発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプで忘れっぽい子どもに「今日学校でなにをしたの?」と聞いてもはっきりした返事が返ってこなくてモヤモヤしているお母さんは実は多いです。そんな子どもの記憶力を伸ばす効果的な対応を紹介します!! |
【目次】
1.発達障害ADHDの特徴のある子どもが忘れっぽくて悩んでいませんか?
注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプで忘れっぽい子どもに
「今日学校でなにをしたの?」
「給食はなんだった?」
「宿題はなにが出た?」
と聞いても「「うーん、忘れた」「献立表見たらわかるでしょ」…という答えが返ってきて「この子大丈夫だろうか?」とモヤモヤされているお母さんも多くいらっしゃるかもしれません。
発達障害ADHDと診断がなくても、不注意の傾向がある子どもは忘れっぽいことが多いです。
一方で「お母さん、前に◯◯買ってくれるっていったよね!」と「よくそんなこと覚えてたわね。」ということもあるかもしれません。
そのため、「聞いたら思い出すかもしれない」とお子さんに学校のことを質問し続けたら、面倒くさそうな様子になったり、機嫌が悪くなったりして、お互いにイライラしてしまうことになっているかもしれません。
実は、発達障害ADHDタイプで不注意傾向のある子どもは、忘れてしまうことと覚えていられることの差が出やすく、記憶にムラがありがちなのです。
そこで、今回は発達障害ADHDタイプで忘れっぽい子どもの記憶力を伸ばす効果的な対応を紹介します!
2.質問攻めはNG!今までうまくいかなかった訳
発達障害ADHDタイプで忘れっぽい子どもに、いくら学校のことを質問しても反応がいまいち。お互いにイライラするだけなので、お母さんが連絡帳や学級通信などを見て確認することになっているかもしれません。
発達障害・ADHDタイプで、気が散りやすく、集中する力が弱い不注意の特性のあるお子さんは、記憶するのが苦手な傾向があります。
その一方で、自分にとって大事なこと・必要なことには、注意を向けられて覚えていることもできます。そうでないものはあまり注意を向けられず、記憶に残りにくく、記憶力にムラがあるのです。
記憶には、「覚えること」と「思い出すこと」の二つの働きがあります。
お母さんに聞かれている学校のことは、本人にとってはあまり大事なことではなかったりして、覚えていないもしくは、思い出せなくて答えられないことなっているといえます。
学校にいるときに、不注意の傾向から様々な情報が常に脳に入ってきていて「あ、これは大事だから覚えておこう」と記憶に入りにくいことが考えられます。
また、学校から帰ってきて、おやつを食べたり、遊んだりすることを楽しみにしている子にとっては、
「学校でなにを食べたかよりも、今食べるおやつのことが大事!」
「学校でなにをしたかよりも、今なにをして遊ぶかのほうが大事!」
といえます。
そのため思い出すことが難しい状況ともいえるでしょう。
ですので、いくら学校のことを質問しても返事が返ってこなかったのは、お子さんが面倒くさがって答えていないわけではなかったんです!
次に、どうやって発達障害ADHDで忘れっぽいお子さんの記憶力を伸ばしたらいいかお伝えしますね。
3.発達障害ADHDで忘れっぽい子どもの記憶力が伸びる対応
それは、ズバリ楽しいことを覚えること+思い出してもらうことです!
記憶の二つの働き「覚えること」と「思い出すこと」を伸ばしてあげる対応です。
◆①今日の楽しかったことベスト3
毎日夕食やお風呂、寝る前など決まったタイミングで「今日の楽しかったことベスト3」を思い出して話してもらいましょう!
楽しかったことは、子どもにとっても大人にとっても気持ちが動いているので、記憶に残りやすい特徴があります。そして楽しかったことなら子どもは喜んで思い出してくれます。
最初は3つ楽しかったことを思い出せなかったとしても、毎日やっていれば、「今日も聞かれるな」と楽しいことを覚えておこうとするようになります。楽しいことなら子どもも喜んで覚えようとしてくれるのです。
楽しかったことを発表してくれたら、お母さんも女優になって、「わあ、それは楽しかったねえ!」と楽しんであげましょう!
お母さんも楽しんでくれると、また覚えよう・思い出そうと思ってくれるものです。
◆②好きなテレビや動画&コミュニケーション!
子どもが好きなアニメや動画を見せて、その後にストーリーを話してもらいましょう!
子どもが好きなアニメや動画なら、楽しみながら注意を向けて集中して見ることができ、話すことができます。しかも、見た直後に話してもらえば、比較的覚えていることも多いでしょう。
「主人公はなにをしてたの?」「へえ、そうなんだ!」「それで?」「どうなったの?」と楽しい雰囲気でコミュニケーションしましょう!
観るものは15分ぐらいの短さからスタートするといいでしょう。最初は、うまく説明できなこともあると思いますが、「うん、うん」「そうだったのか」と楽しそうに聞いてあげましょう。
最後に、「教えてくれてありがとう!」「嬉しい」と肯定してあげることもお忘れなく。お母さんが喜んでくれると次もまた覚えて、思い出して、話してあげようと思ってくれるようになります!
このように、子どもの記憶力を伸ばすなら、楽しいことを「覚えること、思い出すこと」が一番のおすすめです!
楽しことから記憶力を伸ばしてあげると、楽しくなくても必要なことを覚えていられるようになっていきます!
いかがでしたか?お母さんの日常の対応で、発達障害ADHDの特徴のある忘れっぽい子どもの記憶力を伸ばしていけるのです。
ぜひ、お子さんに学校について質問攻めすることから、お子さんが話したくなる楽しいことに話題をシフトチェンジしましょう!
発達障害ADHDの特徴のある忘れっぽい子どもの対応策がわかる!!
執筆者:山田ちあき
(発達科学コミュニケーションリサーチャー、臨床心理士)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー、臨床心理士)