発達障害・グレーゾーンの子どもがゲームやYouTubeからスッと切り替えられるお母さんのコミュニケーションスキル

 

発達障害・グレーゾーン、特にADHDのお子さんは切り替えが難しく、やるべきことを後回しにしてしまいがちです。ゲームを取り上げても改善はできません。お母さんとのポジティブなコミュニケーションで切り替える力をつけていきましょう。
 

【目次】

 

1.いつまでやるの!?発達障害・グレーゾーンの子どもがゲームをやめられない!

 
 
学校から帰ってきて、いきなりゲームを始める。
 
その後、ずっとゲームをし続け、宿題はしない。お手伝いもしてくれない。
 
 
「いつまでやるの!?早く〇〇しなさい!」
 
 
こんな言い方をしてしまい親子バトルに発展していく。
 
 
発達障害だろうがグレーゾーンだろうが、多くの家庭で起きているバトルではないでしょうか。
 
 
お母さんは、宿題さえやればいい、片付けさえやればいい、お手伝いさえやってくれたらいいと思ってるわけではなく、
 
 
自分で切り替えて、やるべきことはやってほしい。
 
 
世のお母さんの願いはそこではないでしょうか。
 
 
 
 
わが家の注意欠陥多動性障害(ADHD)の小学5年生の息子は、 毎日のように、ゲームから次の行動に切り替えられず、私も手を焼いていました。
 
 
「そろそろ宿題したら?」の私の声に癇癪を起こし、 ゲームのコントローラーを投げつけ、宿題のノートはビリビリに破り… とても宿題どころではなくなる、ということが日常茶飯事でした。
 
 
子ども自身で切り替えられないならと、ゲーム時間の制限機能をつけてみたり、 家庭での約束を守らなかった時には一定期間、ゲーム機本体を取り上げてみたり…
 
 
そんなことを繰り返してみても、切り替える力がついていないので、同じことを繰り返すだけになっていました。
 
 
繰り返すだけならまだしも、子どもの反発が強くなり、親子関係が悪化していきました。
 
 
きっと年齢が上がるにつれて、切り替える力はついていくのでは?と思っていましたが、なかなかできるようになりませんでした。
 
 
このまま中学生、高校生、社会人となっていき、ゲームばかりして過ごす大人になってしまったらどうしよう…と、不安な気持ちになっていきました。
 
 
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2.ADHDの子どもの宿題への激しい抵抗は、脳の特性!?

 
 
発達障害・ADHDタイプの子どもは、
 
 
・先を見通して行動することが苦手
・感情のコントロールが苦手
・楽しいことに集中しすぎてしまう
 
 
という特性があるので、ゲームやYouTubeから、そう簡単に次の行動に移ることができません。
 
 
今、ゲームをやめておかないと、寝る前に宿題をやらないといけなくなるな~などと、私たちは先のことを考えて行動します。
 
 
しかし、ADHDの子どもは先を見通して考えることが苦手なため「とにかく面倒なものが山積みになっている」くらいにしか考えられなくなってしまいます。
 
 
ゲームの後、何をやればいいんだろう?
今日の宿題、何だっけ?
部屋が散らかってることすら気づいてない。
 
 
次に自分が何をしたらいいのか、やるべきことがどれくらい時間がかかるのか、どのくらいの難易度なのか、 さっぱり見当がついていない状態かもしれません。
 
 
そこにお母さんからの「早く〇〇しなさい」という声かけは、子どもにとって明確に「これをやろう!」と動けるような指示になっていないのです。
 
 
何をどうしたらいいのかボヤっとした状態で、「面倒なことが山積み」なその嫌なことに対して、子どもは必死に抵抗します。
 
 
感情のコントロールが苦手なため、その抵抗が激しい癇癪となってしまいます。
 
 
また、過集中といって、自分がやりたいことや興味のあることに対しては集中しすぎて切り替えができない状態になっていることもあります。
 
 
脳は楽しいことが大好きなのです。
 
 
 
 
子どもが次の行動にスッと移るには、今以上に楽しいものを提示しなくては動けないと思ってください。
 
 
…となると、ゲームやYouTubeより楽しいことをお母さんが毎度提示することは、とても難しいですよね。
 
 
楽しいことでいっぱいの脳に、急に「宿題しなさい」などと言われたら、「宿題」というワードを聞いただけで癇癪を起こしてしまう子どもがいるのもしょうがないことです。
 
 
だからといって、いつまでもゲームをし続けていいわけではないですよね。
 
 
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3.お母さんとのコミュニケーションでスッと切り替えられる子どもに変身!

 
 
では、子どもが自分で切り替える力をつけるために、お母さんができることは何でしょうか。
 
 
それはズバリ!お子さんとのポジティブなコミュニケーションで切り替える経験を積むことです!
 
 

◆会話のはじまりはポジティブに

 
 
子どもが楽しんでいるゲームやYouTubeなのに、お母さんにいきなり「もうやめなさい」と言われたら、さぞかし嫌な気持ちになるだろうなということは想像できます。
 
 
せっかくなので、子どもが楽しんでるものがどんなものなのか、「子どもに教えてもらう」というのもポジティブなコミュニケーションです。
 
 
「何やってるの~?(見てるの~?)」
「このYouTuberさんは最近人気なの?」
「その武器はどう使うの?」
 
 
お子さんに「いきなり何…?」と言われたとしても「いつも楽しそうだから気になったの!」などと返事して、お子さんの好きなものの世界に入り込んでみましょう!
 
 
お母さんがその世界を好きになる必要はないのです。
 
 
あくまで、その世界を知りにいくことが大事なのです。
 
 
 
 
自分の好きなことにお母さんが興味を示してくれるのは、お子さんにとってはとても嬉しいことです!
 
 
つれない返事が来ても、質問をし続けたら、少しずつでも嬉しそうに説明してくれますよ!
 
 
ポジティブに会話を始めることで、お子さんはお母さんの話を聞いてくれる状態になります。
 
 
集中しているゲームの世界からお母さんに意識を向けるようにしていきましょう!
 
 
わが家の場合、私が夕食の準備をしている時間帯に、このような場面に遭遇することが多かったので、食材の一部を手にとり、ゲームをしている子どもの隣に座り、パクッと食べさせながら話しかけることをしていましたよ。
 
 

◆指示を出さずに次の行動へ

 
 
コミュニケーションがとれるようになってから次の行動を切り出すと、スムーズに動けるようになっていきます。
 
 
ここでのポイントは、お母さんの一方的な指示にならないことです!
 
 
「〇〇しなさい」は指示になりますが、
 
「〇〇やってみない?」と誘ってみたり、
「△△と□□、どっちからやる?」と選ばせてみたり、
「●●やってもらえる?」とお願いしてみたり。
 
 
これだけで一方的にならず、お互いにコミュニケーションで次の行動を考えることができますね!
 
 
そして、子どもが切り替えて次の行動に移ったら、すかさず褒めるのを忘れずに!
 
 
わが家の場合、「〇時になったら宿題しよう(片付けよう)」と時間を決めたり、タイマーを使ったりしたこともありましたが、その時間が近づくにつれイライラして、うまくいきませんでした。
 
 
それより、私から叱られずに声をかけられることで、少しずつ切り替えができるようになっていきました。
 
 
最初は「また叱られる…」と素直に聞いてもらえませんでしたが、叱られることがないとわかってきたのかコミュニケーションがとれるようになっていきました。
 
 
ゲームやYouTubeからの切り替えだけでなく、コミュニケーションを円滑にとれるようにしておくことで、普段の生活もスムーズに進むことが増えますよ。
 
 
わが家のように、次の行動に取りかかる時の激しい抵抗で、お母さんがめげそうになっていたら試してくださいね。
 
 
 
 
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執筆者:津森あかね
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
 
 
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