早くして!を当たり前に言ってしまうママは子どもの考える力を奪っていることに気付いていますか?言葉のかけ方を変えるだけで子どもには指示が通りやすくなります。考えるチカラをつけ自分から動く子どもになるための大切なポイントをお伝えしています。 |
【目次】
1.子どもはまだ未熟…親の思うスピードで動けません
お子さんはお母さんに言われなくても自分から行動する子どもですか?
それともマイペースで行動が遅いことが目立つお子さんですか?
後者の場合、仕事・育児・家事と忙しい毎日を送っているお母さんはとてもイライラすることが多いと思います。
何回も言うのは疲れるけれど、言わなければならない状況。
言わなきゃこの子はできないからと思うからこそ、子どもにかける言葉の数もイライラの度合いも多くなりますよね。
お母さんの想いが届いていないと感じるお子さんに、もしかして我が子も発達障害・グレーゾーンなのかしら?と心配がよぎることもあると思います。
発達の問題に関係なく、本人の気質のためマイペースでゆっくり動く子なのか?それとも障害がそうさせているのか迷いますよね。
確かに、発達障害・グレーゾーンの子どもは集中力の問題や、周りに合わせて動くことが苦手なこともあり、マイペース過ぎてしまうという特性を持っている場合があります。
しかし、お子さんが発達障害やグレーゾーンであるか否かにかかわらず、行動が定着しない原因の一つには、お母さんがお子さんへ考える時間を与えてあげていないということが共通して言えます。
マイペースで行動の遅いお子さんを見て、毎日、二言目には「早くして」と伝えていませんか?
日々、マルチタスクをこなしながら生活しているお母さんは、子どもにも自分と同じくらいのスピード感を求めていることが多くあります。
当然のことですが、お子さんとお母さんは生きてきた年数も経験も違いますし、お母さんと同じペースで子どもを動かそうとしても無理なんですよね。
そもそも子どもは自分の行動が遅いなんて自覚していません。そのため自分で何とかして行動を早くしよう!なんてことは思っていません。
子どもが自分で自分のことを理解し、行動の段取りを取ろうとするのはまだまだ先のこと。今はお母さんが子どもが自然と動くような、動きたくなるような環境を整えることが一番の近道です。
「早くして!」という言葉を使わないと我が子は何も動けないと思っているお母さん!決してそうではありません。
「早くして!」を封印し、わが子を自立させるまでにどのような対応をとっていったのか、失敗談も踏まえてお伝えしていきます。
2.行動を促すつもりが逆効果!私の失敗談
ここで私の失敗した対応をお話しさせてください。
私には幼稚園児の子どもがいます。行動が遅いのが目立つ子です。
ご想像できると思いますが、毎日同じことを伝え、急かさない日はありません。
例えば、
・「制服に着替えて〜」
・「歯磨きして、顔も一緒に洗いなよ!」
・「靴履いて!もう出かけるよ」
こんな風に、ありとあらゆる場面で急かしていました。
当然のことながら、娘は私が望むようなスピード感で動くはずはありません。これは前項でお伝えしたように無理な話でしたよね。
しかし、そんな当たり前の気づきがなかった私は例の口癖が登場します。
「もー、早くしてよ!」
結果、娘は矢継ぎ早に言われることでパニックに。
早くさせるつもりが、さらなる時間がかかってしまうことも多くありました。
娘の中では
・「今からやろうと思っていたのに」
・「やっている最中にどんどん言われて何からやればいいのか分からないよ」
・「お母さんと同じ速さでなんかできるわけないじゃん」
という気持ちが溜まって、結果としてパニックで泣き叫ぶことにつながっていました。
次から次へと急かす私の言葉に、どうしていいか分からなかったんだ!と今では猛省です。
急かして癇癪という流れになり登園できなかった日もありました。
急かさない方が得策だとようやく気付いた私は、2つの対応を娘に行いました。
3.子どもが自分から動くようになる2つの対応
我が子に行っている我が家の対応を2つご紹介します。
◆「早くして!」をやめる
早くして!とお母さんが急かしているときに、行動している子どもの頭の中は自分で考えて動いてはいません。
怒られるから、怒られたから動いているだけ。
言われたその場ではやってはいるけれど、自主性が伴う行動には発展していない場合がありませんか?
まずはお母さんが急かしたくなる気持ちをグッと抑えて待つ。
お母さんが待っている時間は忍耐も必要ですし、辛いときもあるかと思います。
しかしこの待つ時間はお子さんが自分の頭の中で考えている時間です。
しっかりと考える時間を確保して自立心を伸ばしてあげましょう。
◆区切りを見極めて声をかける
日々生活しているとなかなか余裕のある日ばかりではないですよね。
そんなときは急かすのではなく、子どもの状況を見極めて声をかける方法がおすすめです。
「〇〇が終わったらお着替えしようね〜」
などと子どもの行っていることが一区切りついたときを見計らって声をかけましょう。
子どもは途中で中断させられることもなく、しなくてはならないことを終わらせることもでき、結果急かしたときよりも短時間で済むことも。
我が家では登園前の朝の準備を急かさず待つようになってからは、子どもが家を出る時間が大幅に早くなりました。
今までずっと言ってきたのは何だったんだ?という状態です。
今までは「マイペース」「行動が遅い」というレッテルを貼っていたから、子どもがどんなに頑張って早く終わらせたと思っていても心から褒めてあげられなかったんです。
我が子が発達障害・グレーゾーンかどうかを決める前に、関わり方を変えてみてくださいね。あれ?この子、こんなに行動が早かったっけ?という気づきが得られるかもしれませんよ。
私も気を抜くと、口癖が出てしまいそうなときもあるので意識して継続中です。一緒に頑張りましょう!
また、生活行動を定着させる対応はこちらの記事で紹介しています。あわせてチェックしてくださいね。
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執筆者:みずおち梨絵
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)