発達障害の子どもを育てることは本当に大変です。だからこそ、ママが無理をしている状態では、健康的な子育てを継続していくことができません。「子育てがつらい」と感じているママが、子どもの発達を促すべく最初にすべきことについてお伝えします!
1.発達障害の子どもを育てることがつらい!と疲れ果てているママへ
「子どもは褒めて伸ばしなさい」
「子どもを感情的に叱るのは逆効果」
わかっているけど、上手くできない…
ネットを検索すれば成功体験ばかりが出てきて、 「上手くできないのは自分だけなのかな」と孤独を感じる…
そんな風に悩んでいるママはいませんか?
子育てにおけるテクニックやノウハウはたくさん溢れていますが、子どもに対して「すべきこと」「すべきでないこと」は書かれていても、
ママがママ自身とどう向き合うべきなのかを教えてくれるものはあまりないのです。
だからこそ、「子育て頑張るぞ!」と意気込んで一生懸命になるママほど、『自分の気持ち』が抜け落ちてしまいます。
いくら子どものためとはいえ、自分の気持ちを押し殺して何かをし続けるのはつらいし、
子どもはママの気持ちの動きに敏感なので、「ママが無理しているな」ということはあらゆる場面で伝わってしまうと思います。
断言しますが、ママの気持ちは子どもの気持ちと同じぐらい大切です!!
ここでは、子どもではなくママの気持ちにフォーカスした子育てについてお伝えしていきます。

2.発コミュを開始するも、学んだノウハウやテクニックが上手く使えない日々
発達障害グレーゾーンの息子は、人一倍繊細で常に不安を抱えていました。
そのせいか、少しのことで泣いたり怒ったりしてしまうので、「どこが地雷?」と探りながらコミュニケーションを取る日々が続いていました。
いつか自然と大変な時期は抜けるだろうと思っていたのに、そんな日はなかなか来ません。
ある時から、「母親の私が息子を腫れ物に触るように扱っていて良いのだろうか?」と不安にかられ、何か打開策はないかと探していたところ、発達科学コミュニケーション(発コミュ)に出会いました。
発コミュを開始して2〜3週間で息子の様子が良い方向に変わっていったので嬉しく思っていましたが、いつしかテクニックを実践することに囚われ、自分の気持ちを置き去りにしてしまうようになりました。
どんなに疲れていても、
「笑顔で褒めなくちゃ」
「スモールステップでわかりやすい指示を出さなくちゃ」
「できていないことはスルーするんだ」
と言い聞かせて実践しようとしましたが、ついに心がついて行かず、上手くできなくなってしまったのです。
「せっかく効果が出てきたのに、私が未熟なせいでやっぱり上手くできないな…」と落ち込み、発コミュさえも前向きに取り組めなくなっていきました。

3.せっかく学んだ発コミュの子育てノウハウが上手く使いこなせなくなってしまった理由
なぜ、息子の問題行動は順調に落ち着きつつあったのに、そんな風になってしまったのでしょうか。
今考えると、大きく分けて2つの原因がありました。
1つ目は、今まで叱っていたシチュエーションで急に私が叱らなくなったので、 息子が「どこまで叱られないのかな?」と試すような行動をするようになったことです。
子どもの目線で考えると、急に対応が変わったのだから、それに対して色々なことを調べたり試したりしたくなるのは当然のことですが、当時の私にはそんな風に思う余裕が持てませんでした。
学んだことを実践するのにいっぱいいっぱいだったのです。
「こっちは一生懸命対応しているのに、また試してる!そんなことせずにさっさと問題行動をやめてくれたらいいのに…」とイライラが募るばかりでした。
2つ目は、息子のありのままを受け入れることに自分が思っていたよりも時間がかかり、心から肯定することができない中で、テクニックだけを身につけようとしていたことです。
「母親は子どものありのままを受け入れるのが当たり前」という風潮に飲み込まれ、それができていないことを自分で認めるのが怖かったので、敢えて自分の心と向き合わないようにしていたのかもしれません。
「息子のことを受け入れているんだから、笑顔で対応できるはず!」と言い聞かせながら、薄っぺらいテクニックを振りかざしていたので、あるところから息子の発達の成長があまり感じられないようになってしまいました。
発コミュという素晴らしいものに出会い、自分の子育てに活用するところまでは辿り着けたのですが、成果を望むあまり、焦りすぎていたと思います。

4.自分の気持ちを置き去りにしない!無理なく発コミュ式子育てを継続していく方法
結局、色々なことが上手くいかなくなり、発コミュを知る前の状態に戻ってしまい、息子を感情的に叱ったり、注意や指摘ばかりしてしまう日々が続きました。
ある日、息子ができていないことにイライラし、「お母さんは怒りたくないのに、どうして怒らせるの?!」と言ってしまった時のことです。
息子が「やろうとしてるんだけど、ぜんぜん上手にできなくてごめんなさい…」と涙目で謝る姿にハッとしました。
この時の衝撃は頭に雷が落ちたのかと思うほどで、
「何やってるの、私!!子どもの自信を育てるどころか、また自信をなくさせてしまってる…」
とものすごい後悔と反省に襲われました。
この瞬間から、「逃げずに自分ともう一度向き合って、丁寧に子育てをしていこう」と心に誓いました。
手に入れた情報や学んだテクニックを無理なく実践し続けるために必要だったのは、具体的に次の2つでした。
・我が子のどんなところが受け入れられていないのかを具体的に書き出してみる
発達障害グレーゾーンの子が抱えている問題は、彼らに悪気があってわざと引き起こしているわけではありませんが、それを知っていてもイライラしてしまったり、すぐには受け入れられないということがあります。
母親も人間だもの!
「なかなか受け入れられないこともあるよね」と自分自身に共感しながら、我が子の受け入れられない具体的な言動を書き出してみると、自分のこだわりや固定概念が見えてくるのでおすすめです。
こだわりや固定概念が見えると、自分が変わらなければいけない部分がかなり具体的に見えてくるので、スモールステップで『これまでの常識を捨てる』ということができるようになります。
・つい感情的になってしまった!と思ったらすぐにフォローをして自分を褒める
子どもの特性を受け入れていく過程の段階では、どうしてもイライラしてしまったり、叱りたくなってしまうということがあります。
その気持ちを押し殺し続けて対応するのは難しいので、ママ自身に大きなストレスがかかり継続することが難しくなってしまいます。
「まだ私も変わっていっている最中なんだから、多少上手くいかないこともある」と自分自身のことも受け入れるよう意識してください。
また、ついつい感情的になって子どもに良くないとされる声かけを始めてしまった場合は、すぐに変顔を作ったり、面白い声色に変えて子どもを笑わせることに気持ちをシフトするのがオススメです。
子どもと笑い合って会話を終えることで、子どもに「キツく怒られた」という印象を与えないで済みます。
それをした後に、「ナイスフォロー!」と自分を褒めることも忘れないでくださいね。

私が自分と向き合い、『気持ちのこもった発コミュ』を実践するようになると、息子が試し行動をするということがなくなりました。
また、私がつい感情的になってしまった時でも、息子は泣いたり怒ったりせずに「お母さんの気持ちをお話ししてほしいんだよ」と会話でのコミュニケーションを求めてくれるようになりました。
本当の意味で、私が息子を受け入れようと奮闘していることが息子にも伝わったからこその成長だと思っています。
子育てに悩んでいるママはみな、既にものすごく子育てを頑張ってきたはずです。
頑張っているけど上手くいかないからこそ、子育てがつらく感じたり、楽しめない状態になっているのです。
これ以上、頑張るぞ!!と力を入れる必要はありません。
むしろ、肩の力を抜いて、自分の頑張りを認めてあげましょう。
ママ自身を肯定することが、子どもの発達を促す第一歩になりますよ!

執筆者:中谷 そら
発達科学コミュニケーション トレーナー