触覚過敏のせいで子どもが毎日同じズボンしか履けず困っているお母さんはいませんか? 触覚過敏が強いのはASDキッズの脳の特性が原因。こだわりがゆるまり、他のズボンを選んだりさまざまなファッションを楽しめるようになった驚きの声かけをご紹介します。
1.ワンシーズン同じズボンしか履けませんでした…
毎日同じ服を着たがる…
偏食が激しく、特定の触感(ねばねば、ドロドロ、パサパサなど)が苦手…
騒がしい場所(教室、スーパー、駅など)で疲れやすい…
など、こだわりの強いお子さんの対応に困っていませんか?
実は、このこだわりは「感覚過敏」が関係しているかもしれません。
我が家には小学3年生の娘がいます。
おしゃれが大好きな娘でしたが、ある時から同じズボンしか履かなくなり、とても困っていました。
しかし、肯定的な注目をすることで、他のズボンを選べるようになり、「まあいいか」とこだわりがやわらぐようになりました。
この記事では、触覚過敏が強い娘が「ほかのでもいいか!」と思えるようになったコミュニケーションの工夫をお伝えします。

2.増えていく履けないズボンとクローゼットと親の葛藤
思い返せば、娘は保育園児の頃から、「タグが気持ち悪い!」や「なんか変な感じ!」などとズボンの不快感を訴えていたことが時々ありました。
まだサイズ的に使えると「大丈夫だよ」「今日はこれしかないな」となだめて、私が用意したズボンを履いてもらったこともありました。
当時は、娘がまだ小さく自分で状況を判断したり、考えて行動したりすることが難しい年齢の時だったので、着てくれていたのだと考えます。
小学生になり、学校生活が苦手な娘は、そのストレスから母子分離不安や癇癪などが多く見られるようになりました。
そしてある日、同じズボンしか履かなくなったのです。
✔お腹のゴムがぽっこりするのが嫌!
✔座ったときの膝の感じが嫌!
✔ぴったりするのが嫌!
購入前に履き心地やサイズも確認し、試着もしてから購入したのに…
良かれと思うものを複数着も購入したのに、いざ自宅で履いてみると全部履けないと言われてショック!
購入したものが使われない事もショックでしたが、娘に履けるものが今後あるのだろうかと心配になりました。

3.触覚過敏はASDキッズの脳の特性にありました
触覚過敏について簡単にご説明させていただきます。
✔触覚過敏
皮膚への触れられる感覚全般に対して敏感すぎる状態を指していて、服のタグが肌に触れるだけで痛く感じる、人に触れられるのが不快、風が当たるのが耐えられないなどがあります。
自閉スペクトラム症(ASD)など特性をもつ方に見られることがあります。
発達科学コミュニケーション(発コミュ)を学び、娘の触覚過敏の強さは自閉スペクトラム症(ASD)が少なからず影響しているのでは?と考えました。
さらに、今までの常識や自分が子どもにしていた対応が悪影響だったと知る学びがありました。
✔親がこだわりを辞めさせようとすると子どものこだわりが強固になっていきます。
こだわりを指摘をすればするほど脳のストレスになっていきます。
この場合はスルーが鉄則です。
なぜならば脳が成長していろいろな刺激が受け取れるようになると、こだわりがやわらいでいくからです。
✔まあいっか!で乗り切る
子どもが毎日同じ服を着ていても「まあいっか!」「子どもの毎日のルーティーンだ」と親が割り切っていると、子どもも「まあいっか!」を覚えます!
こだわりが強い子どもは「まあいっか!」を習得していないことが多く融通が効かないのです。
ルーティーンは子どもの安心なのだと、様子を見ていくと脳の成長とともに次第に慣れていきますので、ぐっと見守りましょう。
次に私が実践した対応をお伝えしますね!

4.とりあえず他も履いてみる!とチャレンジできるように!
触覚過敏の強いASDグレーゾーンの娘に実践したことをお伝えしますね!
まず、支度の際にいろいろなズボンを提案していたことを辞めました。
そして、子どもが気に入っているズボンのみをいくつか提案し選択してもらいました。
せっかくあるのだから、いろいろなズボンを履いて欲しいという親の気持ちは置いておき、
発コミュで学んだASDグレーゾーンの特性である「変化が苦手」「同じは安心」ということを意識して、子どもが安心して過ごせるように、「毎日同じズボンを履いていてもルーティーンなんだ」と見守りました。
履けそうなズボンを提案し、自分で決められた時に「自分で決められたね!」と褒め、決められた!という「できた!」の成功体験の記憶をつけていきました。
見守り、肯定の注目を続けていくことで、今まで頑なに拒否していた他のズボンに対しても「履いてみようかな?」とポジティブな発言がみられ、チャレンジするようになりました!
実際に、スカートやズボンなど試着してみて、「これかわいいー!」や「これはやっぱり苦手かも」と、チャレンジしてみないとわからないことがあるな〜と実感しています。
いろいろなファッションが好きな娘が、「かわいいけど、無理そう」と新しいチャレンジにネガティブだった様子が、成長しているのを感じられました。
これからも娘がいろいろな『好き』を見つけて触れあいながら成長していけるよう、肯定のコミュニケーションをしていきたいです。
娘のこだわりの強さは親のこだわりの強さ。まさに子は親の鏡ですね。
親自身も「まあいいか!」を身につけ、自分の脳も子どもの脳も共に成長していけるよう、これからも発コミュを実践していきます!

執筆者:こもだ あやか
発達科学コミュニケーション アンバサダー