小1で気に入らないと癇癪になる娘。 私が「無視」で対応をした結果、二次障害といわれる状態に近づいてしまいました。 体験を通して、無視とスルーの違い、癇癪を和らげる正しい対応法を紹介します。
1.小1で気に入らないと癇癪になる子どもに悩むママへ
ちょっと気に入らないことがあると、すぐに癇癪になる。
「どう対応したらいいのかわからない…」
そんな悩みを抱えていませんか?
私の娘もそうでした。
ほんの少しでも思い通りにならないと泣き叫び、物を投げ、暴言を吐く。
どう対応していいかわからず、最後には「無視するしかない」と思い込んでしまいました。
しかし、その対応は大きな代償を生みました。
娘は笑顔を失い、心も体も疲れ切ってしまったのです。
この記事では、私の体験をもとに「癇癪対応でやってはいけないこと」と「今日からできる対応法」をお伝えします。

2.癇癪対応を無視して悪化…小1娘が二次的困りごとに陥った体験談
娘は幼いころから「自分の思い通りにならないこと」に耐えられない特性がありました。
・コップの位置が違うと泣き叫ぶ
・絵本を読むときの手の角度が気に入らないと「違う!」とやり直しを迫る
・自転車のベルトが少しズレただけでパニック
こうしたこだわりは年長になるとさらに強くなり、癇癪は日常茶飯事に。
「もうママなんて嫌い!」「やり直せ!」と無理難題を突きつけられる日々。
私はどう対応していいかわからず、途方に暮れていました。
そして、ついに「もう無視するしかない」と自己流で突き放してしまったのです。
その結果、娘は次第に変わっていきました。
・朝になると「お腹が痛い」と言い、登校を渋る
・表情が乏しく、笑顔が消えた
・暴言や暴力が激しくなった
・就寝までに3時間以上かかるルーティンに固執し、崩れると大荒れ
後から振り返ってみると、二次障害といわれる状態に近づいていたのだと思います。
私の「無視」という対応が、娘をさらに追い詰めてしまったのです。

3.小1の癇癪はなぜ起こる?声が届きにくい理由と「無視」と「スルー」の違い
ではなぜ、子どもは癇癪を起こすのでしょうか?
背景には、脳の発達段階による影響があると考えられています。
・感情系の脳:不安や怒りがすぐに高まる
・思考系の脳:状況を整理し解決策を考える力が弱い
このバランスがとれていないため、「思い通りにならない状況」に直面すると自分では対処できず、爆発してしまうのです。
ここで「無視」をすると…
・「自分の気持ちは誰にも理解されない」と感じる
・不安や孤独が募り、心が不安定になる
・不登校、体調不良、暴力など二次障害に発展する
「無視すれば落ち着く」というのは一見ラクな方法ですが、子どもの心には「置き去りにされた」という深い傷を残してしまいます。
無視とスルーはちがう
ここで大切なのは、「無視」と「スルー」を区別することです。
無視 …子どもの存在や気持ちごと切り捨てること
スルー …癇癪そのものには反応せず、落ち着いた後に「できた行動」に注目を戻す関わり方
例えば、癇癪の最中に「ママなんか大嫌い!」と叫ばれても、「そんなこと言わないで!」と正面から受け止める必要はありません。
無視だと → 「ママは自分を見てくれない」という不安につながる
スルーだと → 「気持ちは受け止めてもらえた」と安心し、落ち着きやすくなる
つまり、存在は認めながら、否定的な言葉や態度に振り回されないこと。
これが「スルー」であり、癇癪対応の大切なポイントなのです。

4.発達科学コミュニケーションで学んだディスタンシングの3ステップ
では、どうやって「スルー」をすればいいのでしょうか。
発達科学コミュニケーションでは、この関わり方をディスタンシングといいます。
難しく聞こえるかもしれませんが、やることはとてもシンプルです。
① まず、言い返さない
「ママなんか大嫌い!」「もうやらない!」 そんな言葉が飛んできても、正そうとしなくて大丈夫です。
今は、話し合う時間ではありません。
まずは安全を確保し、感情が落ち着くのを待ちます。
② 表情と声を変えない
怒った顔にならない。
声を強くしない。
できれば、少し小さめの声で、短い言葉だけ。
感情の火に、空気を送らないことが大切です。
③ 少し落ち着いた瞬間を待つ
泣き声が弱くなった。
立ち上がった。
視線が戻ってきた。
その「ほんの少し」の変化を見逃さず、「立てたね」「今、止まれたね」とできた行動を短く伝えましょう。
ディスタンシングは、子どもを無視することではありません。
感情の嵐に一緒に入らないこと。
そして、落ち着いた後に安心の接点を作ること。
それが、癇癪を長引かせないコツです。

5.安心の積み重ねが、二次的な困りごとを遠ざける
発達科学コミュニケーションを取り入れてから、娘には変化が表れました。
・「お腹が痛い」と言わなくなった
・暴言や暴力が減った
・就寝ルーティンが短縮され、家族の負担が減った
・表情が明るくなり、笑顔が戻った
もちろん、癇癪がゼロになったわけではありません。
けれど「ママは自分を理解してくれる」と思えるようになったことで、娘の心が安定してきて、二次的な困りごとが少しずつ落ち着いていったように思います。
私が伝えたいのはただ一つ。
「無視」は子どもをラクにするどころか、心を深く傷つけてしまうこともあります。
けれど「スルー」をしながら、穏やかに声をかけ、できた瞬間をすぐ褒める。
その積み重ねが、「わかってもらえた」という安心につながります。
安心が増えると、子どもの心の緊張も緩み、自分の感情を立て直す力を育てていくことができます。
それが、二次的な困りごとへ広がっていくのを防ぐ土台になっていくと、私は感じています。
今日からできる小さな一歩として、
・感情が強いときは言い返さない
・表情と声を変えない
・落ち着いた“瞬間”を見つけて、できた行動を伝える
この3つを、ぜひ試してみてください。
きっと、あなたのお子さんにも変化が訪れるはずです。

執筆者: かさい さち
発達科学コミュニケーション トレーナー




