外に出た瞬間、「眩しい!」「暑い!」と泣いたり不機嫌になるお子さんに悩んでいませんか?この記事では、HSP・ASD傾向の子に見られる感覚過敏と不安の関係、安心感を育てる関わり方をお伝えします。
1.外に出るとすぐ不機嫌になる子ども
外出のたびに「眩しい!」「暑い!」と泣き出してしまう…。
そんなお子さんの様子に、戸惑ったことはありませんか?
- 外に出た途端に不機嫌になったり、泣いてしまう
- 日光や風の刺激に敏感で、外出がストレスになっている
- ママがどんなに優しく声をかけても落ち着かない
「外出先が涼しい屋内なら大丈夫かな」
「ハンディファンを持って行けば落ち着くかな」
そんなふうに先回りして準備して出かけても、結局子どもは不機嫌になってしまう。
お出かけが楽しい時間ではなく、ただ気を張って過ごすだけの疲れる時間になってしまうこともありますよね。
私の娘もまさにこのタイプでした。
「行きたくない」「まぶしい」「暑い」と言って玄関で泣く日々。
出かけるたびにトラブルになり、外に出るのが怖くなった時期もありました。

2.不安や環境の変化で過敏さが強く出ていた娘の様子
娘は小学校入学後、自閉スペクトラム症(ASD)傾向があると診断されました。
もともと感覚にとても敏感で、光・音・温度の変化に強く反応する子でした。
不安が高まる時期には、特にその過敏さが強まりました。
外に出た瞬間「眩しい!」「暑い!」と叫び、顔をしかめて帰りたがる。
そんな娘の様子に、 私は「みんな同じだよ」「我慢しなさい」と言ってしまうこともありました。
当時は
「慣れれば大丈夫」
「少し頑張ればできるはず」
そんな思いが、私の中にあったのだと思います。
でも実際には、その関わりは娘の不安をさらに大きくしてしまっていました。
また、小学校入学という環境の変化も重なり、新しい場所や人間関係への不安やストレスが強くなっていた時期でもありました。
そうしたいくつかの要因が重なったことで、もともとの感覚の敏感さが、より強く表に出ていたのかもしれません。
あの頃の私は、娘の行動を「困りごと」として何とかしようとしていましたが、今振り返ると、それは「不安のサイン」だったのだと気づきました。

3.HSP・ASDの子どもに見られる感覚過敏と不安の関係
「感覚過敏」は、ASDの子だけでなく、HSP(ひといちばい繊細な人)の気質を持つ子にも見られる特徴の一つです。
- 光や音、温度などの刺激を強く感じやすい
- 周囲の感情に敏感に反応する
- 不安や緊張が高まると、刺激をさらに強く感じる
という傾向があります。
つまり、「眩しい」「暑い」という言葉は、もともとの感覚の敏感さに加えて、不安やストレスによってつらさが強く表に出ているサインとも言えます。
安心しているときは刺激を受け流しやすくなりますが、不安や緊張で心がいっぱいになっているときは、同じ光や音でも「耐えられない刺激」として感じやすくなるのです。
そのため、「まぶしい」「暑い」と訴える場面では、感覚そのものだけでなく、その背景にある『不安の状態』にも目を向けることが大切です。
不安がやわらぎ、安心して過ごせるようになると、同じ刺激でも少しずつ受け止められるようになり、結果として感覚過敏の反応もやわらいでいくことがあります。

4.「つらい」を受け止め、できている行動に注目する関わり方
娘の反応を「困りごと」ではなく「サイン」として受け止めよう。
そう決めてから、私は関わり方を変えました。
以前は
「また言ってるの?」
「大げさだよ」
「これくらい我慢しなさい」
と伝えてしまうこともありましたが、今はまず娘の感じていることをそのまま受け取ることを意識しました。
「眩しいんだね」
「暑いからつらいね」
と、感じていることに言葉を添えるようにしました 。
そしてもう一つ意識したのが、「できている行動」に目を向けることです。
「暑そうだなと思いながらも外に出られたね」
「今日は太陽が眩しかったけど、公園に行けたね」
そんなふうに、うまくいっている部分を見つけて伝えるようにしました。
その上で、「木陰に行こうか」「帽子をかぶろう」と、無理にやらせるのではなく対策を一緒に考える仲間として寄り添うようにしました。
完璧にできていなくても、その中にある「できている部分」に注目していくことで、少しずつ安心して外に出られる時間が増えていきました。

5.安心が増えると、感覚過敏の感じ方は変わっていく
少しずつ、娘は自分で感覚に対処できるようになっていきました。
「帽子かぶる」「影に行く」と自分から工夫する姿が増え、「まぶしい・暑い」と泣くことも激減しました。
感覚過敏そのものが“なくなる”わけではありません。
しかし、不安や緊張がやわらぎ安心が増えることで、同じ刺激でも受け止め方は少しずつ変わっていきます。
実際、私の娘も「つらくて耐えられないもの」だった刺激が、「工夫すれば過ごせるもの」へと、少しずつ変わっていきました。
私自身も、娘の「困りごと」に対して「どうしてできないの?」ではなく、「どうすれば楽になるかな?」と声をかけられるようになりました。
その小さな変化の積み重ねが、娘の不安を和らげ、結果的に感覚のつらさも軽くなっていきました。
HSPの子は、発達障害ではなくても感じ方の敏感さがあるため、環境や人の感情の影響を受けやすいと言われています 。
だからこそ、
- 静かな環境を整える
- 共感を優先する声かけを意識する
- 無理に克服させようとせず、「安心できる選択肢」を与える
といった工夫が、安心感を育てる鍵になります。
「過敏さ=弱さ」ではなく、感じ取る力として大切に育てていくことで、子どもは自分らしさを発揮できるようになります。

執筆者:かさい さち
発達科学コミュニケーション アンバサアダー





