避難訓練が怖いHSCや感覚過敏の子どもの特性に合った親の対応策

お子さんは避難訓練が「怖い」と嫌がっていませんか?HSCや感覚過敏が原因かもしれません。いざという時のために避難訓練を受けさせた方がいいけど、どうしたら良いかわからない。そんな子どもにできる対応策をご紹介します。
 
 

1.避難訓練が怖い子どもに親ができることは?

 
 
どの幼稚園でも年に1、2度「避難訓練」がありますよね。
 
 
災害が発生した時のための大事な訓練ですが、感覚過敏がある子どもからすると、非常ベルや警報音はとても怖いと感じるようです。
 
 
今回は感覚過敏がある子どもが、なぜ避難訓練が怖いのか、その原因と親ができる対応をご紹介します。
 
 
 
 
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2.避難訓練が不安でたまらない子どもの困りごと

 
 
我が家の年長の息子は、幼稚園で避難訓練がある日は決まって「休みたい」と言っていました。
 
 
「避難訓練は怖いものでもないし、いざという時には大事な訓練だからちゃんと先生のお話を聞いておいで」と伝えるものの、やっぱり「怖い」と泣いていました
 
 
避難訓練がある度に泣いて嫌がる息子をなんとか連れて行っていました。
 
 
しかし学年が上がると避難訓練の日が近づくだけで、毎日不安で泣いたり
 
 
「今日じゃないよね?」「〇〇日は避難訓練だよね?」と何度も何度も確認してくることが増えました。
 
 
それだけ息子は避難訓練が「怖い」「不安」と思っているんだということが伝わりました。
 
 
怖いのは避難訓練だけではなく、雷や花火、テレビの地震速報やニュース速報などの警報音や「突然の大きな音」がすると、耳を塞ぎ大泣きし、パニックになってしまいます。
 
 
そんな息子に私は、今後どのように対応したら良いかわからず困り果ててしまいました。
 
 
怒る親子
 
 

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3.なぜ子どもが避難訓練を怖がるのか?その理由と原因

 
 
避難訓練や大きな音を怖がる子どもは「HSC(ひと一倍繊細な気質をもった子ども)」「感覚過敏」の傾向にあるということが考えられます。
 
 
◼️HSCとは
 
 
HSCの子どもは生まれつき物事を深く考えて処理をしたり、過剰に刺激を受けやすい子どもです。
 
 
また些細なことに気づき、聴覚など五感の刺激に対して敏感なので、人より疲れやすく、不安になりやすい気質を持っています。
 
 
◼️感覚過敏とは
 
 
感覚過敏とは、通常の人が気にならない感覚刺激に対して、過剰に敏感に反応する状態のことです。
 
 
そういう子どもは五感の感覚刺激を不快に感じたり、苦痛を伴うことがあり、日常生活に支障をきたすことがあります。
 
 
つまり、避難訓練の場合、非常ベル、警報音などの大きな音を怖がる子は聴覚が過敏になっているということです。
 
 
これは聴覚の処理を行っている脳のエリアの発達が未熟なため、感覚刺激を適切に処理することができず、過敏に反応してしまうためです。
 
 
このような感覚は人によって様々なため、心地よく感じる刺激と不快に感じる刺激は本人にしかわかりません。
 
 
お母さんがHSCや感覚過敏でない場合、子どもの苦痛を理解するのはとても難しく、知識がなければ、子どものわがままだと受け取ってしまうことも珍しくありません。
 
 
では幼稚園や小学校で避難訓練がある時はどのように対応したら良いのでしょうか?
 
 
 
 

4.避難訓練は休む?HSC・感覚過敏の子どもにできる対応とは

 
 
感覚過敏がある場合、子どもにとって避難訓練は嫌な日になっているはずです。
 
 
まずは先生など周りの大人にその特性を理解していただき、配慮をしていただけるかをお願いしてあげましょう。
 
 

対応①説明をする

 
 
なぜ音が鳴るのか、理由がわかっていれば心の準備もできますが、
 
 
説明もなくいきなり大きな音が鳴ると、驚きと大きな音の苦痛で避難訓練自体にマイナスの記憶がついてしまいやすくなります。
 
 
「火事が起きた時はこの音が鳴る」「地震が起きた時はこの音が鳴る」など理解ができると、感覚的に嫌な音でも聞けるようになることもあります。
 
 
また、言葉での説明が難しい場合は、イラストや写真、訓練の実際の映像などを見せてあげることも、聴覚過敏の子どもには理解しやすいでしょう。
 
 

対応②イヤーマフをつける

 
 
避難訓練の際にイヤーマフ(耳当て)をつけることで音の刺激を和らげ、苦痛を緩和しやすくなります。
 
 

対応③自分で鳴らす

 
 
大きな音が嫌でも、いきなり自分の知らないところで鳴る音よりも、自分で出す音なら大丈夫ということがあります。
 
 
これはなかなか難しいかもしれませんが、非常ベルや警報音のスイッチを押させてもらうことができれば、音に対する恐怖が和らぐこともあります。
 
 
できなければ、押す場面に立ち会うことができれば良いですが、この対応は学校や先生の理解が必要です。
 
 

対応④避難訓練のある日は休む

 
 
災害が発生した時には非常ベルや警報音を聞くことになります。
 
 
怖がるからといって全く経験をさせていないと、いざという時に、災害と音への恐怖で身動きが取れなくなってしまうかもしれません。
 
 
しかし、あまりにも怖がるようであれば、無理に参加させるべきではありません。
 
 
休む代わりに、しっかりと災害時の避難について説明し、対応①と同じく理解をさせることが重要です。
 
 
気をつけて欲しいのが、親や先生が「大丈夫だから」と言って無理やり避難訓練を受けさせないようにしましょう。
 
 
また「気にしすぎ」「このくらいできなくてどうするの?」などと否定的な態度で子どもに接してしまうと、そのことが大きなストレスとなってしまうので注意が必要です。
 
 
子どもの怖い、嫌だという気持ちに寄り添い、「怖いんだね」と声をかけてあげましょう。
 
 
感覚過敏のある子には刺激を極力緩和して、少しずつスモールステップで災害時に直面する刺激を体験できるようになると良いですね。
 
 
我が家の息子も今はまだ避難訓練のある日はとても嫌がることが多いですが、災害時の避難の重要さについてしっかりと説明し、理解できるようにサポートしてあげたいと思います。
 
 
そして本人がその意味を理解できるようになったら、避難訓練の日はどうするか話合いをして決めていこうと思います。
 
 
 
 
 
 
 
執筆者:豊泉 えま
発達科学コミュニケーション トレーナー
 
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