子どもを褒めたくても「褒めるのが苦手」と思っている発達障害・グレーゾーンのママはいませんか?苦手の原因は「褒める視点」にあるかもしれません!今回は、褒め方が上手になり子どもとのコミュニケーションが取りやすくなる褒めテクニックをご紹介します。 |
【目次】
1.「どこを褒めればいいの?」褒めるのが苦手だった私
2.苦手の原因は「褒める視点」にあった!
3.発達障害の子どもとコミュケーションが取りやすくなる!褒めテク2選
①「できていること」を伝えよう
②「できてないこと」は“サンドイッチ作戦”で伝えよう
1.「どこを褒めればいいの?」褒めるのが苦手だった私
育児本や子育てのサイトに「子どもは褒めて伸ばそう」「褒める育児」など書いてあるのを見たことはありませんか?
実際に、子どもは親に褒められた喜びが、やる気や自信につながっていく、というのはよくわかる気がします。
一方で、いざ自分の子育てとなったときに「子どもを褒めてあげるのが大切なのは分かっている…でも褒めるところが見つからない!」と思ったことはありませんか?
以前の私はまさにそうでした。
私は、診断はついていませんが、発達障害・グレーゾーン傾向の小学生の息子と2歳の娘を持つママです。
褒める育児が大事なのは、私も頭ではよく分かっています。
ところが実際に1日の子育てが始まると、次から次へと叱る要素は山ほど起きるのに、「すごいね!」と褒められるような出来事はそうそう起こらないのが現実。
特に、発達障害・グレーゾーンの子どもの場合は、行動がゆっくり・切り替えが苦手・静かにする場面で落ち着きがない等、その特性からどうしてもマイナスの部分に目がいきがちですよね。
「ちゃんとさせなければ」と思えば思うほど、つい息子を厳しく叱ったり、小言ばかり言ってしまう…。
息子はできないことや気になることを立て続けに言われてさらに機嫌が悪くなる…。
私自身も、息子の態度を見て感情的になってしまい、コミュニケーションがうまくいかないことが多々ありました。
その結果、毎晩わが子の寝顔に、「今日も言い過ぎちゃったな…叱りすぎてごめんね」「明日はニコニコママになるからね」と謝る日々。
みんな子どもの何を褒めているんだろう?
子どもはかわいいし褒めてあげようと思うのに現実には全然できない。
私って褒めるのが苦手なのかな?
子どものできないことや気になることばかりが目について、褒めるところがなかなか見つからない!どこを褒めたらいいの?…というのが、その頃の私の気持ちでした。
そんな私に転機が訪れます。
それは、発達科学コミュニケーション(発コミュ)を学ぶことで、今まで考えていた意味合いとは違う「褒める視点」を取れるようになったことがきっかけでした。
これにより私は、以前よりもスムーズに、息子を褒められるようになりました。
これまで私と息子とのコミュニケーションがうまくいかない原因の1つとして、私の中に「褒めると言えばこれ!」というある思い込みがありました。
でも、発コミュでの「褒める視点」は、私の今までの考えとは全く違うものだったのです!
2.苦手の原因は「褒める視点」にあった!
みなさんは、「子どもを褒める」と聞くと、どういったイメージしますか。
「すごいね~!」「えらいね!」などの子どもへの称賛の言葉でしょうか。
テレビドラマで、親が子どもの頭をよしよし撫でながら褒め讃えるイメージでしょうか。いろいろ思いつきますよね。
発コミュに出会う前の私は、「褒める」とは、「すごいね!」「やるじゃん~!」などの語尾にビックリマークがつくテンションが高い言葉を使うことだと思っていました。
また私自身もテンションを上げた状態で相手に伝えなければ、伝わらないと思っていました。
それはまるで接待のように、相手をいい気分にさせるのが褒めることだと思い込んでいました。
でも、「褒める=相手を称賛する」だけではありません。
発コミュでは、「褒める=相手の行動や発言を肯定する」ことが大切としています。
発達障害・グレーゾーンの子どもに限らず、大人も子どもも、自分の意見や行動が認められたり、共感されたりすると、嬉しいですよね。
実は、それには脳のしくみが関係しています。
自分の意見や行動が相手から認められたり、共感されたりするとき、脳の中で幸福感を感じる神経物質が出ると言われています。
相手に認められたり、共感された行動は、褒められた本人の脳にとって喜びとなり、繰り返し行われることで記憶されて定着=強化されていきます。
そのため、毎日の子どもの行動や発言に注目して、ママが繰り返し肯定することが、子どもの行動の変化を促すことに繋がります!
子どもの行動が変化し、成長していくと、困り事の原因となっている行動が徐々に減っていきます。
発達の困り事が減ってくれば、親子のコミュニケーションもスムーズに行くようになりますよね。
なにより、ママ自身の心が穏やかでいられるようになり、気持ちが楽になります。
ですから、まずはママが「褒める視点」を少し変えて、子どもと接していくことが、ママ自身がイライラしないためにも大切なのです!
3.発達障害の子どもとコミュケーションが取りやすくなる!褒めテク2選
では、子どもの行動を肯定する褒め方とは、具体的にどのようなものでしょうか?
ここでは褒めるのが苦手なママが、褒め上手になり子どもとのコミュニケーションが取りやすくなる簡単褒めテクニックを2つご紹介しますね。
◆①「できていること」を伝えよう
朝、起きられたね
顔を洗えたね
歯磨きできたね
給食セットを出せたね
宿題を自分で始められたね
など、大人にとって当たり前と思うようなことでも、子ども自身の行動、努力、変化などを認める言葉を伝えてあげましょう。
このとき「すごいね!」「えらいね!」などの言葉はつけなくても大丈夫。
行動を認める言葉は「ちゃんと見ているよ」「気づいているよ」というママの気持ちが伝わり、嬉しい気持ちになる子も多いです。
また、この褒め言葉を使うためには、具体的に言う必要があるので、子どもをじっくり観察するママの目も養われますよ!
◆②「できてないこと」は“サンドイッチ作戦”で伝えよう
できていることを褒めるのはわかったけど、今できていないことをやってほしい時にはどうすればいいの?と思うママもいると思います。
そんなときは、できていないこと1つに対して、前後に、できていること2つ伝える、「サンドイッチ作戦」を試してみてください!
サンドイッチは、真ん中の具材が両側のふわふわのパンで挟まれてますよね。
できていないことを伝えたいときは、子どもにとって、「できていること=肯定」で両側を挟むようにして伝えます。
例えば、子どもが小学校から帰宅後、ママは箸箱を早く洗いたいけど、いっこうに出してこないシチュエーションがあったとします。
その場合だと、ママは箸箱を早く出してほしいことを伝えたいですよね。
その前後に、帰宅後に子どもがすでに当たり前のことでもできていることを併せて伝えます。
①できていること(肯定)…「持ち帰ってきた体操着を洗濯カゴに出してくれたね!」
②できていないこと…「箸箱をキッチンに出してくれるかな!」
③できていること(肯定)…「ママに連絡帳渡せたね!」
できていないこと1つに対して、できていることを前後に2つ挟んで伝える、この3つが1セットです。
ママ側からすると、できたことも、できていないことも両方子どもに伝えることができます。
子ども側からも、できていないことばかり言われてダメ出しされるわけではないので、嫌な気分になりにくいです。
サンドイッチように挟めば、単純にできていないことより、できていることを2倍肯定することができますよね。
以上、褒めるのが苦手なママに向けた簡単褒めテクニックを2つご紹介しました。
褒めるところを探そうと思うと苦労するかもしれませんが、「できていることを探して伝える」だけなら、気軽にできるのではないでしょうか。
ママが「褒める視点」を少し変えるだけで、子どもへの褒めポイントが見つかりやすくなります。
スムーズに褒められるようになると、想像以上に、子どもとのコミュニケーションが円滑に進むので、ぜひ試してみてくださいね。
子どもに伝わる褒め方のポイントをお伝えしています!
執筆者:なつきみき
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)