不注意型のADHD(注意欠如・多動症)の子にイライラしていませんか?本記事では、不注意は、どの程度から気にかけた方がいいのか?また、ママが今すぐできる対応を3つご紹介しています。ぜひ、できることから取り組んでみてくださいね!
1.不注意型のADHDの子にイライラしていませんか?
毎朝、我が家の息子は、行く直前になると
「ママ、〇〇どこ?」
「ママ、〇〇がない!」
「今日の持って行かないといけない物なんだったっけ?」
と毎回聞いてきます。
その度に私は、
「知らないよー!前の日に準備しとかないからでしょ?!」
「朝から時間がないのに聞くのやめてよ!」
とイライラして怒っていました。
こんなに不注意や物忘れがあって、「学校で大丈夫なのかな?ちゃんとやれてるの?」とママは心配になりますよね。
朝はやることがたくさんありますし、できたら前もって自分で準備してくれたらとても助かりますよね。
この記事では、誰にでもある不注意や物忘れをどの程度から気にかけた方がいいか、そしてママが今すぐできる対応についてご紹介しています。
できそうな所から、取り組んでみてくださいね!

2.不注意はどの程度から気にかけた方がいいのか?目安は?
不注意は子どもだけでなく、大人でもよくありますよね。
そして、忘れものに関しても子どもが小さいうちはよくあることです。
どの程度から気にかけた方がいいのでしょうか?
不注意に関して見るポイントは2つあります。
それは、場面と頻度です。
♦不注意が起こる場面
家だけ
学校だけ
塾だけ
疲れている時だけ
と起こる状況が限定されている場合は、みんなが持っている程度の不注意と思われます。
しかし、不注意が起こる場面が複数の場所で見られる場合は、より気にかけてあげた方がいいです。
♦不注意が起こる頻度
時々
数日に1回
ほぼ毎日
また、他にも日常生活を送るうえで、不注意や忘れ物が支障を来しているか?もポイントとなります。
しかし、不注意特性がある子は学校に必要な物を忘れたりしても、あまり不便を感じていないこともありますので、そこは注意が必要です。
たとえば「毎日お弁当箱を忘れて帰ってくる」といった状況が続く場合、本人はあまり困っていない様子でも、さすがに忘れすぎだと感じますよね。
こうしたケースでは、不注意の特性が強いと判断されることがあります。
使ったものをそのまま置きっぱなしというのもよくあることです。
子どもは一つのことに集中したあと、すぐに次のことへと注意が向いてしまうため、物を使ったら「片づける」という習慣が身についておらず、そもそもしまう必要性をあまり感じていないことが多いです。
ですが、たとえば兄弟の持ち物がごちゃごちゃになったり、学校でも物の取り違えが頻繁に起きてしまったりするような状況が見られる場合は、少し気にかけてあげたほうがよさそうです。
こうしたことが繰り返されると、ママとしては対応するたびについイライラしてしまうこともあると思います。
では、そんなときはどう対応していけばよいのでしょうか。

3.イライラした声かけをすればするほど不注意の特性は強くなります!
ママは、「少しでも不注意が改善したら…」という思いで声をかけていると思います。
でも、ついイライラした状態で言葉をかけていると、子どもにうまく伝わらず、かえって逆効果となってしまうことがあります。
というのも、感情的になっているときの脳は、脳の外側にある「理性」を司る部分より、内側の感情を司る「大脳辺縁系」という部分が興奮している状態となっており、理性的な判断がうまくできなくなってしまうのです。
その結果、ついうっかり忘れてしまったり、思っていることを短絡的に口にしてしまったりというミスやトラブルも起こりやすくなります。
また、「人は指示や説得をされればされるほどやる気が失せる」という『ブーメラン効果』も要注意です。
「ブーメラン効果」とは、相手に一生懸命に伝えるほど、反発が起こってかえって逆の行動に導いてしまうという現象のことです。
人は意識的にも無意識的にも「自由」を求めており、自由が侵されたと感じ、行動を強制されると、反発したくなるのです。
このような経験、親御さんも少なからずあるのではないでしょうか。
ですので、できればイライラした指示をするのではなく、「できたこと」に注目し、まずはしっかり褒めてあげましょう。
不注意な部分ではなく、できていることに目を向けるのがポイントです。
褒めている合間に、不注意に関しての指示をしていきましょう。
「2回褒めて、1回指示する」ような「褒め」の方が多いバランスが理想です。

4.ADHDの子の困りごとに対して今すぐママができる対応3つ!
ママが今すぐできる対応を3つご紹介します。
①行動する場所にチェックリストを置く
ADHDの子は、作業する段階にならないと興味が向かないため、その状況になってからチェックをする性質があります。
ですので、たとえば「玄関に学校の持ち物チェックリストを貼る」など行動する場所に合わせて用意しましょう。
小学校低学年のお子さんの場合は、ママが一緒にチェックしてあげた方がよいでしょう。
②ケースや袋は透明な物を使用する
物をなくしやすい子には、ケースや袋を「中身が見える透明なもの」に変えるのがポイントです。
また、隠す収納ではなく“見せる収納”にすると、目に入りやすくなりおススメです。
③ママが上手に質問する
「今日は何が必要だったかな?」
「この授業では、何を使う日だったかな?」
こんな風に考えさせられるような質問をします。
質問をされることで、子どもの「脳」が動き、「そうだ、あれが必要だった!」と自分で思い出すきっかけになります。
「あれ持っていきなさい」「これしなさい」と言えば言うほど、脳はあまり働かず、不注意傾向がかえって強くなってしまうこともあります。
脳を働かせるために、そういえばそうだった!と思い出させる質問をする、質問をして考える時間を与えるようにします。
それができるようになると、「〇〇だから、〇〇する」と状況と行動をセットで声かけをするようにしましょう。
状況と行動をセットで伝えてあげると、だんだんと本人が覚えるようになっていきます。
ぜひ、できるところから取り組んでみてくださいね!

執筆者:たるみ あや
発達科学コミュニケーション アンバサダー