夏休みの困りごとランキングで宿題は2位!発達障害・グレーゾーン小学生が夏休みの宿題にやる気を出し集中できる工夫をして毎日気分よく終わらせよう!

発達障害・グレーゾーンのお子さんは、夏休みの宿題にやる気を出すまでに時間がかかる、集中力を保つのが難しい。そんな様子に思わず怒りたくりませんか?子どもがスムーズに宿題に取り組み、終わらせるためにお母さんができる対応をご紹介します。
 

 

【目次】

1.発達障害・グレーゾーンの子どもの宿題で困っていませんか?
2.子どもが夏休みの宿題に集中できるように環境を整えましょう
3.見通しを立てることで動き出せる!やり進められる!!
4.小学生の子どものやる気アップに効果テキメン!肯定的な声かけ

 

1.発達障害・グレーゾーンの子どもの宿題で困っていませんか?

 
 
いよいよ夏休みですね。夏休みと聞いたら「宿題どうしよう?」が頭に浮かぶお母さんも多いのではと思います。
 
 
実は発達障害・グレーゾーンの子どもは見通しを立てることが苦手などの特性があるため、宿題になかなか取りかかれないことが多いのです。
 
 
でも、お子さんのつまずきを理解して対応すればスムーズに宿題に取りかかれるようになるのです!
 
 
宿題への取りかかりでつまずいていたら、石も何もないところで転んじゃったような感じになってしまいますよね。宿題をうまく進めていくには、お子さんの発達障害の特性を理解した対応が必要です。
 
 
 
 

2.子どもが夏休みの宿題に集中できるように環境を整えましょう

 
 
子どもが宿題に集中できる環境になっていないと、落ち着いてやり進めることが難しくなってしまいます。宿題を始める前にはまず、本人のやる気が引き出され、かつ能力を阻害するようなものを取り除くようにして、学習する環境を整えましょう。
 
 
注意欠陥多動性障害(ADHDタイプ)のお子さんの特性として、不注意・衝動性・多動性があります。目についたものを気にしないということが難しいのです。宿題に使うもの以外は机の上に出さないようにしましょう。
 
 
自閉症スペクトラム(ASDタイプ)のお子さんの中には、聴覚過敏があり騒がしいのが苦手で、静かな環境でないと安心して取り組めない子もいます。
 
 
また、視覚に過敏性がある子も多く、眩しくて字が見えにくいなど、宿題をする環境が悪いと疲れやすくなったり、頭痛やめまいをおこしたりする心配もありますので、配慮してあげましょう。
 
 
聴覚や視覚の過敏さに関しては、「気の持ち方」や「慣れ」の問題ではありません。お子さんにとってかなりのストレスになりますので、取り除いてあげます。
 
 
窓を閉めて外の音を遮断し、太陽光や照明は眩しくないかな?と気にかけてあげると、音や光に感覚過敏のあるお子さんが安心して宿題に取り組めることでしょう。
 
 
このようなちょっとした環境調整なら、忙しいお母さんでもすぐにしてあげられますよね!
 
 
 
 

3.見通しを立てることで動き出せる!やり進められる!!

 
 
次は、なかなか動き出せないお子さんが、「見通しを立てる」ということについてお話します。
 
 
ADHDタイプの子どもは、極端に集中力が短かったり、記憶力が弱かったりします。課題を頭の中で順序立てて行うことが難しく、聞いて理解する力が弱いです。
 
 
始めに作業手順を図示すると、視覚で確認できるので、全体の見通しが持てるようになります。
 
 
ASDタイプの子どもは 、自分の得意なこと(できること)と苦手なこと(できないこと)がはっきりしています。
 
 
好きな取り組みには集中力を発揮しますが、苦手意識のあるものに関してはなかなかやろうとしません。ですから、苦手なものの宿題がたまりがちです。
 
 
「いつから」「いつまで」「なにを」「どのように」するかの見通しが立たないとなかなか動き出せないことがあります。
 
 
自分の考えをまとめることも苦手なので、見通しが立たない不安から、宿題を始めるまでに時間がかかってしまうのです。
 
 
今日は何をどのくらいやるのかな?と不安になっているときには、
「今日は国語のプリント1枚と算数のプリント1枚だね。」
 
 
今日は何からやればいいのか戸惑っているときには、
「算数ドリルと漢字ドリル、どっちからやる?」
 
 
なんだか意欲がないな~というときには、
「国語のプリントが終わったらクッキーを1枚食べようね!」
「〇時になったらジュース飲んで休憩しようか?」
「宿題が終わったら録画しておいた○○見れるよ~♪」
 
 
など、見通しが持てるような声かけをします。
 
 
終わった後のお楽しみを用意しておくと俄然やる気が出てくるのは大人も子どもも一緒です! 宿題をする原動力となるような魅力的なご褒美があれば、 励みになります。
 
 
楽しいことをやっているときのほうが脳は活性化して、学習したことが脳に記憶されていきます。
 
 
できていないことへの注目を捨て去り、得意なこと・できていることだけに意識を集中して、できているところをすかさず褒めてみましょう!
 
 
宿題を終えたら、終わったことの確認としてシールをあげたりスタンプを押してあげるなどすると、視覚優位のお子さんには効果的です。小学生くらいのお子さんなら、ほぼシールが大好きではないですか?
 
 
そこでご褒美を更に効果的に使うためのワンポイントは、「がんばったね!」など必ず褒めることとセットにすることです。褒められてうれしい記憶は、また頑張ろう!という学習意欲にもつながります。
 
 
自閉傾向のあるお子さんはパターン化してあげると動きやすい場合もありますので、ルーティン化して細かめに計画してあげるのもひとつの方法です。
 
 
ADHDタイプとASDタイプ、どちらの特性もあるというお子さんには、それぞれの特性を理解して対応できるといいですね。
 
 
 
 

4.小学生の子どものやる気アップに効果テキメン!肯定的な声かけ

 
 
「枕詞」という言葉、皆さんはご存じですか?
 
 
枕詞というのは、いわゆる前置きの言葉のことです。一番伝えたい言葉の前に前置きの言葉を効果的に使うことで、子どものやる気を持ち上げることができます。
 
 
昨日は何とかできたけど、今日またやる気がないみたい!そんなこともあるかもしれません。ついだらだら過ごしてしまう子どもにそろそろやる気を出してほしいときには、枕詞を使うことが有効です。
 
 
特に発達障害ADHDタイプのお子さんには効果大です。
 
 
例えば、
「できるかどうかは別として、まずはこの問題やってみようよ!」
 
「○○くん(ちゃん)ならできると思うから言うんだけどね・・・」と前置きします。
 
 
”いつも頑張っているのをお母さんは見てるから、きっとできるの分かっているよ~”というニュアンスで伝えます。そっと背中を押してくれるような、そんな言葉です。
 
 
苦手意識があることにチャレンジさせたいときにぜひ使ってみてください。
 
 
発達特性のあるお子さんの場合には、日頃からお子さんの行動をよく見て、認めて、肯定的に褒めることが効果的です!
 
 
宿題を始めた時には「宿題始めるんだね!」、宿題をやっている最中には「1問解けたんだね」「もう半分終わったんだね!」「次の問題も解けそうだね!」など見たままで声をかけます。
 
 
例え全部終わらずに集中力が切れてしまったとしても、短時間でもできたところに注目した声かけで「頑張ったねー!!」「宿題お疲れさま!」と褒めで宿題を終えるようにしましょう。
 
 
そこで「まだ終わってないんだから、全部やってからにしなさい!」とか、「もう少し頑張らないとね」など言って無理に継続させようとしても、やる気がない状態で続けるのは、親子ともに辛いだけですよね!否定的なフレーズでは脳は働きませんので、絶対にNGですよ!!
 
 
なかなか宿題に取りかかれないお子さんも、やることを理解して動き出せさえすれば、お母さんのちょっとした声かけや工夫で、すんなり落ち着いて宿題に取り組めるようになるのです。
 
 
そのほか、夏休みの宿題をスムーズに進める方法は『「夏休みの宿題がスムーズにできない」は第2位!今からできる発達障害グレーゾーンの子どもの苦手な宿題対策教えます!』でお伝えしていますので併せてお読みくださいね!
 
 
発達障害・グレーゾーンのお子さんが夏休みの宿題に取り組むときの参考になれば幸いです。
 
 
 
 
執筆者:月野恵美子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
 
 
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