発達障害グレーゾーンやASDが気になるときのチェックリストと対応法を紹介。子どもの特性を理解し、ママが安心して子育てできるようにサポートします。
1.発達障害とグレーゾーンの違い|ASDを含む発達特性の基本
「うちの子、ほかの子と少し違う気がする」
「何度注意しても同じことを繰り返してしまう」
「もしかして発達障害なのでは?」
育てにくい子どもの対応に悩み、胸の中が不安でいっぱいになっているママはいませんか?
さらには「自分の育て方が悪いのでは?」と自分を責めてしまっていませんか?
子どもの「育てにくさ」の背景には、しつけや親の努力ではどうにもならない「脳の特性」が関わっている場合があります。
それが、発達障害や発達障害グレーゾーンと呼ばれるものです。
発達障害とは、脳の働き方の違いによって「行動」や「コミュニケーションの仕方」などに特性があり、生活や学習に困難が出やすい状態を指します。
代表的なものには、以下のようなタイプがあります。
・自閉スペクトラム症(ASD)
・注意欠如・多動症(ADHD)
・学習障害(LD)
一方で、「診断を受けるほどではないけれど、日常生活に支障をきたす子どもたち」がいます。
これがグレーゾーンと呼ばれる状態です。
グレーゾーンの子どもは、診断基準には当てはまらないため、周囲からは「ちょっと不器用な子」「がんばればできる子」と見られてしまうことも多く、
親も「これは個性なのか、それとも困りごとなのか」と判断に迷いやすいのです。
大切なのは、診断の有無にとらわれず、生活に困難があるかどうかを見つめること。
そして一人で抱え込まず、お子さんの特性を知り、特性に合った方法で子育てをしていくことです。
この記事では、そんな不安を抱える親御さんに向けて「チェックリスト」や「具体的な対応方法」、そして「安心できるコミュニティでの学び」についてお伝えしていきます。

2.「育てにくい」の原因は…発達障害グレーゾーンだった!
・こだわりが強い
・集団生活に馴染めず、トラブルになりやすい
・感情のコントロールが難しく、癇癪や怒りが強い
・友だちとの関わり方がぎこちない
・忘れ物や失くし物が多い
・音や光、においに敏感で生活が大変
これらは一見「わがままな子どもや躾のなってない子どもの様子」だと思われがちですが、実は子どもの脳の特性によることも多いのです。
私の子どもは赤ちゃんの頃からよく泣き、抱っこをしてもなかなか泣き止まないことが多い子でした。
親の目からはわからない「苦手な感覚」があるようで、どうして泣いているのか理解してあげられないことに、とても苦しみました。
幼稚園に入ると、大きな音が苦手で運動会や発表会には参加できず、ほかの子と比べて落ち込む日々が続きました。
先生から「一度発達外来に相談してみては」と勧められましたが、心の準備ができず、私はその提案を断ってしまいました。
小学校に入学すると、新しい環境に慣れることができず、登校しぶりが長く続きました。
3年生になった頃、学校から支援級を勧められたことをきっかけに、ようやく発達相談を予約しました。
検査の結果、子どもはASDグレーゾーンだとわかりました。
その瞬間、それまで悩み続けてきたことが「答え合わせ」のようにつながり、ようやく「子育てがうまくいかなかった理由」に納得できたのです。

3.子どもの発達が気になるときに使えるASDグレーゾーンのチェックリスト
ここで、不安を整理するための簡単なチェックリストをご紹介します。
【ASD・グレーゾーンのサイン】
✔️集団行動が極端に苦手
✔️予定が変わると強い不安やパニックを起こす
✔️興味のあることに没頭しすぎる
✔️お友だちとのやりとりが一方的
✔️忘れ物や片付けが極端に苦手
✔️音やにおいに過敏すぎる、または鈍感すぎる
✔️感情の起伏が激しく、切り替えに時間がかかる
✔️言葉の理解や表現にアンバランスさがある
いくつか当てはまるからといって「発達障害だ」と断定できるわけではありません。
ただ、気になるサインを整理することで「やっぱり相談してみようかな」と次の行動につなげるきっかけにしてほしいと思います。
チェックリストはあくまで「気づきのきっかけ」であり、診断ツールではありません。
当てはまっても「必ず発達障害」というわけではありません。
しかし、当てはまらなくても「大丈夫」とは限りません。
子どもの特性は成長とともに変化します。
大切なのは「一人で抱え込まずに整理すること」。
チェックリストで気づいたことを記録しておき、ぜひ専門機関に相談することをおすすめします。

4.パパやママが発達障害グレーゾーンの子どものためにできること
パパやママが「私の育て方が悪いのでは?」と自分を責めすぎないことが大切です。
発達特性は「脳の働きの違い」であり、親のせいではありません。
育児のイライラや疲れは、信頼できる人やサポート機関に話すだけでも軽くなります。
◆子どもの発達についてサポートしてくれる地域の機関
・学校の担任やスクールカウンセラー、特別支援教育コーディネーター
・市区町村の発達相談窓口
・児童発達支援センター(児童発達支援事業所、放課後デイサービス)
・小児科・発達外来
・臨床心理士の相談窓口
発達相談や発達外来は、利用者がとても多いため、相談を予約するだけ6ヶ月〜1年待ちという地域もありますので、早めの予約をおすすめします。
◆コミュニティでの学びと支え
私が特に助けられたのは、ASDグレーゾーンの子どもと親のためのコミュニティ「ふたばスクール」でした。
そこでは、同じように悩んできた親御さんと出会い、発達科学コミュニケーションの学びを通して、子どもの発達特性について深く学ぶことができました。
参加していく中で「うちの子だけじゃない」と思えたこと、
そして専門家から「ASDの特性を理解すれば子育てがずっとラクになる」とアドバイスをもらえたことで気持ちがとても軽くなりました。
実際、子どもの発達について深く学んだことで、我が子の特性に合った声かけや対応を実践できたことにより、癇癪や感覚過敏などの問題行動も少しずつ落ち着いていきました。
今では、一人で安心して学校に通えるようにもなりました。
「一人ではない」と感じられるコミュニティの存在は、親にとっても子どもにとっても大きな支えになったと感じています。

5.一人で悩まないで!子どもの特性を理解し安心できる子育てを
子どもの「育てにくさ」を感じると、つい「私のせいかもしれない」と自分を責めてしまいます。
でも、発達障害やグレーゾーンの子どもたちは、脳の特性からくる困難を抱えていることが多く、それは育て方の問題ではありません。
チェックリストはあくまで「気づきの道しるべ」。
そして大切なのは「一人で抱え込まないこと」。
支援機関やコミュニティを活用することで、子どもの特性に合ったサポートを得ながら、親も安心して子育てを続けることができます。
「子どもの特性を理解し、親自身も安心して育てられること」。
それが、子どもと親の笑顔につながる一番の近道です。
