自閉スペクトラム症・グレーゾーンの中学生が本格的な反抗期に突入!穏やかに過ごすための「自信」の授け方

笑顔の男子中学生
中学生になった途端「自分が他の友達と比べて劣っている気がする」と自信をなくし、そのフラストレーションを反抗という態度で親に表す子どもも少なくありません。特に自閉スペクトラム症(ASD)の子どもは、ネガティブ思考になってしまうことから、周りとの比較の結果、『自分のできていないこと』に視点が偏ってしまいがちです。本記事では、反抗期の中学生に自信を授け、穏やかに過ごす親の関わり方をご紹介します。
 
 

1.自閉スペクトラム症(ASD) グレーゾーンの息子が反抗期に突入…。

 
 
私の息子は自閉スペクトラム症(ASD)傾向があり、発達障害・グレーゾーンです。
 
 
場の空気を読みとるのが苦手
冗談が通じない
勝ち負けにこだわりがある
白黒思考
感覚過敏
 
 
自閉スペクトラム症(ASD)の発達特性を持っていますが、小学生の頃は学校生活であまり困りごともなく、普通に通うことができていました。
 
 
勉強も運動もみんなと同じようにできていて、私自身、あまり心配することもなかったのですが…
 
 
中学生になってから
 
 
「あれ…、みんなみたいにできない」
 
 
「僕はダメなんだ…」
 
 
と周りと比較ばかりするようになり、自己肯定感が一気に落ち、何もかもやる気をなくしてしまいました。
 
 
そして「僕なんて生きている意味がない」と葛藤と不安で押しつぶされそうな日々を過ごしていました。
 
 
癇癪暴言・暴力もひどくなっていき、親の私に対して常に反抗的な態度をとるようになっていきました。
 
 
そんな息子に対して「反抗期の子どもには、厳しくしつけないと、なめられてしまう!」と思っていた私は、息子の反抗的な態度に対して、さらに否定的な言葉をぶつけ息子を追い詰めました。
 
 
親子喧嘩
 
 

2.10歳ごろから「自己客観視」ができるようになる

 
 
人間の脳は視覚や聴覚、記憶、理解、運動などの様々なエリアがあり、そのエリア単体で働いたり、他のエリアと協力し合いながら成長しています。
 
 
その中でも自分自身を「客観視」することができるようになる『思考のエリア』は、脳の中でも最も発達の旬が遅く、10歳以降に飛躍的に伸びると言われています。
 
 
つまり、10歳ごろから(高学年になると)「自分を客観的に見る」ことができるようになり、子ども自身が自分と周りの比較ができるようになるのです。
 
 
特に自閉スペクトラム症(ASD)の子どもは、ネガティブ思考になってしまうことから、周りとの比較の結果、『自分のできていないこと』に視点が偏ってしまいがちです。
 
 
私の息子が中学生になって、自分に自信を持てなくなってしまったのも、脳の成長過程で『自分を客観的に見る』ことができるようになった表れだったのです。
 
 
息子は発達の特性から『自分のできていないこと』ばかりに着目してしまい、自信を失っていったのだと思います。
 
 
私はその成長過程の大事なタイミングで、威圧的で否定的な態度をとり続けてしまいました。そのため、状況を更に悪化させてしまったのです。
 
 
落ち込む中学生
 
 

3. 中学生の反抗期を穏やかに過ごすための 『自信』の授け方

 
 
反抗期に突入し、自分を客観視できるようになったタイミングでお子さんが必要以上に落ち込まないようにするためには、『自信』を授ける親の関わり方が重要です。
 
 
では、どのように『自信』を授けてあげればよいのでしょうか。
 
 
子どもに自信を授けるためにすることはたった1つ。
 
 
『できていないこと』には目を向けず、『できるところ』に目を向けてほしいのです。
 
 
短所は長所の裏返し。短所だけの人も長所だけの人もいません。
 
 
子どもの行動をよ~く見てみると、案外『できている』ことはいっぱいあるものですよ!
 
 
お母さんが子どもの『できるところ』を見つけ、『できるところ』を伝えてあげると子ども自身も自分の『できている』ことに気づき、『自分はできるんだ』と自信につながります。
 
 
だから、お母さんが『できる』を探す視点を常に持っておくことが大切です。
 
 
「うちの子、何にもできてない!」「褒めることろなんて何にもない!」と思っているお母さん。
 
 
そんなことはありません。
 
 
必ずお子さんのできていることはあります。
 
 
Okサイン
 
 
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4. 子どもの「できる」を見つける視点

 
 
子どもの『できる』を見つけるためには、日頃のお子さんの行動をしっかり見てあげましょう。
 
 
性格ではなく、行動に目を向けます
 
 
どんな些細なことでも構いません。
 
・朝、起きてきたこと
・ご飯を食べたこと
・歯磨きをしたこと
・学校の支度ができたこと
・手洗いをしたこと
・宿題をやり始めたこと
 
これらすべて、お子さんの『できた』ことです。
 
 
そのできた行動をそのまま言葉にして伝えてあげましょう。
 
「自分で起きてきたんだね」
 
「朝ごはんしっかり食べているね」
 
「歯磨き始めるんだね」
 
このように、子どものできた行動をそのまま言葉にしてあげるだけでOKです。
 
 
『褒める=すごいこと』ではありません。完璧にできなくてもいいんです。
 
 
やり始めた、そのことが素晴らしいことです。やっている、そのことが素晴らしいことです。
 
 
お子さんが何かをやり始めたとき、何かをやっているとき、お母さんはそれを見逃さず、こまめにしっかりと褒めてあげましょう。
 
 
中学生になり当たり前のことを褒めていると逆に「バカにしてるの?」とお子さんが言ってくることがあるかもしれません。
 
 
そんなときは
 
・ジェスチャー
・ハイタッチ
・ニコッと目を似て笑う
 
 
など、言葉以外で「できたね!」を伝えてあげるのが効果的です。
 
 
「自分はできるんだ」という自信が、子どもの「やってみよう」の活力になります。
 
 
自閉スペクトラム症(ASD)傾向のある子どもは、学校などの社会生活において、本人が抱える困りごとが多くあるのも事実です。
 
 
しかし、大人になっていく上でやらなければいけないこともたくさん出てきます。
 
 
ここでつまずいているわけにはいきません。
 
 
日々のお母さんの声かけで、子どもの自信を取り戻し、反抗期を穏やかに過ごしましょう。
 
 
そして、苦手なことも「やってみよう」と思えるよう、お母さんが子どものやる気アクセルを踏み直してあげましょう。
 
 
笑顔の男子中学生
 
 
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