学校が苦手で休みがち。充電期間は過ぎたけれど、家で勉強するパワーはまだなさそう…。そんな日は、おうちで「脳を育てる時間」をつくってみませんか?学校が苦手な子に料理をおすすめする理由と、家庭でできる関わり方をご紹介します。
1.学校が苦手な子に料理がおすすめな理由|おうちで脳を育てる時間になる
学校が苦手な子どもは、学校という環境の中で、人間関係や集団生活、勉強などにたくさんのエネルギーを使っています。
そのため、学校をお休みしている間、
「家で何をして過ごしたらいいの?」
「勉強はまだ難しそうだけれど、このままで大丈夫かな…」
と悩む方も多いのではないでしょうか。
実は、学校をお休みしている間も、子どもの脳は毎日の経験の中で発達を続けています。
だからこそ、無理に勉強をさせようとするのではなく、おうちで脳をたくさん使える経験を積み重ねることも大切です。
その一つとしておすすめしたいのが「料理」です。
◆料理は五感をたっぷり使う活動
料理では、
- 野菜の色を見る(視覚)
- 焼ける音を聞く(聴覚)
- 食材や料理の香りを感じる(嗅覚)
- 野菜やお肉、生地などを触る(触覚)
- 味見をする(味覚)
など、五感をたくさん使います。
さらに、
- どんな料理を作るか考える
- 材料をそろえる
- 手順を確認する
- 火加減を見ながら次の作業を進める
といったように、見通しを立てたり、順番を考えたりしながら進める場面もたくさんあります。
また、「今日は何を作ろう?」「この材料なら別の料理にもできそう」「少し味付けを変えてみようかな」と考えることは、創造力を働かせる機会にもなります。
食材や調味料を組み合わせながら、自分なりに工夫する楽しさを味わえるのも、料理ならではの魅力です。
家庭で楽しみながら、自然と脳をたくさん使える活動なのです。
◆「できた!」を積み重ねやすい
料理には、小さな成功体験がたくさんあります。
- 野菜を洗えた
- 包丁で切れた
- 卵を割れた
- 炒められた
- 盛り付けができた
- 最後まで完成できた
このように、一つひとつの工程で「できた!」を積み重ねることができます。
完成した料理を目の前にすると、「自分で作れた!」という達成感も味わいやすく、自信につながる経験になります。
◆料理は「褒めポイント」がたくさんある活動
料理には、
「料理をしようと思った」
「材料を準備した」
「包丁で切れた」
「最後まで作れた」
など、一つの活動の中にたくさんの小さな行動があります。
発達科学コミュニケーションでは、このような子どもの行動に具体的な肯定を届けることを大切にしています。
さらに、できあがった料理を家族が食べることで、「おいしい!」「作ってくれて助かったよ」という感謝や喜びも自然と伝えられます。
子どもにとって、自分の行動が誰かの役に立ち、喜んでもらえたという経験は、大きな自信につながります。
料理は、脳をたくさん使いながら、小さな「できた」と家族からの肯定を積み重ねられる活動です。
だからこそ、学校をお休みした日に、おうちで過ごす時間にもぴったりなのです。
次に、実際にわが家で息子が料理に挑戦するようになったきっかけをご紹介します。

2.給食を食べない日は自分で作る!料理男子になった息子
わが家の息子は小2の春に登校しぶりがはじまりました。
ついには一人で学校に行けなくなり、母子登校を開始。
私が学校へ付き添う日々となりました。
それでも苦手な行事や授業が続く日は、学校に行きづらくなる息子。
学校をお休みする日もあります。
お休みをしない日も給食を食べるか食べないかは、当日そのときになってみないとわからず、初めのころは朝、家に息子のお弁当を準備して付き添い登校をしていました。
お弁当を食べずにすむ日は給食を食べられたということ。
けれど、仕事をしながら家事・育児と付き添い登校を続けるためには、少しでも家事を減らしたい気持ちもありました。
そこで考え、息子に提案したのが、『給食を食べられなかった日は、自分でお昼ごはんをつくる』 こと。
もともと料理の手伝いは嫌がらずにしていた息子からは、「やってみようかな」と前向きな返事が。
はじめは前日のおかずを冷蔵庫から出して、電子レンジであたためるだけのところからスタート。
包丁で切る、フライパンで調理をするなど、はじめて挑戦する工程は、まずは仕事終わりの夕食でチャレンジしてから、お昼にひとりでできるように練習しました。
そんな息子。
今では冷蔵庫をあけ、そのときにある材料で「何つくろっかな〜」と自分で献立を考えて昼ごはんをつくって食べられるように。
在宅勤務中、残業が長引いてしまうときには「ママまだ仕事だよね?俺、おなかすき過ぎて待てないから、適当につくっていい?」なんていうこともあります。
はじめのうちは練習に時間がかかったり、作っている途中に何度も確認されたりと、大変なこともありましたが、長期的に見るとできるようになったことがぐんと増えて、今では大助かり。
学校に行きづらくなってからの方が、息子の生活能力は格段にあがりました。

3.料理は『褒め』ポイントの宝庫!工程ごとに「できた!」を届ける声かけ例
お子さんが料理をしたことを『褒めましょう』と言われると、
「おいしかったよ!」
「ありがとう!」
「1人でできてすごいね!」
など、料理を作り終わったあとの『褒め』を想像しますよね?
作り終わったあとの『褒め』はもちろん大切。
ですが、これだけではもったいない!
料理には工程ごとに『褒めポイント』がたくさんある『褒めの宝庫』なのです。
以下に工程ごとの『褒め』事例をご紹介します。
ぜひ活用してみてくださいね。
◆お子さんが料理をしよう!という気持ちになったら
まずはお子さんが「料理をしよう」と思ったことが『褒め』ポイント。
「えっ!料理してくれるの?」
「自分のごはんを作ってくれるなんて、お母さんすごく助かる!」
とお子さんの「やろうとしている気持ち」を褒めることができます。
◆献立を考え、材料をそろえられたら
「わぁ、それはおいしそうなメニューだね」
「材料、バッチリそろえられたね!」
と「メニューを自分で考えられたこと」「準備ができたこと」が『褒め』ポイントです。
◆料理中
ここは『褒め』ポイントがあふれています。
たとえば、軽量カップで材料を量れたとき。
「すごい!あっという間に暗算できたってことだよ!」
材料を切っているとき。
「丁寧に切ってるね〜。作業を丁寧にできることって、とっても強みなんだよ」
など、それぞれの工程を褒めると効果的です。
◆失敗した時
実はここにも『褒め』ポイントがあふれています。
学校が苦手、とくに不安が強いお子さんは、失敗を恐れて行動を控えてしまう傾向があります。
ですが、料理は失敗してもリカバリーしやすい!
「間違って切っちゃった!」
→「全然問題なし!口に入ったら同じだし、細かい方が食べやすいよ!」
「おしょうゆ入れすぎちゃった!」
→「大丈夫。しょっぱかったら、お湯を足せば薄まるよ」
など、失敗経験をたくさん積むことで 「失敗しても大丈夫なんだ」 と思えるように。
このように、学校が苦手なお子さんが家で料理をすることにはたくさんのメリットがあります。
学校をお休みしてしまった日はぜひ、お子さんに料理をすすめてみてくださいね。

執筆者:永瀬 未歩
発達科学コミュニケーション トレーナー




