発達障害の診断がなくても困りごとはお母さんの声かけでなくせます!Part2

子育てに「困りごと」はつきもの。色々調べて「うちの子、発達障害?」と心配されるお母さんは多いです。実は診断あってもなくても、たった一つのことを意識して声かけを変えることで子どもの困りごとはなくしていけます。今回はその方法についてお伝えします!
 

【目次】

 

1.発達障害の診断があってもなくても「困りごと」をなくす方法は一緒!

 
 
夕方の5時。そろそろ夜ご飯の準備もあるし、公園から家に帰りたい。「さぁ、帰るよ!」と言うと、 
 
 
「嫌だ!もっと遊ぶ!帰らない!」 
 
 
このような子どもの反応は色んな方がご経験されたことがあるのではないでしょうか? 
 
 
公園だけならいいですが、
 
お出かけ前も、ご飯の前も、お風呂の前も、歯磨きの前も…
 
と続くと結構しんどいですよね。 
 
 
そして、ネットで「切り替えの悪さ」は発達障害の症状の一つと知ると、今度は自分の子どもは発達障害なのかしら?と気になり始め時間が過ぎていっているかもしれません。
 
 
それもそうだと思います。発達障害の定義は時々変わりますし、ちょっとややこしいです。詳しくは『うちの子って発達障害?診断基準を知ればもう安心!Part1』をお読みください) 
 
 
ただ、お子さんの発達を考えたとき、大切なことはたった一つだということが分かっています。 
 
 
それは、お子さんが動く声かけを周りの大人がしていくことです。 
 
 
ここでは、お子さんが動きたくなる声かけが大事な理由とその方法をお伝えします!
 
 
 
 

2.子どもが動きたくなる声かけが大事な理由

 
 
お子さんがつい動きたくなる声かけが大切な理由は、動くことで、子どもの脳を発達させていくことができるからです! 
 
 

◆①脳の中の「使いにくい」エリアと「困りごと」の関係

 
 
 私たちの行動はすべて、脳からの「動け!」という命令に従っています。 
 
 
そして、脳の研究が進んだことで、脳のどのエリアが人間のどんな行動を指示しているのかがある程度分かってきました。
 
 
脳の「使いにくい」エリアは、文字通り使いづらいので、そのエリアの発達はゆっくりで、そのエリアの行動は「苦手」となっていきます。
 
 
逆に、脳の中の使いやすい」エリアはどんどん使われるので、そのエリアの発達は進み、そのエリアが担当している行動は「得意」になります。
 
 
例えば、冒頭で挙げたお母さんの指示に従ってくれないという「困りごと」を、脳の「使いにくい」エリアで考えてみると3つのパターンが考えられます。
 
 
1つ目は、聞くエリアが使いにくいため、他の音にまぎれて、お母さんの声がそもそも聞こえていないパターン。
 
 
2つ目は、聞くエリアは使いやすくお母さんの声は届いているけれど、覚えるエリアは使いにくいため、聞いたことをすぐに忘れてしまうパターン。
 
 
3つ目は、「やりたい!」という気持ちを感じ取るエリアは使いやすいけれど、その気持ちをコントルールするエリアが使いにくいため、やっていることが止められないパターンです。
 
 
使いやすいエリアと使いにくいエリアはどんな脳にもあります。知的障害がない発達障害のお子さんは、脳の中の
 
 
「使いやすいエリア」(=発達しやすいエリア)と、 「使いにくいエリア」(=発達しにくいエリア)の差がちょっと大きいということができます。
 
 
そのため、使いにくいエリアを使う行動をするときには、しんどい、なかなか動けない状態になりがちです。
 
 
また、使えるエリアもあるので、外から見るとできない理由が理解されにくく怠けているなどと誤解を受けやすいです。
 
 
このようにできることがあるのに、「使いにくい」エリアもあって、なかなかできないことが、「困りごと」として現れているのです。
 
 

◆②お母さんの声かけで使いにくいエリアを使いやすくする!

 
 
「使いにくい」エリアを発達させるためにはお母さんの声かけが大事です。
 
 
それは、お母さんはお子さんの感情を動かすスーパーパワーを持っているからです。
 
 
その理由は2つあります。
 
 
1つ目は、お子さんはお母さんのことが大好きだからです!
 
 
大好きな人から優しく丁寧に教えてもらえるとめんどくさくってもちょっとやってみようかなって思ったことってありませんか?
 
 
それと同じで、お母さんがニコニコ、その子でもできることを、スモールステップで教えてあげることで、お子さんは、やってみようかなという気持ちになっていきます。
 
 
そうやって新しい行動を引き出していくことで、脳の「使いにくい」エリアも使える様になっていきます。
 
 
 
 
2つ目は、お母さんはお子さんの好きなことが見つけやすいからです。
 
 
家に一緒にいる中で、お子さんが嬉しそうに取り組んでいることってないですか?
 
 
ずっと動いている!
大声で歌ってる!
何かと喋ってる!
じーっと見てる!
 
 
など お子さんが小さいときは、好きなことだと目をキラキラさせて取り組んでいる姿に出会うチャンスは多いと思います。
 
 
このお子さんが好きなことが分かると、好きなことの力を借りながら、苦手な行動もついやってみよう!という思いにつなげやすくなります。
 
 
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3.子どもが動く声かけの3原則!ー楽しく・短く・面白くー

 
 
何度言っても聞いてくれなかったりすると、ついついイライラしてしまいますよね。
 
 
そんな時は、脳の話を思い出して見てください。
 
 
何度言っても聞いてくれないのは、 脳の中の「使いにくい」エリアと関わっているからなのかもしれません。
 
 
もしそうなら、お子さんがその部分を使おうとして、ものすごくエネルギーが必要なのかもしれません
 
 
そんなときはお母さんの声かけの出番です!
 
 
ポイントは、楽しく! 短く! 面白く!
 
 
例えば、公園で「まだ帰らない!」とぐずりはじめた場合、
 
 
聞こえていないようなら、笑顔で目を見た後に耳元で「帰るよ」とささやいてみてください。
 
 
すぐ忘れてしまうようであれば、帰る時間の予告に力を入れてみましょう。
 
 
少し前から「後○分で帰ります!」「10秒前です!10,9,8….」と予告してください。
 
 
もしくは、「何秒で帰るお支度できるかな〜?」と1から数え始めてみてください。
 
 
やっていることが止められない場合は、家に帰ると公園にいるよりももっと楽しいことが待っていることを提示してみてください。
 
 
「今帰ったら大好きなテレビに間に合うよ!」でもいいと思います。
 
 
 
 
脳のどのエリアが使いにくいか、使いやすいかによって、その子に効く声かけは変わります。
 
 
その子にあった、子どもが動きたくなる声かけの方法は必ずあります。
 
 
行動することで使いにくかったエリアも使いやすくなっていきます。そうして脳が発達していくと お子さんの困りごとも減っていきます
 
 
お子さんが大好きなことなどと絡めるのもよし、できたときには小躍りしながらお母さんが喜ぶのもよし、発達障害あるなしにかかわらず使える子育てのコツです!
 
 
色んな方法を試しながら、お子さんにぴったりの声かけの方法を見つけていきましょう!
 
 
 楽しく、短く、面白く!子どもが動く声かけのコツをお伝えしています!

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執筆者:白石あやこ
発達科学コミュニケーションリサーチャー
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