1.夏休み中、子どもにイライラしてしまうママへ
長い夏休み。朝から晩まで子どもと一緒の時間が続き、ママの心も体も休まる間がありませんよね。
気がつけば毎日こんなことを思っていませんか?
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なんでこんなにゲームばっかりしてるの?
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早く宿題やってよ!
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また夜更かし!?朝はちゃんと起きて!
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こっちは忙しいのに全然手伝ってくれない…
口にしたくないのに、ついイライラが溜まって怒ってしまう…。そして後から自己嫌悪…。
夏休みは、ママにとって“自由時間ゼロ”の過酷なシーズンとも言えます。
けれど一方で、子どもにとっては「学校に行かなくていい」「苦手な集団生活がない」ことから、ストレスが少なく過ごしやすい貴重な期間でもあるのです。
この矛盾の中で、「ママのイライラ」と「子どものマイペース」がぶつかってしまうことが、夏休みの難しさの正体なのかもしれません。
しかし、実はこの夏休みこそ、親子にとって成長のチャンスになる時間でもあります。
ママの関わり方次第で、子どもが変わる。
この記事では、そんな「夏休みの家庭の過ごし方」について、「褒めて育てる」視点から考えてみましょう。
2.「褒めて育てる」がなぜ今、必要なのか?
「褒めて育てるなんて、甘やかしじゃないの?」
「褒められないと何もしない子になるって聞いたけど…」
そんな不安の声を耳にすることもあります。
確かに、褒め方を間違えると逆効果になることもあります。
しかし、「子どもを肯定する」という意味での“本当の褒め育て”は、子どもにとって大きな安心と自信につながります。
特に
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不安が強い
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学校に馴染めない
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自己肯定感が低い
そんなタイプの子どもにこそ、親の肯定的な関わりが不可欠です。
子どもは「自分は認められている」と感じられたときに、初めて自ら行動しようとする力が湧いてきます。
だからこそ、夏休みという日常から少し距離を置ける時期に「褒めて育てる」関わりを実践してみる価値があるのです。
3.間違った褒め方が子どものやる気を奪ってしまうことも…
結果だけを見て「すごいね!」「できたね!」と言っても、実は子どもには響きません。
子ども自身が「できた!」と納得していないのに褒められると、こんなふうに感じてしまうことがあります。
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本当はうまくいかなかったのに…どうして褒められるの?
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なんだかムリに褒められてる気がする…
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褒められたけど、ちっとも嬉しくない…
これは、親が「褒める=結果に対しての評価」と捉えていることが原因です。
褒め育てで大切なのは、結果ではなく“過程”と“存在”に注目すること。
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がんばろうとしていた
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前より少し早く取り組めた
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最初の一歩を踏み出した
このような過程を見つけ、言葉にして伝えることで、子どもは「見ていてくれるんだ」と安心し、次の行動へつながっていくのです。

4.夏休みは“おうちで自信を育てる”チャンス
学校での困りごと、例えば、登校しぶりや教室内での不安、先生や友達との関係に悩んでいる子には、「学校で何とかする」よりも、家庭で土台を整えることが大切です。
ではどうすればいいのでしょうか?
それは、子どもの「できた!」を家庭で積み重ねることです。
「できた」を重ねると、子どもの中で“自信”が育ちます。
自信が育つと、行動が変わります。行動が変わると、脳が成長します。
つまり、家庭での関わりひとつで、子どもの心と体が変わっていくのです。
夏休みのように、毎日子どもと一緒にいられる時期は、その「自信づくり」にぴったりな期間。
だからこそ、ママが「肯定の関わり」を意識して過ごすことが、2学期以降の変化につながります。
「褒める=肯定する」具体的な声かけテクニック
褒める=「すごい!」「えらい!」だけではありません。
子どもの行動や存在を認める“肯定”の声かけには、いろんなバリエーションがあります。
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実況中継:「自分で着替えてるんだね」
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感謝:「お皿を下げてくれてありがとう」
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共感:「その気持ち、よくわかるよ」
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驚き:「わあ!こんなにブロック積んだの?」
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同意:「うん、それって面白そうだね」
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興味:「そのゲーム、どんなところが好き?」
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励まし:「あともう少しで終わるね、がんばってるね」
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スキンシップ:「ぎゅーしていい?大好きだよ」
このように、肯定の形は多様です。
「褒めることが見つからない…」というときも、実況中継や共感など、ちょっとした声かけから始めてみてください。
5.褒めすぎなんてない!夏休み限定「褒め育て週間」を始めよう!
「褒めすぎたらワガママになるのでは?」と思うかもしれませんが、否定よりも肯定が圧倒的に少ない現代だからこそ、“意識して褒める”ことが必要なのです。
おすすめの目安は、「肯定8:否定2」。
不安が強い子、反抗的な態度が目立つ子ほど、「肯定9:否定1」や「肯定10:否定0」にしてもいいくらいです。
これは一生続ける必要はありません。
せめて夏休みの間だけでも、「褒め週間」を設けて集中的に関わってみてください。
1週間続けるだけでも、子どもの表情や行動に少しずつ変化が見えてきます。
ママがイライラしてしまうのは、「がんばっているから」。
決してダメなママだからではありません。
でも、そのイライラのエネルギーを「褒めて・育てる」方向に少しだけ向けると、子どもも変わり、ママ自身の気持ちも少しずつ軽くなっていきます。
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結果ではなく過程を見つけて
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肯定の言葉を増やして
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子どもと一緒に「できた!」を喜ぶ
そんな夏休みが、子どもにとっても、ママにとっても、かけがえのない時間になるはずです。
さあ、今日から「褒め育て週間」を始めてみませんか?
“夏休みのママのイライラ”が、“子どもの笑顔”に変わっていきますように。