不登校の安定期は、少しエネルギーが貯まり始めた時期です。やりたいことは一通りやって退屈や暇を感じ始めます。そんな時「友達と遊びたい」と気持ちが外に向き始めたらチャンスです!子どもの興味関心をきっかけに、外に向いた気持ちを行動に繋げていきましょう。
1.不登校中の息子の様子
小中学校における不登校児童生徒数が約30万人、過去最多というニュースを見た方もいらっしゃると思います。
年々、不登校の児童生徒数は増えています。
小学校では約60人に1人、中学校では約17人に1人の割合となっています。
私の息子も学校に通えない日々が続きました。
現在小学校3年生の息子は、小学校1年生の3学期から不登校になりました。
小学校2年生の期間は、全く通うことが出来ませんでした。
そして、人と接しないように過ごすことが多く、お友達と会わないような時間に外出することがほとんどでした。
公園に遊びに行く時は、友達が学校に行っている時間帯に私と一緒に行きます。
誰もいない公園でキャッチボールしたり、遊具で遊んで帰ります。
担任の先生に会いに行く時も、子どもたちが下校した時間帯を選んで行っていました。
まだ下校していない子どもたちを見つけると、私に隠れたり、
「もう学校行かない!」と言って家に帰ってしまうことも度々ありました。
そんな日が長らく続いていたのですが、学校に行かなくなってから約1年ほど経った頃から
「なんか暇。どこかに行きたい」と言ったり、
「今日はどこか行くの?」と聞いてくる日も出てきました。
2.不登校の克服には段階があります
不登校には4つの段階があります。初期、本格期、安定期、始動期の4つです。
順番に段階を経ていくこともありますし、行ったり来たりすることもあります。
初期:学校に行くことが億劫になってくる時期。行きしぶり期と言ったりもします。
本格期:本格的に学校へ行けなくなる時期。学校には行かなくなり、ゲームやユーチューブを見て過ごすことが多くなります。
安定期:少しエネルギーが貯まり始めた時期です。やりたいことは一通りやって退屈や暇を感じ始めます。
始動期:実際に外部の人と繋がり始める時期です。目に見える活動をし始めます。
息子は家での生活を暇だと感じ始めていたので、安定期に入っていたと思われます。
安定期についてもう少し詳しくご説明します。
3.不登校における安定期(回復期)の状態
安定期は、少しエネルギーが貯まり始めた時期です。
本格期のうちにやりたいことは一通りやったため、今の生活に退屈や暇を感じ始めます。
エネルギーが貯まり始め元気を取り戻しつつある状態です。
家の中だけに向いていた意識が外に向かい始めます。
同時に外の世界への怖さもあるため不安定でもあります。
せっかく意識が外に向き始めたところで、無理強いをしてしまうと前の段階に戻ってしまうこともあります。
そのためこの時期には、お子さんとの会話の中から興味関心を聞き出したり、
その興味関心についての情報を与えるだけで十分なのです。
興味関心ごとを聞き逃さないためにも、親子の会話は大事になってきます。
良好な会話にするためにも、子どもの言ったことを頭ごなしに否定することはせず、受け入れてあげましょう。
不登校の子どもたちは、いろんなことに敏感です。
はじめから否定されてしまうと、それ以上話すことが出来なくなってしまいます。
外へ向かった意識が内側に戻らないよう、そっと援助していく必要があるのです。
4.「友達と遊びたい」と言い出したら、どうすればいい?
不登校になってからしばらくは、息子はお友達になるべく会わないように過ごしていました。
しかし、安定してきた状態になり、徐々に「暇だから〇〇したい」「家は暇だ…」と言うように。
私は、息子の不登校安定期を『リハビリ期間』と捉え
・息子がやりたいと言ったことは可能な限り経験させる
・息子の興味あることの情報を得て、それを息子に伝える
・決して無理強いはしない
・息子がストレスに感じていることは言わない
などの対応をするようにしていきました。
私は息子の興味関心に着目し、特に『得意なこと』『好きなこと』をきっかけに、少しずつ行動を増やしていくように促していきました。
息子は野球が大好きで、体を動かすことも好きです。ですので、バッティングセンターによく連れていきました。
最初は平日の人が少ない時間帯を狙って、連れていっていましたが、平日だけではなく土日も行きたいと言うように。
休日は混んでいましたし、バッティングセンターでは友達とも会うこともありましたが、嫌がることなくバッティングセンターを楽しんでいました。
そのうち、野球が好きな同級生がいることに気づいた息子は、徐々に「同じ年の子と遊びたい…」というようになりました。
今までは友達を見かけると逃げていた息子から「友達と遊びたい!」という言葉が出るなんて!
無理強いをすることなく息子のやりたいことをやらせた結果、
外側に向かっていた意識を内側に戻すことなく、活動へ繋げられました。
安定期とはいえ、まだまだ不安定な状態もあるかもしれませんが、お子さんの様子を見ながら、今の状況にあった関わり方をしていければ、スピードはゆっくりでも少しずつ前に進めると思います。
不登校のお子さんへの対応は長期間に及ぶことも多いですが、お子さんの言動をよく観察しながら焦らずゆったりと対応していきましょう。