人の嘔吐に強い恐怖を抱き、学校に行けなくなった我が子が嘔吐恐怖を克服したきっかけはアロマ除菌スプレーでした!繊細な子どもの感受性や不安の背景を考察し、安心感を与える関わり方や、実際に効果のあった家庭でもできるサポートの方法を紹介します。恐怖と向き合いながら子どもが安心して過ごせる環境づくりのヒントが詰まった記事です。
1.極端に病気になることを恐れるお子さんの対応に困っていませんか?
「学校に行きたくない」「気持ち悪くなったらどうしよう」「誰かが吐いたら怖い」――
そんな不安を口にするお子さんに、どう対応したらよいのか悩んでいる保護者の方も多いのではないでしょうか。
大人から見ると「そんなことで?」と思うことも、繊細な子どもにとっては日常生活に大きな影響を与えるほどの恐怖になり得ます。
特に「人の嘔吐が怖い」「嘔吐している場面を見たくない」という恐怖は、本人にとって非常に強いストレスとなり、時には学校生活や対人関係に支障をきたすこともあります。
本記事では、実際に「嘔吐恐怖」によって登校が困難になった繊細な子どもとその家族の経験を紹介しながら、その背景にある子どもの心の特性や、不安を和らげるためにできるサポート方法をご紹介します。

2.学校でお友達の嘔吐を見てから、学校に行けなくなってしまった息子の話。
私の息子が嘔吐恐怖を抱えるようになったきっかけは、小学2年生の冬の出来事でした。
授業中、前の席に座っていたクラスメイトが突然吐いてしまったのです。
その場のにおい、音、光景にショックを受けた息子は、その日から「学校に行きたくない」と言い始めました。
最初は体調不良かと思い、ゆっくり休ませましたが、何日たっても「また誰かが吐くかもしれない」「もし自分が気持ち悪くなったらどうしよう」と不安を繰り返し訴えるようになりました。
担任の先生にも相談しましたが、登校しようとすると泣いてパニックになり、結局1か月以上、母子登校を続け、別室で授業を受けていました。
心療内科では、ネガティブな記憶を残しやすい繊細な子どもであることと、「嘔吐恐怖症」の傾向があると言われました。
専門家のアドバイスを受け、学校と連携しながら、少しずつ息子の不安に向き合っていくことにしました。

3.繊細な子どもが嘔吐を恐れる理由
「嘔吐が怖い」と感じる子どもには、いくつかの背景や傾向が見られることがあります。
① 感覚に敏感なHSC(Highly Sensitive Child)の特性
繊細な子どもは、におい・音・視覚的な刺激に敏感です。
嘔吐はそれらの感覚が一度に刺激される出来事であり、「強烈で忘れられない体験」として心に刻まれてしまうことがあります。
② 想像力が豊かで、「もしも」が不安を大きくする
想像力が豊かな子どもは、「また起こったらどうしよう」「あの場にいたらどうする?」と先のことを過剰に考えてしまい、不安が膨らんでしまいます。
③ コントロールできない状況への不安
嘔吐は突然起こるものであり、予測不能です。
コントロールを好む子や完璧主義の傾向がある子は、自分ではどうにもできない状況に強いストレスを感じます。
このような理由から、一度ショッキングな経験をすると、それがトラウマとなり、日常生活にも影響を与えてしまうのです。

4.病気や嘔吐を恐れる繊細な子どもに必要なのは安心感
嘔吐恐怖の子どもに必要なのは、「無理に克服させる」ことではなく、「安心できる環境を整える」ことです。
子どもは恐怖を感じると本能的に回避しようとします。
無理に学校へ連れて行ったり、「そんなの大したことない」と否定したりするのは逆効果です。
では、私たち親ができるのはどんなことでしょうか?
① 恐怖を否定せず、「怖かったね」と共感する
まずは、子どもの気持ちを受け止めることが大前提です。
「怖い」という感情を否定されると、子どもは自分の不安を言い出せなくなってしまいます。
② 「どうすれば安心できるか」を一緒に考える
嘔吐そのものを完全に避けることはできませんが、子ども自身が「こうすれば安心できる」と思える手段を見つけておくと、学校などでもパニックを起こしにくくなります。
③ 安心グッズやルーティンを取り入れる
お気に入りのタオルやハンカチ、香りのするアイテムなどを持たせることで「不安を乗り越えるお守り」になります。
ルーティンとして使うことで、心の安定にもつながります。

5.除菌スプレーを学校に持っていくことで安心して学校に通えるようになりました!
私の息子が試して効果を感じたのは、アロマオイルを使った「除菌スプレー」でした。
きっかけは、息子が「まだバイキンが教室にいるかもしれないから嫌だ」と話したことから。
普段からアロマオイルを使った除菌スプレーでトイレ掃除をしていたこともあって「だったら、家の除菌スプレーを持って行ったら?」と提案し、息子と一緒に除菌効果のあるスプレーを手作りしました。
担任の先生にも事情をお伝えしたところ、「不安な気持ちに向き合い、どうすれば安心できるか方法を考えることはとてもいいこと!」と除菌スプレーを持たせることに大賛同していただけました。
学校では、自分がトイレにいく前に便器に、給食の前には自分の机にスプレーをすることで安心することができたようで、除菌スプレーを持って行った日は嘔吐があった教室にも入ることができました。
スプレーを持つことは息子にとって「自分を守る手段」になり、次第に登校できる日が増えていきました。
もちろん、完璧に不安が消えたわけではありませんが、「怖くても対処できる」と思えることで、息子の行動は確実に変わりました。
繊細な子どもにとって、「人の嘔吐を見ること」は大人が想像する以上に強い恐怖体験です。
だからこそ、「どうしてそんなことで」と思わずに、その子なりの感情を丁寧に受け止め、安心できる環境や対処法を一緒に探していくことが何よりも大切です。
私たち親も、「子どもが登校できなくなった」と聞くと焦りや不安を感じてしまいますが、恐怖を乗り越えるには時間がかかることもあります。
大切なのは、「不安は悪いことではない」と伝え、その不安と上手に付き合う力を育てていくこと。
嘔吐恐怖で悩む子どもたちが、「怖いけど、大丈夫」と思える日が来るように、日々の関わりを工夫しながら、安心を届けていきましょう。
