「早くしなさい」が伝わらない理由とは?子どもに届く叱り方~今日からできる3つのコツ~

 

「早くしなさい」といっても子どもが動かないのは、伝え方ではなく“伝わり方”に原因があります。この記事では子育てで悩みやすい「怒る」と「叱る」の違いと、子どもに届く叱り方を今日からできる3つのコツで解説します。
 

【目次】

1.「ちゃんと育てなきゃ」と力が入りすぎていた私
2.「早くしなさい」が伝わらない理由|子育てで悩むママが知りたい原因
3.子育てで「怒る」と「叱る」の違い|本当に叱るべきは2つだけ
4.子どもに届く叱り方~今日からできる3つのコツ~
◆コツ①穏やかな声で伝える
◆コツ②行動を細かく分ける
◆コツ③今やることを一つだけ伝える

 
 

監修者:吉野加容子

発達科学コミュニケーション創始者/パステル総研主宰/発達科学ラボ代表

 

脳科学をベースに、発達障害・発達グレーゾーンの子どもの発達支援を専門とする。広島大学教育学部卒業後、東京学芸大学大学院修士課程、慶應義塾大学大学院博士課程で学び、民間企業での脳科学研究、医療機関での発達支援、大学での教育に従事。

 

15年以上にわたり発達に悩む親子と向き合う中で、「子どもの発達を本当に伸ばすのは、家庭での365日の関わりである」という結論にたどり着く。

 

病院や学校だけでは支援が届きにくい発達グレーゾーンの子どもたちに対して、家庭で再現できる支援を確立するため、脳科学・教育学・心理学を融合した独自メソッド「発達科学コミュニケーション」を開発。

 

これまでに数多くの親子の変化を生み出し、“ママが変われば子どもが変わる”という発達支援の新しい当たり前を広げている。

著書に『発達障害とグレーゾーン 子どもの未来を変えるお母さんの教室』『脳を育てる親の話し方』『脳が喜ぶ子育て』など。

 
 

1.「ちゃんと育てなきゃ」と力が入りすぎていた私

 
 
はじめての子育てをしていた頃の私は、 「怒る」と「叱る」の違いが分かっていませんでした。 こんなに小さくて、か弱い子どもを 私がきちんと育てなくてはいけない。そう思うほど、自然と肩に力が入り、 いつもどこか気が張っていたように思います。  
 
 
子育ては想像以上にやることが多く、 自分のことは後回し。余裕なんてほとんどない毎日でした。
 
 
だからこそ私は、  
 
 
「ちゃんとさせなきゃ」 
「できるようにしなきゃ」 
 
 
という思いが強くなっていきました。
 
 
 
 
その結果、気づけば子どもに 
 
 
「早くしなさい」 
「ちゃんとしなさい」 
 
 
と繰り返していました。けれど今振り返ると、その言葉は子どもに届いていなかったのです。 
 
 

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2.「早くしなさい」が伝わらない理由|子育てで悩むママが知りたい原因

 
 
「早くしなさい」と言われて、 子どもはどうすればいいのでしょうか。 この言葉は大人にとっては便利ですが、 子どもには少し分かりにくい言葉です。  
 
 
・何をすればいいのか分からない 
・どこまでやればいいのか分からない 
・今の自分にできるのか分からない 
 
 
さらに子どもは、言葉よりも先に 声のトーンや表情を受け取ります。 焦りやイライラが乗った言葉は、 内容よりも先に「怖さ」として伝わり、 結果として動けなくなってしまうのです。  
 
 
※イライラしてばかりだった私は小学生の子どもに「もうおこらないで…」という手紙をもらいました
 
 
つまり、「伝えているのに伝わらない」のではなく、「伝わる形になっていない」ことが多いのです。この視点を持つことで、関わり方を見直すヒントが見えてきます。  
 
 

3.子育てで「怒る」と「叱る」の違い|本当に叱るべきは2つだけ

 
 
もうひとつ大切なのが、「怒る」と「叱る」の違いです。
 
 
怒るとは、大人の感情をぶつけること。 叱るとは、子どもに必要なルールや境界線を伝えることです。  この違いが曖昧だと、本来は叱る必要のない場面でも、強く伝えてしまいやすくなります。 
 
 
 
叱るべき場面には基準があります。 
 
①危険行為 (自分や人の身を危険にさらす行動)
②違反行為 (倫理・道徳・法律に違反する行動)
 
この2つは、しっかり止める必要があります。 
 
 
 
 
一方で、 
 
・できないこと 
・遅いこと 
・苦手なこと 
 
これは叱る場面ではありません。どうしたらできるか 、どう支えたらいいか、 関わり方を工夫する場面です。  この区別ができるようになると、声かけがシンプルになり、子どもに伝わりやすくなります。
 
 

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4.子どもに届く叱り方~今日からできる3つのコツ~

 
 
では、どうすれば子どもに伝わるのでしょうか。日常の中で取り入れやすいコツを3つ紹介します。 
 
 
 

◆コツ①穏やかな声で伝える

 
 
子供はまず、声や表情から情報を受け取ります。強い口調だと、内容よりも「こわい」という印象が残りやすくなります。落ち着いた声で伝えることで、同じ言葉でも受け取り方は変わり行動につながりやすくなります。 
 
 
 

◆コツ②行動を細かく分ける

 
 
「早くしなさい」と言う言葉にはいくつもの行動が含まれています。
 
 
「靴下はこうね」 
「ランドセル持とうね」 
 
一つずつ分けて伝えることで、子どもは「今やること」を理解しやすくなります。行動が具体的になると、動き出しもスムーズになります。 
 
 

◆コツ③今やることを一つだけ伝える

 
 
一度にたくさん言われると、子どもは混乱します。「今やること」を一つだけ伝える。 これだけで、行動が変わることがあります。  
 
 
行動の優先順位がはっきりすることで、安心して動きやすくなります。 
 
 
 
 
 「早くしなさい」と言いそうになったとき、 3つのコツのうち1つだけをまず意識してみてください。 それだけで、子どもの反応が少し変わるかもしれません。  
 
 
子どもは、分かる形で伝えると、少しづつ行動につなげていくことができます。 叱ることを減らすことは、甘やかすことではありません。
 
 
本当に必要な場面でしっかり伝え、 それ以外は支え方を工夫する。 その積み重ねが、子どもの安心と自信を育てていきます。   
 
 
※3週間ごとの私の変化。3つのコツもまずは1つだけを意識して繰り返すことで少しずつ自然とできるようになってきました。
 
 

よくある質問

Q1. 叱らないと甘やかしになりますか?

A1.いいえ。危険行為やルール違反はしっかり伝えることが大切です。それ以外は「できるように支える関わり」が成長につながります。

 

Q2.何度言っても同じことを繰り返します

A2.一度で理解できるとは限りません。行動を分けて「今やること」を一つだけ伝えることで改善しやすくなります。

 

Q3.イライラしてしまいます

A3.完璧でなくて大丈夫です。「今日は一つだけ意識する」と決めるだけでも関わりは変わります。

 

 
 
 
子どもへの声かけは、分かっていても難しいものです。毎日届くメールで少しずつ、コツをつかんでくださいね。

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執筆者:松沢多花子
発達科学コミュニケーションアンバサダー

 

家庭の空気を整えたいと願い関わり方を工夫しても、なぜか意図がうまく伝わらない。

 

そんな経験をかさねる中で、子どもの不安や反応に向き合いながら、子育ての正解ではなく、「脳の発達に沿った関わり方」という軸を学びました。

 

相手を変えるのではなく関係のあり方整えることで、親子が安心して力を取り戻していく家庭づくりのヒントをお伝えしています。

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