小学生になる前の「ママ、トイレについてきて」は、不安のサインかもしれません。この記事では、ASD傾向の子どもが不安になりやすい理由と、自信を育てるための方法をご紹介します。忙しいお母さんにもすぐに実践できる方法です。
1.子どもの「不安の合図」を見逃さないで!
「ママ、トイレについてきて。」
小学生になる前の子どもが、こんな風に言い出したことはありませんか?
実はそれ、ただの甘えではないかもしれません。
「トイレについてきて」という言葉には、子どもなりの大切なサインが隠されていることがあります。
この記事では、子どもの「不安の合図」を見逃さず、小学生になる前に自信をつけてあげるための方法を、私自身の体験も交えながらご紹介します。
きょうだいのいる家庭でも実践できる工夫ですので、参考にしていただけると嬉しいです。

2.子どもの「トイレについてきて」をあしらった過去の失敗
私には3人の子どもがいます。
9歳の長女(自閉スペクトラム症(ASD)+ADHDグレーゾーン、不登校中)
6歳の長男(ASDグレーゾーン)
3歳の次男(ASD診断あり)
子育てと仕事で日々の生活は目まぐるしく、3歳の次男の身辺自立を見守ってはいましたが、不登校中の長女に復学してほしいという思いから、きょうだいの中でも長女に一番気をかけていました。
そんな中で、私は6歳の長男には「しっかり者」というイメージを持ち、一番頼りにしていたのです。
ところが、冬休み中のある日、長男が突然こう言い出しました。
「ママ、トイレについてきて」
昼間でも、暗くない時間でも、一緒に来てほしいと言います。
「暗いから怖い」と理由を話してくれましたが、心の中では何か違和感を覚えました。
その時、ふと長女が小学校入学前の春休みに言っていた言葉を思い出しました。
「ママ、トイレについてきて」
その後、長女は入学してわずか3日で不登校になってしまったのです。
私はその時「何言っているの?ひとりで行って」と軽くあしらってしまっていました。
今回の長男の言葉はその時の記憶を思い返すようで 「もしかして…これは不安のサイン?」 私はそう感じました。

3.子どもが「トイレについてきて」と言い出すのは不安が原因?
なぜ「トイレについてきて」というのでしょうか?
それはASDの子どもならではの理由があったのです。
◼️空気を読みすぎてしまう
ASDなどの発達障害には感覚過敏という特性があります。
特定のものの感覚にとても敏感なため、日常生活においても様々な刺激を受けやすいのです。
周囲のちょっとした変化にも敏感に気づき、それが不安や緊張を生むことがあります。
◼️自信をなくしている
ASDの子どもはネガティブな記憶を忘れにくいという特性も持っています。
失敗や叱られた経験が重なると、「自分はダメだ」と自信がなくなり、それが不安になりどんどん「できない」「自信がない」と思い込んでしまいます。
6歳の長男も、普段はしっかりしているように見えて、心の中では大きな不安を抱えていたのだと思います。
私は長女や次男の面倒に追われ、長男に対して「自分でなんでもできるから大丈夫」と甘えを許さない態度を取っていたかもしれません。
「トイレについてきて」という言葉は、「もっとぼくを見てほしい」「ぼくを受け入れてほしい」という合図だったのです。
これは、長男なりの寂しさの表現であり、私に気づいてほしいというSOSだったのだということに気づきました。

4.小学生になる前に子どもが自信をつけるための方法
① 子どもの行動を実況中継する
「あなたのことをちゃんと見ているよ」と子どもに伝えるためには、行動をそのまま言葉にして伝えるのが効果的です。
「起きてきたんだね」
「この動画、おもしろいんだね」
「お片付けを始めたんだね!」
このように実況中継することで、子どもは「お母さんが自分に注目してくれている」と感じられます。
自分の行動に注目されると、自分の行動に自信がつきます。
そうして「自分にもできるかも」と感じ、不安が減っていきます。
②子どもと2人きりの時間を作る
きょうだいが多いと、それぞれとじっくり向き合う時間を取るのは難しいですよね。
でも、大事なのは時間の「長さ」ではなく「質」です。
・一緒に10分だけ好きなゲームをする
・歯磨きを一緒にする
・お風呂で2人きりの会話を楽しむ
たった10分でも、お母さんを「独占」できる時間が子どもの安心感を育てます。

5.早期対応がカギ!「トイレについてきて」と言われたらすぐに気づいてほしい
子どもが「トイレについてきて」と言うとき、それは甘えやわがままではなく、心の中に不安を抱えているサインかもしれません。
特に小学校入学を控えた子どもは、周りからのプレッシャーなどに不安を感じやすく、親に「ぼくを見てほしい」「ぼくを受け入れてほしい」と思うものです。
我が家の長男には、しっかりと実況中継を続けると1週間ほどで「トイレについてきて」と言わなくなり、ひとりでトイレに行けるようになりました。
また自分を見てくれていると感じることから自信がつき、登園しぶりなどもなくなりました。
長女の時は、このサインを見逃してしまったので、不安が膨らみ、遂には体調を崩し、いまだにこじらせてしまっています。
このことから、「トイレについてきて」と言われたら、いち早くSOSなんだと気づき、すばやく対応することがカギと言えると私は身を持って体感しました。
子どもを安心させ、自信をつけることができる「実況中継」と「2人の時間」は、長男だけでなく、家族みんなにこの先ずっと続けていきたいと思います。

執筆者: 豊泉 えま
発達科学コミュニケーション トレーナー