小学校から始まる算数の授業。発達障害があってもなくても、苦手意識を持つお子さんはいます。学年が上がるにつれて、苦手意識を持つ子の比率は高くなってきます。今回は、苦手意識を持たせないようにお家で楽しく学べる方法をご紹介します! |
【目次】
1.発達障害・グレーゾーンの子はバツが苦手です
小学校に入ると算数の授業があります。義務教育の間だけでも9年間も「算数や数学」といった勉強をしなければなりません。
ところが、小学校に入ると苦手意識を持つことが多いのが「算数」です。
算数の答えはマルかバツかで判断されます。できなければ、「バツ」がつき、学校では、「できる」「できない」という評価をされてしまいます。
それにより、子どもの自尊心が傷つくことになります。
特に発達障害・グレーゾーンの子は、バツをつけられることを嫌がったり、嫌な思いをするとネガティブな記憶として残りやすかったりする傾向にあります。
一度苦手意識を持つと、学習意欲も低下していってしまいます。
2.算数につまずいてしまったら
算数は積み重ねの学習です。お子さんができないからといって、お母さんは計算問題を何度も繰り返しやらせたりしがちですよね。
発達障害・グレーゾーンの子の場合は、苦手なことと得意なことの差が激しく勉強が進まないことがあります。
ドリルのような形式の学習をさせてもなかなか問題が解決されないことも。
むしろ、無理にやらせることで算数がどんどん嫌いになってしまう可能性も否定できません。
子どもは、楽しいことや好きなことをやっているときに脳が発達します。楽しいことをしながら、「できる」「わかった」を積み重ねていくことが大事です。
嫌いという気持ちが働くと基礎を身につけることもできません。基礎ができるようになれば、応用問題も次第に対応することができるようになっていきます。
3.発達障害の子どもたちにおすすめ!親子で楽しくできる『お家でお祭りごっこ』
数の概念が弱いと、数の大小が理解できなかったり、自分が何列目にいるのか分からなかったりといったことが起こります。
数の概念が弱い子には、日常生活の中でできるだけ多くの「数を意識した」経験をさせてあげることが大事です。
苦手意識を持たせないために、まず、親子で楽しむということが大切です。
ここで、お子さんに、算数・数学的思考を身につけるのに役立つ遊びをご紹介します。
遊びながら数の感覚を身につけられる、『お家で祭りごっこ』です。
できれば実際のお金(コイン)を用意して、お店屋さんを開いてみましょう。
・スーパーボールすくい
・射的
・お面屋さん
・駄菓子屋さん
祭り囃子のBGMを流すと雰囲気が出て、気分も盛り上がりお祭り気分が味わえますね。
『お家で祭りごっこ』では、子どもに値段を設定してもらいましょう。
ぜひ、お店を準備するところから、子どもと一緒にワイワイ楽しみながらやってみてくださいね。
「これください」
「これはいくらですか?」
「はい、20円になります」
そのとき、お母さんは、50円玉を出しておつりが出るようにお金を渡してくださいね。
「30円のお返しです。ありがとうございます」
お財布も用意して、お母さんとお子さんで役割を交代してみてくださいね。
また、お金の計算に、時間がかかったとしても、じっと待ってあげてくださいね。考えることで、お金の感覚を覚える勉強にもなります。
実際のお金を使用すると、
・1円玉10個で、10玉1個と同じ
・5円玉2個で、10円玉1個と同じ
・100円玉5個で、500玉1個と同じ
といったことが、やり取りの中で学ぶことができます。
こういったやり取りをしていくうちに、子どもは数字の大小などがイメージしやすくなっていきます。
楽しく遊んでいるので、子どもたちは勉強をしているとは気づきません。実体験で、物や場面がイメージしやすくなります。
自分の体を使って、日常の中で与えられた数的な課題を解いていく体験をたくさんさせてあげてください。
今年は新型コロナの影響により各地のお祭りが中止になっています。『お家で祭りごっこ』をして、お子さんと楽しみながら算数を学んでみてくださいね。
こちらの記事でも、算数の楽しさをお伝えしています。
苦手な算数が楽しくなる!発達障害・グレーゾーンの小学生の算数攻略法
発達障害の子におすすめの学習方法をご紹介します。
執筆者:深井淳子
(発達科学コミュニケーション リサーチャー)
(発達科学コミュニケーション リサーチャー)
<