発達障害の子どもの発達を考えるための重要な視点!「成長の種類」と成長させるための「栄養」とは?

子どもの成長を見る視点を知っていますか?発達障害の子どももそうでない子どもも、成長を見る視点は2つあります。さらに、子どもの成長に欠かせない栄養を知って、親であるあなたが子どもをグングン成長させていきましょう!
 

【目次】

 

1.子どもの成長には2種類あるって、ご存知でしたか?

 
 
2種類の成長があるということは、「子どもを見る目」が2つ必要ということ。子どもの成長をうまく導くために、2つをしっかり押さえておきましょう!
 
 

◆①成長その1「発育」

 
 
まず初めに浮かぶのは、 身長が伸びたり、体重が増えたりする、体の成長です。たった3000グラム前後で生まれた子どもが、どんどん大きくなっていく、このサイズの成長を「発育」と言います。
 
 
発育とは、いわば「量的な成長」です。
 
 
お子さんの定期検診で、身長や体重を測るのは、この「発育」が年齢相応に進んでいるのかを確かめるためです。
 
 
 
 

◆②成長その2「発達」

 
 
では、身長や体重で測れない「成長」とは何でしょうか?それは、言葉を覚えたり、ルールを覚えて友達と遊んだり、道具が上手に使えるようになるなど、新しいことを学びできるようになることです。
 
 
この成長を「発達」と言います。発達とは、いわば「質的な成長」です。次に、発育と発達の違いについて詳しく解説します。
 
 
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2.発育と発達の違い

 
 

◆①発達は「環境」の影響が大きい「発育」は遺伝の影響が大きい要素です。

 
 
背の高さや太りやすさなどは家系的な流れを受け継ぎやすいものです。
 
 
「発達」も、遺伝の影響は大きいのですが、環境の影響も大きいことが特徴です。そのぶん、子どもがどんな環境で何をして過ごしているのか?が、とても大切になります。
 
 

◆②発達の遅れには気がつきにくい

 
 
発育が順調に進んでいるかどうかを知るには、家でも簡単に数値で測ることができます。
 
 
しかし、発達が年齢相応に進んでいるか?を正確に把握するには、専門的な知識や検査が必要です。
 
 
これは、発達の遅れが軽度である場合に特に当てはまります。「きちんとお話しているけども、○歳○ヶ月にしては、ちょっと遅いかもしれない」という見立ては、お家では難しい面があります。だからこそ、何か気になることがあったら早めに専門家に聞くことが大切です。
 
 

◆③そもそも「発達」を見る目がない

 
 
小児を専門とする様々な職種がありますが、「発達を見る目」を持っている人ばかりではありません。
 
 
例えば、明らかな多動の問題があっても、 国によっては、「身長・体重が平均だから大丈夫だよ」 と言ってしまう小児科医がまだいます。 日本にも、「目が合うから自閉症じゃない」 と言ってしまう医師もいます。 知識が不足すると、簡単に誤診が起こるのが発達です。
 
 
学校の先生方にとって難しいのは、 「発達の問題か?学力の問題か?」 区別がつかないことでしょう。もし、成績の低い理由が発達の遅れによるものだったら、「もっと頑張って勉強しなさい」と言っても簡単には成績は向上しません。
 
 
 
 

 

3.発育・発達、どちらも問題ない?

 
 
では、あなたのお子さんは発育も発達も、問題なく成長していますか?
 
 
自信を持って「Yes!」と即答できない人は、 おそらく発達の判断に迷ったと思います。それは当然です。発達の知識が十分でないのに、「大丈夫!」と言えなくても仕方ありません。
 
 
あるいは、もうすでに発達の不安を抱えていらっしゃる場合、問題を漠然とさせたままにせず、発達の遅れがあるのか?あるなら、どこにあるのか?ということをフォーカスすることが大切です。
 
 
それさえ分かれば、どう対応すればいいのか明らかになります。
 
 
大切な子どもの将来を考えたとき、「知っていたら、もっと上手く育ててあげられたのに」という後悔だけは避けたいですよね。まずは「発達」について、よく知りましょう!
 
 
今では発達障害や発達支援に関する本やブログも増えて、知識が得やすくなっています。ただ実際のところ、発達障害の名前や症状ばかり並んで、「実際どういうことなの?」「で、どうすればいいの?」って、ことには触れられていない記事もよく見かけます。
 
 
 
 
パステル総研では、できるだけ専門用語を使わずに、本よりももっと噛み砕いた情報を詳しくお伝えしたいと思っています。
 
 
子どもとのやり取りの中で使えるノウハウも一緒に紹介しています。また、 発達障害だけを対象にしている訳ではありません。「発達は遅れてないけど、こんなところはもっと成長させたい!」という保護者の方や先生のスキルアップのために役立つ情報も掲載していきます。
 
 
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4.子どもを成長させる栄養とは?

 
 
子どもの成長には、
 
発育=体が大きくなる“量”の成長と、
 
発達=新しいことを学習していく“質”の成長
 
 
の2つが必要です。ここでは、この2つの成長を促すために欠かせない「栄養」についてお話します!
 
 

◆①発育を促す栄養は「食べ物」

 
 
当たり前のことですが、発育を促す栄養は「食べ物」です。食べたものから、筋肉、骨、内臓、血液などが作り出されます。
 
 
母親の「子どもに良いものを食べさせたい!」という想いと努力は、確実に子どもの身体に変化して、子どもの人生を支えるものになります。
 
 
私の母は、管理栄養士として長年、保育園の子どもたちの身体作りをライフワークとしています。私も、「食べることは、生きること」というメッセージを、母から繰り返し聞かされて育ちました。
 
 
発達の専門家として活動する今になって、その意味が染み入るように理解できます。
 
 
 
 

◆②発達を促す栄養は…?

 
 
では、発達を促す栄養とは何でしょうか?
 
 
食べ物でしょうか? はい、それもあります。 栄養失調の状態では、脳がしっかり働くことができません。しかし、もっと大切な栄養があります。
 
 
それは「人」です。もう少し噛み砕いて言えば、「人とのコミュニケーション」です。
 
 
えっ、そんなこと?当たり前じゃない? はい、そうですね、当たり前です。
 
 
しかし、子どもの教育を志し、大学で研究を始めてから18年、私の科学者としての結論は、コレに尽きます。
 
 
どんなに良い教材を与えて、良い環境を準備しても、周りの大人の接し方が悪ければ、子どもの発達はうまく進まないのです。
 
 

◆③親や先生は、子どもの「発達サプリ」

 
 
残念ながら、子どもの発達を促す「薬」や「サプリメント」は現代にはありません。
 
 
飲ませさえすれば、子どもが流暢に話しだしたり、言うことを聞くようになったり、な〜んて薬があったら良いな!とも思いますが、人間の成長はそう簡単には進みません。
 
 
あなたのお子さんの発達が、他の子どもより進んでいようと遅れていようと、やるべきことは同じ。
 
 
あなたが、「子どもが発達するような接し方をするだけ」です。
 
 
親や先生との良質なコミュニケーションこそ、子どもが発達するための「サプリ」なのです!
 
 
もう一度、言います。子どもを発達させる栄養は「あなた」です。
 
 
「うちの子はコミュニケーションが苦手。多くの人と関われないので、発達の栄養が少ないのですか?」いいえ、関係ありません。
 
 
まずはたった一人、良質なコミュニケーションができる人 が近くにいれば、子どもは変わっていきます。
 
 
あなたと接することが、子どもにとって「発達サプリ」を摂取したような珠玉の時間になれば、子どもが今までできなかったことも 少しずつできるようになります。
 
 
今後も<パステル総研>では、いい接し方をすると、子どもにどんな力が宿るの? いい接し方って何? どんな風に接すればいいの?をどんどん書いて、あなたが「発達サプリ」になる方法を解説していきますね。
 
 
 
 
執筆者:吉野加容子
(発達科学コミュニケーショントレーナー、学術博士、臨床発達心理士)
 
 
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