せっかく子どもが習い事を始めたけれど、しばらくすると行くのを嫌がるようになり、どの習い事も長く続かない、とお悩みのママへ。なぜ子どもが習い事を嫌がるようになるのか、そして、そんな時ママがどんな風に考え、対応すると良いのかをご提案します。
1.子どもの習い事が続かないことで悩んでいませんか?
✓ 子どもが「やりたい」と言うから習い事を始めたけど、しばらくすると行きたがらなくなってしまった。
✓ 習い事に連れて行こうとすると、行きたくないと言って癇癪を起こしてしまう。
✓ 色々とやらせてみるけど、習い事が続かない…。
こんなお悩みありませんか?
親としては、
・すぐに辞めるのは辞めぐせがついて将来我慢のできない子になるんじゃないか
・苦手なことや嫌なことでも乗り越えられるようになって欲しい
・せっかく用品も揃えたんだし、すぐやめたらもったいない
などの考えが浮かび、「何とか続けて欲しい」と思うママは多いのではないでしょうか?

2.習い事を嫌がる娘を理解できなかった過去
現在小学5年生の私の次女も習い事がなかなか続かないことに悩んでいました。
次女は幼稚園年長の頃にお姉ちゃんが習っていたダンスを始めました。
お姉ちゃんが楽しそうにレッスンに通うのを見て、またイベントや発表会で楽しそうに踊るのを見て、ずっと憧れていたようです。
本人が「どうしてもやりたい」と言うので通わせてみることにしました。
最初の頃は順調に通っていました。
不器用ながらも一生懸命レッスンについていっていました。
しかし、1年くらいたった頃から行きたがらないことが増えてきました。
「行きたくない」ということもあれば、「お腹が痛い」、「気持ち悪い」など、ダンスに行く時間が近づくと体調不良を訴えることもありました。
行きたくない理由をきいても、はっきりとした理由を言えず、「行きたくないの!」の一点張り。
また、レッスンをお休みすると連絡したとたんに体調不良が治るということが繰り返しあり、私は、次女に対して「わがままを言っているだけなのでは?」と思うようになりました。
私は、
・一旦やると決めたんだから、うまく行かないからと言ってすぐに諦めるのはよくない。
・このまま、わがままを放置しては、我慢のできない人間になってしまうかもしれない。
などと考え、何とか行かせようとしました。
しかし、こちらが色々言うと癇癪を起こし、とてもレッスンに行ける状態でなくなるということが続きました。
実は、こうしたことはダンスだけではありませんでした。
他にも習字教室や水泳など、他にもお姉ちゃんやお友達と一緒に始めた習い事はいくつかありましたが、どれも1年ほどしか続かず、同じように行きたがらなくなってしまったのです。

3.習い事を継続できない理由
では、なぜ習い事を続けられないのでしょうか?
考えられる理由としては以下のようなものがあります。
①子どもの発達特性
・白黒思考
発達に凸凹のある子どもたちは、白黒思考の子が多く、少しでもうまくいかないことがあると、「自分はダメだ」という思考に陥ってしまいがちです。
私の次女も、お姉ちゃんのように楽しく踊れる自分をイメージしてダンスを始めましたが、自分が思うようにうまくできなかったのだと思います。
・苦手なことをやりたがらない
発達凸凹の子どもたちは、苦手なことへの拒絶感が強い子も多く、「やってみたけど、興味が持てない」、「上手くならない」、「面白くない」となると「もうやりたくない!」となってしまいます。
②先生との相性
繊細な気質を持っていたり、聴覚過敏があったり、不安が強かったりするお子さんの場合、語気の強い先生や声が大きくて迫力のある先生などは「怖い」と感じるかもしれません。
③親の思い込み
子どもの習い事を嫌がり、続かないというお悩みの原因としては、親の思い込みというのもあるように思います。
私たち親世代は、「継続は力なり」、「すぐに辞めるのはよくない」と考えている方は多いのではないでしょうか。
『苦手でも嫌なことでも努力してできるようにすることが大切』と考え、自分の子どもたちもちょっとしたことでへこたれずに、苦手を克服してほしい!と思っている方もいらっしゃると思います。
ですが、こうした親の思いが強ければ強いほど、「習い事に行かせなければ!」と一生懸命になってしまい、その結果、子どもが癇癪を起こしてしまうなど、悩みも深いものになってしまいます。

4.子どもが習い事に「行きたくない」と言い始めた時のファーストステップ
子どもが習い事に「行きたくない」と言い始めたら、どのように対応するのが良いのでしょうか?
最初の一歩は、気持ちを受け止めることです。
「そっか、行きたくないんだね」と一言返してあげるだけで、子どもは「わかってもらえた」という安心感を得られます。
その上で、どうして行きたくないのかを聞いていきましょう。
うまく言葉にできない時は、ママがその気持ちを代弁してあげるのも一つの方法です。
そして、習い事に行けた時は「がんばったね!」と肯定の声をかけてあげると次につながります。
それでも繰り返し「行きたくない」というときは、思い切って休ませましょう。
もちろん、月謝も払っているのに「もったいないな…」と思う気持ちもすごくわかりますし、1つのことを継続する力や出来ないことを努力して克服する経験も大切です。
しかし、今の子どもに必要なのは『お家で充電する時間』かもしれません。
そう考えると、ママの心にも少し余裕が生まれますよ。
習い事を続ける中で、わが家でも試行錯誤がありました。
たとえば英語教室では、周囲の子よりスタートが遅かったため、学年が下の子どもたちと一緒に学んでいます。
先生からは同学年のクラスを勧められ、しばらく通いましたが、内容が難しく理解できないことにストレスを感じているようでした。
そこで思い切ってレベルを下げてもらったところ、安心して取り組めるようになり、楽しさを感じられるようになったのです。
このように、子どもの状況に合わせて環境を調整することが、前向きな学びにつながると実感しています。
習い事が続きやすくなる5つの工夫
子どもが習い事を続けやすくなるために、ママができる工夫をまとめました。
① 気持ちを受け止める
「行きたくない」という言葉を否定せず、まず受容することから始める。
② 言葉にできない思いを代弁する
「難しかったのかな?」「先生がちょっと怖かったかな?」など、子どもの気持ちを推測して言葉にしてあげる。
③ できたときに認める
行けたときや少しでも頑張れたときに「よくがんばったね」と声をかけ、肯定する。
④ 環境や先生を見直す
レベルや先生の指導スタイルが子どもに合っているかを確認し、必要なら変更を検討する。
⑤ 無理に続けない選択を持つ
「せっかく始めたんだから…」と力まず、合わなければ切り替える柔軟さを持つ。
こうした工夫をしたことで、実際に私の次女も今はバスケットボールを3年、英語教室を2年楽しみながら継続できています。
子どもが習い事を続けられないと不安になりますが、それは「合うものを探す途中」の大切なプロセスです。
この記事が、お子さんの習い事に悩むママの参考になれば幸いです。

執筆者: 中川 まさみ
発達科学コミュニケーション トレーナー