運動会や発表会の練習が始まるたび行きしぶっていた子ども。不安が強く完璧主義な子どもに対し、「できるようにさせる関わり」をやめて、「安心できる関わり」を積み重ねていくことで変化がみられました。
1.行事前、不安の強い子どもに「大丈夫だよ」は逆効果?
幼稚園や学校では、参観や運動会、発表会などいろんな行事があります。
子どもの成長を見れるいい機会でもありますが、不安の強い子にとっては、みんなと同じように練習することや、いつもと違う環境に戸惑いを感じてしまうことがあります。
その結果、練習が始まるころから不安が膨らんで、登園しぶりや、登校拒否につながってしまうこともあります。
そんな子どもの様子をみて、「大丈夫だよ」「できるようになるよ」と励ましてみても、かえって子どもの不安を強くしてしまい、どうしたらいいんだろうと悩むことはありませんか?
子ども自身も、不安な気持ちをうまく表現することはまだ難しく、「なんとなくイヤ」「行きたくない」としか表現できないことがあります。
そして、幼稚園や学校ではとてもがんばって過ごしていることも多く、先生からは「問題なく過ごしています」と言われることも少なくありません。
だからこそ、家でどのように関わるかが、子どもの安心に大きく影響していきます。

2.息子は行事があるたびに、行きしぶっていました
私には、不安が強い小学1年生の息子がいます。
幼稚園の頃から、発表会や運動会などの行事の練習が始まるたびに、登園しぶりや登校拒否をしてきました。
小学校に入学し、冬休み明けの授業参観。
歌の歌詞を手話で表して、みんなで一緒に歌うという練習が始まりました。
最初は「手話が覚えられない」「むずかしい」という言葉に「一緒に練習しようか?」と声をかけ励ましていました。
ですが、息子には「当日まではママには内緒にしたい」という気持ちがあったようで、それ以上何も言わなくなりました。
今までの経験から、しつこく声をかけるのもプレッシャーになるかなと思い、私はあえて触れずに様子を見るようにしました。
けれども、状況はよくならずにだんだんと「今日は行きたくない」と毎朝行きしぶるようになり、どうしても学校に行けずお休みする日も増えてきました。
「息子のことはよくわかっているはずだったのに、どう関わればよかったんだろう」
と私自身も反省しながら振り返ったとき、言葉にはできないけれど、たくさんの不安を感じていたこと、毎日緊張やプレッシャーの中でがんばってきたことに気づきました。

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3.不安が強い子には「できていないこと」より「できていること」に目を向ける
発達障害やグレーゾーンの子どもの中には、聴覚や視覚が敏感な子どもがいます。
息子は、家でかるく注意しただけでも「すごく怒られた」とおおげさにとらえることがよくありました。
行事の練習では、練習した成果を当日発揮できるように、先生たちにも力が入ります。
やさしい先生でもみんなに届くようにいつもより大きな声で話したり、叱ったりすることもあるでしょう。
表情もいつもより真剣になることで怖く見えてしまい、さらに緊張やプレッシャーを感じやすくなることもあります。
子どもにとって、否定的な言動は、肯定的な言動よりも強く印象に残りやすいと言われています。
そして、不安の強い子どもは、完璧主義で「できていないこと」や「失敗するかもしれないこと」に意識が向きやすくなります。
そして実は、「大丈夫だよ」「できるよ」という励ましも、子どもによっては「まだできていない自分」に意識を向けるきっかけになってしまいます。
一方で、触れないように様子を見るだけでは、子どもの中にある不安はそのまま残り続けてしまいます。
だからこそ、大切なのは、「できていないこと」に目を向ける関わりではなく、家では「できていること」に目を向けて安心を積み重ねることです。

4.自然と子どもが変化できるようになるママの関わり
そこで私は「できるようにさせる関わり」から「安心を積み重ねる関わり」に切り替えました。
♦1.肯定的な声かけをする
肯定的というのは褒めることだけではありません。
子どもに目を向け、感謝したり、関心を寄せたりいろんな声かけがあります。
「ごはんたくさん食べたね」「歯を磨けたね」 といったように、できていることを伝えるようにしました。
すると子どもの中で、「できていない自分」ではなく「できている自分」に意識が向きやすくなり、少しずつ安心した表情がみられるようになりました。
♦2.安心が伝わる関わりを意識する
声かけだけではなく、日常の中で「安心が伝わる関わり」も意識しました。
例えば、
・笑顔で過ごす
・スキンシップを増やす
・子どもの気持ちをそのまま受け止める
といったことです。
子どもの脳は、言葉だけでなく、表情や声のトーン、触れられる感覚などからでも安心かどうかを感じ取っています。
だからこそ「大丈夫にさせよう」とするよりも「安心できる状態をつくる」ことを大切にしました。
こうしたかかわりを続けていくと、自信がつき自然と気持ちを切り替えて、登校することができるようになりました。
もし、ママが不安なら、学校の先生に子どもさんの状況をお伝えすることもいいかもしれません。
できない事はだめなことではありません。
ちょっとしたママのかかわり方で、子どもの行動も変化するきっかけにもなるのです。

執筆者:もりやま おりえ
発達科学コミュニケーション アンバサダー





