不安が強い発達障害傾向の子への薬との向き合い方で大切にしたいもの

不安が強い子どもへのお薬を服用させるか否か。親としては悩ましいことの一つ。薬への罪悪感、副作用の問題など悩まれている方も多いと思います。ずっと、薬への抵抗が消えなかった私が子どもへ薬を服用させるようになった経緯を今回はお伝えします。
 

【目次】

 

1.不安が強い子の生き辛さ

 
 
発達障害傾向のあるお子さんの中には、不安が強いお子さんが多くおられます。
 
 
不安が強いことで、日常生活に支障が出てしまうことも。たとえば、
 
 
・初めてのことや場所が極端に苦手
・行動の範囲が狭くなる
・常に漠然とした怖さを感じる
・ネガティブな感情が優先してしまい先が不安になる
 
 
など。
 
 
子ども時代は、好奇心いっぱいに行動してほしい!と、親なら思う人も多くおられると思います。しかし、不安が強いお子さんは、どうしても安心できないと行動の範囲も狭くなってしまうこともあるのです。
 
 
せっかくの成長の機会を奪ってしまいかねませんよね。
 
 
本来、楽しいと思えることも不安が強いことで、心から楽しむことができなくなってしまい、ネガティブな記憶が残ってしまってはもったいないです。
 
 
そして、不安が強いことで漠然とした怖さや恐怖感を抱きがちになります。まだ起こってもいないことへ恐怖を感じてしまい、何ごともやる前から諦めてしまうようになるのです。
 
 
このように、不安が強いことで、とても生きづらさを感じてしまうことがあります。症状緩和のために、薬を服用させてあげた方が良いのか?否か?は一度は悩まれたことがあるかもしれません。
 
 
 
 
今回は、私が娘への薬の服用に関して抱いた想い、薬を服用するきっかけとなった経緯をお話ししたいと思います。
 
 
お薬で悩まれている方の参考になれば幸いです。決して、お薬を推奨しているわけではありませんし、効果なども個人差があるので、あくまで参考としてお考えくださいね。
 
 
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2.薬を服用させるのを頑なに拒否していた私

 
 
ここで、私の話をさせてください。私には小学校の娘がいます。発達障害傾向の不安と緊張が強いタイプです。
 
 
前項で例に挙げたように、娘も初めての場所や人が苦手・行動の範囲が狭い・漠然とした怖さを常に感じている子どもです。
 
 
幼稚園の頃から発達外来に通院しています。そこでも娘の不安の強さに関する困りごとをずっと相談してきました。
 
 
不安の症状の一つですが、娘は家以外でのトイレに行けないことがあったり、緊張が強いため場面かんもくの傾向があったりと不安と緊張で本人も困惑していることが多くあります。
 
 
初めは私自身も「大丈夫だよ!」と声がけをしていましたが、不安が強い子にとって大丈夫と言われても安心できるものではないのですよね。
 
 
そのような娘の症状を少しでも和らげることができたら?と思い、医師に相談したところ、不安や緊張を軽減するお薬を提案してもらいました。
 
 
しかし、私自身どうしても薬の服用をすることへの拒否感が消えなかったのです。副作用・服用をやめたときの状況・成長段階にある娘への影響など、心配なことはたくさんありました。
 
 
お薬ですので良いことも悪いこともあります。少なからず存在する副作用に関しても、そのリスクを含め服用するメリットがあるのかどうか。
 
 
医師が提案してくださったお薬はとても効果的なのはわかっています。先生のことも信頼しています。が、私自身が納得できずそのときには見送ることにしました。
 
 
しかし、集めていく情報の中でやっと、娘へ飲ませてみたい!と思えるお薬に出会いました。
 
 
 
 
薬を服用させるかで悩み、すでに数ヶ月要しましたが時間をかけて判断をして良かったと今は強く感じています。そして現在は安心して服用させることができています。
 
 
もしお薬で悩まれている方は、次項も読んでみてくださいね。
 
 
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3.薬は一種類ではない!正しい情報が安心を招く

 
 
医師から提案されて飲ませるのも良いことは百も承知です。しかし、薬は一種類ではないのですよね。同じ効能を謳っていても種類は多くあります。
 
 
そこで私は、一番大切にしたい想いを軸に薬を決めることにしました。その想いとは、やめたいときに安心してやめられるかどうか?
 
 
正直、医師から提案された薬は、服用をやめたときのリスクがとても高いことが調べていくとわかりました。
 
 
それは、セカンドオピニオンの思春期外来の先生・実際に服用された子のお母さん・薬に関する情報(ネットや論文記事)・所属している「親の会」の意見や内容を参考に知ることができました。
 
 
飲む以上は、効果を期待したい気持ちがもちろん強くあります。しかし、飲むことを嫌がったり、飲むことをやめたりすることが今後出てくるかもしれません。そのときに、やめる恐怖の方が勝る薬は私には選択できませんでした。
 
 
今、その症状で悩んでいるのですから、とにかくどうにかしたい!と思われるかもしれません。しかし、発達の問題は今後長く向き合っていかなくてはならないのです。困りごとだって年齢と共に変わってきます。
 
 
都度リスクが高いものよりも、可能な限り身体に優しく、穏やかに効いてくれることを最優先に考えました。
 
 
結果、我が家では漢方薬にたどり着いたのですが、安心して服用させることができています。実際、飲み忘れたり、苦くて飲むのを嫌がったりということがありますが、しっかり調べて選択した薬ですので、私も柔軟に対応することができています。
 
 
しかしお薬を服用し、娘自身が以前に比べ緊張感が緩和されているのは強く感じています。そして自分の気持ちを発信したり、新しい場所への拒否感が軽減されている様子が見られます。
 
 
先日も民間の学童教室へ体験に行った際、以前は初めての場所で固まっていた娘が、そこにいるお友達と一緒に遊び楽しもうとする姿がみられました。
 
 
もちろん、漢方薬だけの効果ではないと思っていますが、少し背中を押してもらえるような効果があると実感しています。
 
 
もちろん、個人差もありますし、実際に薬の効果かどうかは計り知ることはできませんが、同じ薬を服用させるのであれば安心を一番に考えたいところですよね。
 
 
 
 
私は、ずっと子どもへの薬の服用を頑なに拒否していた母親の一人です。きっと同じように悩まれているお母さんがおられると思います。
 
 
しかし、世の中に存在する薬は一種類ではありません。医師が提案してくれた薬をそのまま受け入れることも良いとは思いますが、医師はその子の人生に責任は負えません。
 
 
大変ですがお母さんが、いかに動いて情報を集めるかが薬への安心感にもつながります。発達障害傾向のお子さんを育てるには「情報」が命です。良くも悪くも情報過多な時代ですが、お子さんにとって有益で適切な情報を得ていきたいものですよね。
 
 
情報は待っていても入ってきません!どうか、必要な情報をお母さんが掴み取りに行ってくださいね。
 
 
冒頭でもお話ししましたが、お薬ですので効果・効能には個人差もあります。お薬の服用を考えられている方の参考になれば幸いです。
 
 
お母さんの不安解消も大切!こちらの記事ではお母さんのための不安解消法をお伝えしています。あわせてチェックしてみてくださいね。
 
 
 
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執筆者:みずおち梨絵
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
 
 
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