不安が強く学校が苦手で、ママにべったりだった息子。母子登校を続ける中で、私が声かけを変えたことで、少しずつ自分から「やってみよう」と一歩を踏み出せるようになりました。息子の背中をそっと後押しした、わが家の体験をご紹介します。
1.登校しぶりからはじまった息子の母子分離不安
わが家の息子は、小2の春に登校しぶりがはじまりました。
そして、同時期にはじまった息子の『ママママ攻撃』。
「ママ、トイレに一緒についてきて」
「ママがやって」
「ママどこに行くの⁈行かないで‼︎」
それまで1人で出来ていたことも出来なくなり、私が息子から少しでも離れようとすると、大泣きしながら後をついてくるような状況でした。
1人では学校にも行けない。
ママから離れることもできない。
なんとか学校へ行かせるためにはじめた、息子の学校への付き添い登校でした。
ところが息子は学校でも、少しでも私の姿が見えなくなると、
「ママ!どこに行くの⁈行っちゃダメ‼︎」
とパニック状態に。
日中は、私がトイレにも行けないほどでした。
仕事、家事、息子の付き添い登校。
家の中でも続く『ママママ攻撃』。
「もう限界!」
「このままでは私もおかしくなってしまう!」
なんとか解決策を探したくて、毎晩ネットで情報を検索する日々でした。
『登校しぶり』
『付き添い登校』
『ママにべったり』
そんなキーワードで検索をしていくうちに、発達科学コミュニケーション(発コミュ)マスタートレーナーのいたがきひまりさんのInstagramにたどり着きました。
そこではじめて知った『母子分離不安』という言葉。
紹介されている内容の多くが、当時の息子の様子と重なっていました。

2.母子登校のピンチをチャンスに!息子へ効果があった褒め方
当時の息子は不安が強く、新しいことへの挑戦が苦手でした。
1人では学校へ行くことも出来なくなり、朝から下校まで、終日の母子登校を開始しました。
発コミュに出会った私は、この母子登校という状況を 「ピンチをチャンスに変えよう!」 と決め、息子へ肯定的な働きかけをスタートさせました。
そこで私がはじめたこと。
それは、母子登校だからこそ見つけられる、息子の小さな成長を言葉にして伝えることでした。
学校にずっと付き添っているからこそ、
「ここまで来られた」
「昨日より少し早かった」
「今日は自分から動けた」
という、ほんの小さな変化にも気づくことができます。
たとえば、昨日より3分早く学校に着けた日には、
朝 「昨日より校門まで3分早く来れたね」
放課後 「朝は3分早く登校できたね」
夜 「今日は3分早く登校できたよね〜」
と、小さな成長であっても、1日の中で何度も振り返って繰り返し伝えました。
子育てをしているとどうしても「出来ていないこと」を「出来るようにしなければ」と考えてしまいがちですよね。
そのため、
「あのときもこうだったじゃない!」
「いつもそうでしょ⁈」
など、過去のできなかったことまで遡って叱ってしまうこともあるかもしれません。
その一方で、お子さんが「出来ていること」ことは、当たり前のこととしてスルーしてしまいがちです。
だから私は、その逆をやってみることにしました。
できなかったことではなく、「できたこと」を過去に遡って何度も伝える。
そうやって繰り返し言葉にすることで、
「お母さんも自分もことをみていてくれているんだ!」
「俺、昨日より3分成長したんだ!」
と自分の「成功体験」に気づけるようになって行きました。
そして、「明日はもう1分早く行けるかも」 と次への1歩を踏み出すやる気もわいてくるようになったのです。
もちろん、毎日少しずつ前進したわけではありません。
変化がない日もあれば、昨日よりできなくなったように見える日もありました。
そんなときにも、
「今日は校門まで来れたね。昨日は廊下まで行けたもんね。頑張ってるよね。」
「今日、学校をお休みすることを自分で決められたね。昨日は朝から登校できたもんね。」
と、今日できたことと、これまでにできたことを繰り返し伝えました。
すると息子から、
「そっか、昨日は廊下まで行けたんだよね。……今日も行ってみようかな」
「今日は休むけど、明日はまた学校行く」
という言葉が出てくるようになりました。
私が「行きなさい」と背中を押さなくても、息子自身が自分の「できた」を振り返り、次にどうするかを考える場面が少しずつ増えていったのです。

3.不安が強い子の一歩を後押しする「安心」と勇気づけの声かけ
母子分離不安が強く、ママから離れられない子どもを見ていると、
「このままずっと私から離れられなかったらどうしよう…」
「甘えさせていたら、ますます1人でできなくなるのでは?」
と、お母さんも不安になりますよね。
すると、
「1人でやってみなよ!」
「自分で出来ないとこの先困るよ!」
「もう小学生なんだから!」
と突き放してしまうこともあるのではないでしょうか。
ですが、不安が強いときに無理に行動を促すと、かえってお子さんの不安をさらに強くすることがあります。
不安が強い子が一歩踏み出すために、まず大切にしたいのが「安心できること」です。
① まずは「ママは味方」と感じられる安心をつくる
ママから離れられないときに、無理に離そうとするのではなく、
「ママはここにいるよ」
「一緒にやろうか」
と、まずは安心できる関わりを増やしていきます。
お子さんが嫌がらなければ、抱きしめたり、手をつないだりするスキンシップも安心につながります。
「離れられないから、離す」のではなく、まずは安心してママを頼れる時間をつくっていきましょう。
わが家でも、まずは息子が安心できることを優先しました。
② 小さな「できた」を伝えて自信につなげる
安心できる関わりの中で、目次2でご紹介したように、子どもがすでにできていることや小さな成長を具体的に伝えていきます。
100%できるようになってからではなく、途中の小さな一歩も「できた」として伝えることがポイントです。
さらに、過去の「できた」も繰り返し伝えることで、「自分にもできる」という自信を少しずつ育てていきます。
そして、「やってみようかな」という気持ちが見えてきたら、次の一歩を後押しする勇気づけの声かけをしていきましょう。
③その子に合った「勇気づけ」で勇気づけスタート!
安心できる関わりと小さな「できた」を積み重ねながら、次の一歩を後押しする背中を押すママの声かけも取り入れていきましょう。
勇気づけの声かけには、大きく分けて「激励系」と「見守り系」の2つがあります。
激励系は文字通り、勢いよく背中を押すイメージの言葉です。
「行ってらっしゃい!」
「一緒に頑張ろう!」
「やってみよう!」
など、勢いをつけて背中を押すような声かけです。
一方、見守り系は、
「みんな味方だからね」
「すぐそばで待っているよ」
「いつでも戻ってきていいよ」
など、子どもがお母さんや仲間の存在を感じ、「大丈夫」と思えるような声かけがおすすめです。
どちらがよいかは、そのときの子どもの状態によって変わります。
特に不安が強く、まだ一歩踏み出すことにためらいがあるときには、勢いよく背中を押すよりも、「ママはここにいるよ」と伝わる見守り系の声かけの方が動き出しやすいことがあります。
反対に、少し自信がついて「やってみようかな」という気持ちが出ているときには、激励系の声かけが最後の一歩を後押ししてくれることもあります。
大切なのは、勇気づけの言葉だけで子どもを動かそうとしないことです。
安心できる関わりをつくる
↓
小さな「できた」を積み重ねる
↓
その子の状態に合った言葉で勇気づける
↓
自分から一歩踏み出す
この繰り返しが、子どもの「自分にもできるかもしれない」という自信につながっていきます。
そして「やってみようかな」が見えたときには、その子に合った勇気づけの言葉で、そっと背中を押してみてくださいね。

\“どう関わればいいか迷う”ママへ/
「待つ?手伝う?」と悩みやすい場面での関わり方を
不安が強い子が「自分でやる」を少しずつ増やしていく
視点と具体的な声かけにまとめました。
執筆者:永瀬 未歩
発達科学コミュニケーション トレーナー





