朝なかなか起きない子どもに手を焼いていませんか?特に不登校や登校しぶりのある子どもは、朝起きられないことが多いのではないでしょうか。この記事では、学校が苦手な子どもが朝起きられない理由と起きやすくする方法をご紹介します。
1.朝から子どもを起こすのに一苦労
子どもの寝起きが悪く、毎朝子どもを起こすことに苦労しているママはいませんか?
特に不登校や登校しぶりのあるような、学校が苦手なお子さんは、
・朝起きられない、または起きるのにとても時間がかかる
・起こそうとすると癇癪を起こしてしまう
・やっと起きてきても機嫌が悪くて、家の空気がどんより…
というようなことがよくあるのではないでしょうか?
毎朝のことに気持ちがすり減ってしまっているママも多いと思います。
学校の時間は待ってくれませんし、ママの心にも焦りや不安が募りますよね。

2.朝起きない子どもにイライラしていた過去
実は、私もそんなママの一人でした。
当時小学3年生で登校しぶりが悪化して不登校になってしまった次女は、平日の朝、何度起こしても起きられなくなってしまいました。
私自身も出勤の時間があるので何とかして起こそうとしますがなかなか起きません。
最初は優しく声をかけるのですが、だんだんこちらもイライラしてきて、そのうちに「早くおきて!いつまで寝てるの!」と言葉がだんだんキツくなっていきます。
そして、無理やり布団を引き剥がそうとすると子どもが癇癪を起こしてしまって状況は悪化…。
結局、起きてこずに実家の父母に対応をお願いして家を出るという日常に悩んでいました。
不登校の対応をするために仕事を辞めてからも、全然起きない娘にイライラ…。
学校には行けなくても昼夜逆転だけは避けたいと思い、必死に起こそうとしていました。

3.子どもが朝スムーズに起きられない理由
子どもが学校に行けなかったり、行きたがらなかったりして朝布団の中でグズグズとしていると、何だか「怠けている」とか「わがまま」なように思えるかもしれません。
しかし、それは、怠けているわけでもなく、わがままなわけでもありません。
不登校や登校しぶりのある子どもの中には、発達の特性や環境から朝起きることがとてもつらくなってしまうことがあるのです。
①学校が”辛い場所”になっている
発達に凸凹のある子どもや、発達障害グレーゾーンと呼ばれる子は、学校で「苦手」にたくさん直面します。
・授業についていけない
・集団の中での振る舞いがわからない
・周りと同じようにできず、注意された経験がある
こうした体験は、子どもの中で「学校=怖い・つらい場所」という記憶として残り、次第に登校へのストレスになっていきます。
そのストレスが心と体を疲れさせ、朝起きることさえ難しくなるのです。
②睡眠そのものに苦手さがある
発達の特性として、睡眠に関する悩みを抱えている子も少なくありません。
・ネガティブな記憶が強く残ってしまうため、不安で寝つきが悪い
・聴覚過敏があり、雨風の音やちょっとした物音で目が覚める
・自分の欲求(眠い・起きたくない)をコントロールするのが苦手
だから、夜はなかなか眠れず、朝も起きることがつらい…。
大人でも眠りが浅かった日や、ストレスが溜まった日には起きるのが嫌になりますよね。
子どもたちにとってはなおさらです。

4.憂鬱な朝を起きやすくする3つのテクニック
それでは、どうしたら子どもが少しでもスムーズに、心地よく朝を迎えられるのでしょうか?
ここでは、ママが今すぐできる「朝の声かけテクニック」を3つご紹介します。
①優しい声で、ゆっくりと、笑顔で起こす
「おはよう、〇〇ちゃん。朝だよ〜」
まずは、穏やかな声で語りかけてみてください。 できれば、少し微笑みながら。
寝ている子どもの横にそっと座って、優しく声をかけてあげましょう。
寝起きで脳も体もぼんやりしている状態のとき、焦らせる言葉や大きな声は逆効果です。
ママの優しい声は、子どもの安心感につながります。
②同じトーンで繰り返す(イライラは禁物!)
一度で起きてくれればいいのですが、なかなか一度では起きませんよね。
むしろ、なかなか布団から出てこない、無視される、機嫌が悪いということもあると思います。
でも、ここでママがヒートアップしてしまうと、子どもはもっと起きたくなくなります。
「早く起きてほしい」という気持ちはグッとこらえて、感情の波を抑えながら、「〇〇ちゃん、おはよう。朝だよ〜」と同じトーンで声をかけましょう。
③起きてきた時のお楽しみを準備する
「起きたら好きなパンがあるよ〜」
「今日の朝は〇〇の曲、流してるよ〜」
子どもが「起きたいな」と思えるようなお楽しみを、朝に準備してみましょう。
脳はご褒美が大好きです。
ほんの小さな「楽しみ」がモチベーションになり、ストレスいっぱいの朝が少し楽しいものになりますよ。
こうしたテクニックを実践したところ、それまでと比べるとスムーズに起きられる日が増えました。
そして何よりも、布団の中で癇癪を起こすことが激減しました!
毎朝起きるのがつらい子どもさんが、穏やかな1日をスタートできるよう、ぜひ試してみてくださいね!

執筆者:中川 まさみ
発達科学コミュニケーション トレーナー





