何度お風呂に誘っても、ゲームやYouTube、遊びに夢中でお風呂を嫌がるお子さんに困っていませんか?早く入ってよ!とイライラしてきますよね。ママが環境や声かけを変えるだけで、子どもがサッとお風呂に入りたくなる方法をご紹介します。
1.毎日のお風呂を嫌がる子どもにイライラ…
「お風呂に入ろう!」と何度誘っても、「えーイヤだ!!」と嫌がったり、何も返事をしてくれなかったりして、なかなかお風呂に入らないというお悩みはありませんか?
毎日のことだし、お風呂の時間が遅くなればその後の予定もずれ込んでしまうので、早く入ってほしいのに!とママもイライラしますよね。
最終的には「さっきから何度も言ってるでしょ!!早くしなさい!!」と怒ってしまうこともあるでしょう。
しかし、こちらがイライラして対応すればするほど、子どももぐずって動かないものです。
もしかしたら、お風呂にすんなり入らないのは、それよりも楽しいことがありすぎて、お風呂が『ただ体を清潔にするだけの時間』になっているのかもしれません。
子どもの「楽しい!!」を引き出して毎日のお風呂問題を解決しちゃいましょう。

2.お風呂大好きっ子だったのに、5歳ごろから急にお風呂を嫌がるように…なんで?!
我が家の次男は、熱があってもお風呂に入ろうとするほどお風呂大好きっ子だったのですが、5歳ごろから急にお風呂に入るのを嫌がるようになりました。
何回声をかけてもゲームや遊び、YouTubeをやめられず、お風呂に入ろうとはしません。
「これ終わったらお風呂に入ろうね。」
「長い針が6に来たらお風呂だよ。」
と事前に予告・約束をしてみても、次から次へと動画を見始めたり、すぐに次のゲームを始めたりしてしまい、行動を切り替えることができません。
「終わったら入ろうって言ったじゃん!!」とこちらも、毎回約束を破られてイライラ!
いつ入るつもりなのか見通しの立たない状況にイライラ!!
どんどん過ぎていく時間に焦ってイライラ!!!
しまいには、「もう何回言ったら分かるの!早く入るよ!!」と怒っていました。
イヤイヤ期ですらお風呂に喜んで入っていたのに、なんで最近すんなりお風呂に入ってくれないの?
息子が急にお風呂ギライになった理由が分からず、毎日繰り返されるやり取りに困り果てていました。

3.お風呂が『つまらない時間』に変わった息子、その理由と対策
そこで、息子がイヤイヤ期のころと5歳の今とでは、何が変わったのかを考えました。
イヤイヤ期のころは、たくさんのお風呂用のおもちゃから今日のおもちゃを選んで、お風呂に入っていました。
その頃は息子もウキウキしながら今日のおもちゃを選び、親が交代で入って大人2人の入浴時間分ずっとお風呂で遊んでいるくらい長風呂でした。
しかし、次男が5歳になるころ、一緒にお風呂で遊んでいた上の子があまりお風呂で遊ばなくなり、恒例だった「今日のおもちゃ」は自然となくなっていきました。
お兄ちゃんにとっては、お風呂の時間はまったりとママ・パパとおしゃべりをしてリラックスする時間になっていたのですが、それは次男にとっては物足りなかったのでしょう。
いつの間にか、お風呂はただ服を脱がされて、体を洗わされるだけの『面白くない時間』になってしまっていたのです。
それに対し、そのころ覚えたゲームやYouTubeは、とても楽しい時間。
「何時になったらお風呂に入ろうね」と約束していても、楽しいゲームやYouTubeをやめてつまらないことをするのは困難なことなのです。
大人だって、やらなきゃいけない家事があるのに、ついついドラマを一気見してしまうことがありますよね。
自分の欲求をコントロールするのが未発達な子どもならなおさらです。
また、発達障害グレーゾーンの子どもの中には、衝動性が強いという特性をもつ子が多くいます。
その場合はさらに、お風呂に入らないといけないことを理解はしていても、目に入った楽しいことから気持ちを切り替えるのはとても難しいことです。
しかし逆を返せば、今やっているゲームやYouTubeよりもやりたい!と思えば、切り替えることができるということ。
お風呂を「楽しそうかも!」といかに子どもに思わせるかが大切というわけです。
これは、ママのちょっとしたアイデアや声かけのタイミング・話し方を少し工夫するだけで、解決することができます。
我が家で行った方法を次でご紹介しますね。

4.子どもがすんなりお風呂に入るようになったママのちょっとしたアイデア
ゲームやYouTubeから気持ちを切り替えるために、私は次の3つのことを試してみました。
*お風呂を子どもの好きな世界観に
お風呂用のおもちゃをいろいろと用意されているご家庭も多いかと思います。
その当時、息子は持っていたお風呂用のおもちゃではあまり遊ばなくなっていたので、お風呂場という空間そのものを好きな世界観してみました。
次男は海の生き物が大好きです。
そこで、海の生き物のお風呂に貼れるステッカーを、次男と一緒にお風呂中の壁に貼りました。
一緒に、「ヒトデはこのあたりにおくよ」とか「クマノミとナンヨウハギは友達だから、近くに貼ろう」とか楽しくおしゃべりしながらお風呂場をデコレーションしていきました。
その日から次男は浮き輪をお風呂場に持ち込み、ぷかぷかと湯舟に浮かんで、360度海の中にいるような没入感を味わっています!
ステッカー以外にも、お風呂で使えるクレヨンで好きなものをお絵描きしたり、お風呂に入れられる好きなキャラクターのおもちゃを置いて癒される空間にしたり、
泡風呂やシャボン玉、氷などを入れたりしてお子さんの好きなもの、興味がありそうなもので演出すると喜びますよ。
*声をかけるタイミングと話しかけ方のコツ
楽しい仕掛けをしたら、次はお風呂に誘うタイミングです。
ゲームやYouTubeをやめるというのは、子どもにとって一大事なので、5分や10分前にママから一方的に予告されても切り替えることはできません。
YouTubeやゲームに集中している時に興味のない話をされても、子どもの耳には届いていないからです。
ですから、
①まずは子どもの世界にママ・パパが入っていきましょう。
やさしく話しかけ、集中している遊びに関して一言、二言会話をする。
②子どもの耳が開いてママの方を見た時に、「お風呂でジンベイザメ見よっか」などと誘ってみる。
のステップで話しかけてみると、すんなりと切り替えることができました。
*子どもの役割を作る
さらに、お風呂に関連する次男の役割を作ってみました。
具体的に何をお願いしたかというと、お風呂の栓をする係と湯沸かしのボタンを押す係です。
子どもはボタンを押すのが好きですし、何より大好きな家族が喜んでくれることが大好きです。
特に繊細な発達障害グレーゾーンの子どもは、相手が喜んでくれたという気持ちを敏感に感じ取ります。
自分がしたことで、家族が喜んでくれた成功体験は「自己効用感」を高めることができます。
自己効用感とは、自分は誰かの役に立っていると感じることです。
これを高めることで自信がつき、行動量が増えてきます。
タオルを用意する係でも、ママにシャワーをかける係でも簡単なことで十分ですので、お子さんがやってみようと思うような役割を作ってあげると
お風呂の時間が、「ただ体を洗わされる時間」から「特別な時間」になると思います。
この3つの工夫をするようになってから、息子は声をかけるとすんなりとお風呂に入るようになりました。
お風呂になかなか入ってくれなくてお困りの方は、ぜひこの3つの工夫を試してみてくださいね。

執筆者:よしみつ りこ
発達科学コミュニケーション リサーチャー