一人の人間が自立するために必要なことを知って、今からできることを始めれば不安も払しょくできますよ!
幼児から始めたい、2つの自立について解説します。
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2.「自立」っていったい何?
そもそも「自立」ってなにかご存じですか? 実は、自立には4つの種類があります。
①精神的自立:他者に依存せず、自分で考えて自分で行動できること
②経済的自立:自分が生きるために必要なお金を自分で稼いで管理できること
③時間的自立:自分の時間を自分でコントロールすること
④生活的自立:生きるために必要なスキルを習得していること
「自立した人間に育てる」ということは、この4つの自立ができる子育てをしていくということです。
現状、お子さんはどうでしょうか?
自分でやりたいこと、やりたくないことを考えて判断して行動できていますか?
「お金を稼ぐ」ということを知っていますか?
お金の管理はできていますか?
24時間を適切に使えていますか?
お父さん・お母さんが手を貸さなくても、問題なく生活できますか?
「うちの子は発達障害だから将来自立できるか不安…」と不安なお母さんは、お子さんの年齢や発達段階に応じて、必要な知識とスキルを習得させていくことで、不安を解消することができますよ!
特に、幼児期から習得していきたいのが、 精神的自立と生活的自立の2つです。
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3.幼児期から育てたい!精神的自立と生活的自立
4つの自立のうち、幼児期から育てることができるのは、精神的自立と生活的自立です。
経済的自立に関しては、稼いだお金の価値を理解したり、管理をしたりするのは発達段階的に難しそうですよね。
時間的自立については、幼児期は時間の感覚がなかなか身につかない子がいますので、子ども自身が時間を管理するのは難しいことがあります。
お母さんが「そろそろ○○の時間だよ」と、声をかけてあげてコントロールを学んでいく段階です。
一方、精神的自立と生活的自立は、幼児期からしっかり習得することができます。どちらも、お母さんとのコミュニケーションがとても重要なんですよ!
◆①精神的自立
「こうしたい!」と自分で考えて決断して行動するのが、精神的自立です。
幼児期から、小さなことからで構わないので、子どもが自分で考え、実行していく環境を作っていきましょう。
例えば、
・今日の晩ご飯は何が食べたい?
・今日はどのお洋服を着たい?
・今日はどこの公園におでかけしようか?
などであれば、幼児からできます。
こういった毎日の生活にかかわる判断からスタートして、最終的に進路や人生の生き方に関する判断へと発展していくのです。
幼児期の子どもに判断させる際は、お母さんがどんな風に声をかけるかが一番大切です。
例えば、 「あなたにはこれがいいと思う!」 「お母さんはこうしてほしい!」 とお母さんが子どもの考えを誘導したり、お母さん自身の希望を伝えすぎたりすると、子どもは自分で考えずにお母さんの判断を仰ぐようになってしまいます。
また、「あなたが決めていいよ!」と子どもに判断をゆだねたとしても、お母さんが醸し出す雰囲気が子どもの判断に大きな影響を与えます。
・選んでほしい方に意識が向いている
・「早くしなさい!」と判断を急がせている
・「好きにしたら?」と突き放している
こうしたお母さんの態度を子どもは敏感に感じ取ってしまうと、結局お母さんの顔色を窺ってしまいます。これでは子ども自身がしっかり考えて判断したとは言えません。
お母さんはネガティブなオーラを一切出さず、おだやかな表情で優しく「どうする?」と声をかけて、子どもがプレッシャーを感じずに考えて判断できるようにしていきましょう!
「どうする?」という漠然とした質問が答えづらければ、「AとB、どっちにする?」と選択肢を示すのもおすすめです。
また、子どもが答えを出した後の対応も大切です。
せっかく子どもが決めたのに、「え~?それにするの?」とお母さんが否定するのは絶対にNG!
自分が出した答えを否定されると、大人でも落ち込みますよね。
ぜひ、「それいいね!」と子どもが出した答えをポジティブに受け止めてあげましょう。 自分が出した答えを認められる経験を重ねれば、決断することを怖がる大人には育ちません。
また、子どもが実行したことをしっかり褒めることもお忘れなく!
・自分で決める
・決断を認められる
・実行したことを認められる
この3つのポイントで、子どもは自分で考えて判断し、実行していくことを楽しめるようになります。
◆②生活的自立
幼児から始められる自立のもうひとつが生活的自立です。
・朝一人で起きる
・一人で着替える
・身だしなみを整える
・トイレの始末する
・食事をする/食事を作る
・片づけをする
・買い物に行く
・持ち物の管理をする
・お風呂に入る
他にもまだまだありますが、生活的自立とは、生活にかかわることをすべて自分でできるようになることです。
私は、「子どもが問題なく一人暮らしできる」ということが生活自立のゴールだと思っています。
幼児なら、トイレの始末やお片づけはすでにできている子も多いと思いますが、簡単なお料理や洗濯だってできるんですよ!
幼児への料理の教え方はこちらで解説していますので、ぜひチェックしてくださいね。
◆③精神的自立×生活的自立
生活自立は、ただ生活スキルを身に着ければいい、というものではありません。
例えば、お料理ができるスキルはもちろん大切ですが、毎日しっかり自炊するということが大事なのではなく、
「今日は疲れたからコンビニでいいか…」
「揚げ物はキッチンが汚れるから外で食べよう」
「カフェで勉強しながらランチもすましちゃえ!」
と自分が楽に生活できるよう、適宜判断していくことだって大事ですよね。
これは、
・食べたい料理を調理するためにはどれぐらいの時間と労力が必要なのか知っている「生活的自立」のスキル
・「自分がどうしたいのか」を考え、判断して実行していく「精神的自立」のスキル
の合わせ技になります。
これも幼児の頃から、 「あ~もう7時だ。今から帰ると晩ご飯ちょっと遅くなっちゃうかも。どうしようか?」 などと質問して、状況に合わせてどうしたいか考えていく練習をしていきましょう!
この質問に対して、正しい答えはありません。
・外食する
・コンビニやテイクアウトを利用する
・家で食べるけど簡単なものにする
・遅くなるけれどいつも通りのご飯を食べる
食事を共にする人がOKならすべて正解です。でも、嫌な人がいれば譲歩する必要もあるかもしれません。
自分の考えをどこまで譲れるのか考えて判断することも自立には大切なことです。
ちなみにうちの息子は遅くなっても家で食べたい派、年長の娘は外食したい派です。 先日は2人で話し合って、「外食するけれど、コンビニでデザートを買って家で食べる」という形で、2人ともが納得できる答えを出すことができました。
子どもを自立に導いていくには、まず幼児期から
・精神的自立に向けて、「どうしたい?」と聞いて自分で判断させる習慣をつける
・生活的自立に向けて、お料理や洗濯、掃除、片づけなどの生活スキルを簡単なものから身に着けていく
からスタートしていきましょう!ぜひ今日から始めましょうね。
執筆者:丸山香緒里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)