外ではいい子なのに家で癇癪…発達障害グレーゾーン?家で荒れる原因と3つの対応

外ではいい子なのに家で癇癪…発達障害グレーゾーン?家で荒れる原因と対応法
外ではいい子なのに家で癇癪・荒れるのは、発達障害グレーゾーンや不安気質、外での頑張りすぎが原因かも。家で爆発する理由と、今日からできる3つの対応を実例とともにわかりやすく解説します。
 
 
外ではいい子なのに、家では癇癪や暴れがひどい…。
 
そんなギャップに戸惑い、「うちの子、発達障害やグレーゾーンかもしれない?」と不安になるママはとても多いです。
 
結論から言うと、外で頑張りすぎている子ほど、家でストレスが爆発しやすくなります。
 
これは「わがまま」ではなく、外での緊張・発達特性・年齢による発達ギャップが重なって起こる、とても自然な反応です。
 
たとえば、保育園や学校で気を張って過ごし、家に帰ると一気に疲れが出て癇癪につながることがあります。
 
また、自閉スペクトラム症(ASD)グレーゾーンの特性や、不安の強さ、強いこだわりが影響しているケースも珍しくありません。
 
この記事では、「外ではいい子なのに家で荒れる」本当の理由と、今日から家庭でできる3つの対応を、実例をまじえて分かりやすくまとめました。
 
まずは、お子さんの特性や状況に気づくところから、一緒に整理していきましょう。
 
 

1.外ではいい子、家で癇癪を起こすわがまま息子の実例

外では我慢して“いい子”を演じていた息子が、家でだけ感情を爆発させていた体験です。
 
実は私もかつてとても心配になった一人です。
 
 
わが家の息子も外ではいい子だけど、家ではすぐ癇癪を起こし暴れまわる
 
 
そのうえ、わがまま放題でとても荒れていました。
 
 
思い通りにならないと、金切り声をあげてとにかく暴れる!の繰り返しです。
 
 
もう勘弁してほしい!!と思うことが何度もありました。
 
 
周りの人に相談しても、
 
「男の子なんてそんなもん!」
「大きくなれば落ち着くよ!」
 
と言われるばかりで、理解してもらえず辛い思いをしました。
 
 
なんでうちの子だけこんなに手がかかるんだろうと悩んでいました。
 
 
しかも、この大変さを誰にも分かってもらえない…。
 
 
なぜ理解してもらえないのか?
それは外ではいい子なので、家で本気で暴れて荒れている息子の姿を周りの人は想像しにくいから
 
 
さらに、当時は私自身も息子の特性を十分に理解できていませんでした。
 
 
しかしこれは「甘え」ではなく、安心できる場所だからこそ見せられるサインでもあります。
 
 
外で頑張りすぎている子ほど、家で感情を爆発させやすいのです。
 
 
泣く子供
 
 
外ではいい子、家では大暴れ…。
そのギャップの裏にある“脳のサイン”とは?
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2.外ではいい子だけど家で癇癪を起こしてしまう子どもの特性とは?

外で頑張りすぎるタイプの子ほど、安心できる家で緊張が切れ、癇癪として表れやすくなります。
 
同じ「外ではいい子なのに家で癇癪を起こす」でも、背景には年齢や特性の違いが関わってきます。
 
 
お子さんの年齢に合わせて、チェックしてみてくださいね。
 
 
◎年齢によって見え方が変わる「外ではいい子・家で癇癪」の特徴
 
●3歳前後
・自己主張が強くなり始める時期
・「ママにわかってほしい!」が癇癪として出やすい
・気持ちの切り替えがまだ難しい
 
●小学生
・学校で“がんばりすぎて”家に帰ると一気に爆発
・集団生活のストレスを家庭で吐き出しやすい
・ASDグレーゾーン特有の「指示理解の負荷」が増えてくる
 
●小学校高学年〜中学生
・「みんなと同じようにできない」と感じやすい時期
・自己否定やイライラが溜まり、暴言・暴力に発展することも
・思春期のホルモン変化+発達の凸凹が絡むことがある
 
年齢が違っても、根っこは“外で無理して頑張りすぎている”ことが多いのが特徴です。
お子さんの状況に当てはまるタイプを参考にしつつ、この記事の対応策もあわせて取り入れてみてくださいね。
 
より詳しく知りたい場合は、こちらの記事も参考になります👇
 
年齢にもよりますが幼い子どもの場合だと、家ではわがままやりたい放題というのは、自分の意見に気づき主張するようになった成長のあらわれと言えます。
 
 
しかし、7歳になって癇癪がひどくなった…、
小学校高学年になると家で癇癪が見られるようになった…、
 
などと年齢が上がって癇癪がひどくなっているケースは、何らかの原因が隠れている可能性があります。
 
 
その原因の一例を紹介していきます。
 
 

♦①子どもの発達特性が関係している場合

 
 
私の息子は小さい時から不安が強く、小学4年生の時に母子分離不安になりました。
それから母子登校・付き添い登校も経験しました。
 
 
保育園時代にも母子分離ができず、登園させることにとても苦労していたのを覚えています。
 
 
当時も育てにくさをとても感じていましたが、第一子ということもありこんなものかもしれないと思っていました。
 
 
しかし振り返ってみると生まれもった不安気質が影響していたのかもしれません
 
 
「子どもの様子が心配…うちの子も母子分離不安かも?」と思ったときは、チェックリストや家庭でできる対応策がまとまった記事も参考にしてみてください。
 
 
また、息子は同じく4年生の頃に、医療機関でASDグレーゾーンと伝えられています。
 
 
ASDの特性として、人間関係の苦手さや、コミュニケーションの苦手さがあります。
 
 
子どもは、その苦手さから外ではギリギリのところで一生懸命にやっているのに、家に帰ってくるとお母さんからは
 
 
「宿題はしたの?」
「早くご飯食べて!」
「早く明日の準備して!」
「早く寝なさい!」
 
 
と言われると、もう「イヤだー!」となりキャパオーバーになってしまい癇癪を起こしてしまうというわけです。
 
 
わが子のように生まれ持った気質や発達障害・自閉症スペクトラム症のグレーゾーンの特性が関係して家の中での癇癪に繋がってしまうこともあります。
 
 
ASD
 
 

♦②強いこだわりが原因の場合

 
 
発達障害・グレーゾーンの子どもの場合、特性として強いこだわりを持っている子どももいます。
 
 
そのような子どもは、こだわりの対象が物から人へと移る場合があります。
 
 
小さい時はおもちゃなどの物がうまく動かない時に起こしていた癇癪が、年齢があがってくるとその対象が人へと移ってしまうことがあるのです。
 
 
その対象になりやすいのが一番身近にいる母親です。
 
 
子どもが思うようにお母さんが動いていなかったり、自分の思うようなタイミングでお母さんから返事がないなどがあると、その度に癇癪を起こしてしまい止まらなくなってしまうことがあります。
 
 
だから、お母さんへの強いこだわりを持っているお子さんは、家の中で癇癪を起こしてしまうケースがあるのです。
 
 

♦③見過ごされやすい発達障害・グレーゾーンの影響

 
 
小学校高学年から中学生頃に、外ではいい子なのに家だけ暴言・暴力、暴れるなどが増えたと感じた場合、背景には発達による原因があるかもしれません。
 
 
比較的年齢が上がってから癇癪が見られるようになったお子さんは、ある程度の事は頑張ればできてしまうので、何とか適応しながら生活を送っていましたが、
 
他者との比較ができるような年齢になってくると、「皆と同じようにできない!」とイライラやモヤモヤが爆発してしまうことがあります。
 
 
恐らく今までも簡単にできていたのではなく、子どもにとってはかなり努力しながら周りに付いていっていたり、合わせていたのでしょう。
 
 
それが、「もうこれ以上はできない!」と限界を迎えてしまうことで癇癪を引き起こしてしまいます。
 
 
脳の発達に凸凹があることで、今までのように適応していくことが難しくなっていると考えられます。
 
 
つまり発達障害の可能性も考えてお子さんへ対応をしていくことが必要だということです。
 
 
癇癪を起こす子どもは、親を困らせようとわがままを起こしているのではなく、子ども自身が持っている特性が影響して引き起こしてしまうものと考えることができます。
 
 
これらのような癇癪は絶対にそのままにしていてはいけないのです!
その説明を次でしていきますね。
 
 
遊ぶ子供
 
 

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3.癇癪をそのままにしてはいけない理由

放置すると、脳が「怒るとスッキリする」と誤学習してしまう危険があります。
 
癇癪を起こすことが当たり前になってしまうと、脳は癇癪を起こすとスッキリするという誤学習をしてしまいます。
 
 
そうすると
・落ち着いて自分の気持ちを話すことからどんどん遠ざかる
・コミュニケーションが成立しないので、親子関係が壊れる危険
・嫌なことが起きる➜すぐ癇癪という脳のクセがついてしまい、思考力や問題解決力が育ちにくくなる
 
 
『イヤなことがあれば直ぐに癇癪を起こしてスッキリ』というメカニズムができあがったまま、癇癪について何も手を打たず様子見していると、大人になってもすぐキレるようになってしまいます。
 
 
しかし分かって欲しいのは、癇癪は子ども自身もコントロールできないことが多く、子ども自身も苦しんでいます
 
 
だからこそお母さんのサポートが必要なのです
 
 
サポート
 
◎「外ではいい子なのに家で癇癪」の主な原因と、家庭でできる対応
原因の例 子どもの様子 家庭でできる対応
外で頑張りすぎている 学校や園では「いい子」で我慢し、家に帰ると些細なことで大爆発する 家では指示や約束を減らし、「今日はがんばったね」とまず安心を補給する。スケジュールも余白多めに。
ASDグレーゾーンなどの発達特性 予定の変更や指示が通りにくく、「早くして」「ちゃんとして」でパニックになりやすい 声かけは短く・具体的に。事前に見通しを伝え、「今から◯◯→そのあと△△だよ」と順番を示す。
不安が強い・母子分離不安 外では緊張でガチガチ、家ではママにベッタリで癇癪やわがままが増える できているところをこまめに認めて安心感を増やす。「いつでもママは味方だよ」と言葉と態度で伝える。
強いこだわり 思い通りにならないと暴言・暴力・物に当たる。ママの対応やタイミングにもこだわりが出る こだわりを頭ごなしに否定せず、「こうしたいんだね」と気持ちを言葉にしつつ、折り合いのつけ方を一緒に考える。
年齢による発達ギャップ 小4〜中学生で「みんなと同じようにできない」と自己否定が強くなり、家でだけ荒れる 家と外に安心できる居場所をつくる。お母さん一人で抱え込まず、第三者(放課後デイ・信頼できる大人)も巻き込む。
 
どのケースでも共通しているのは、「外で無理をしてがんばった分、家で気持ちがあふれている」ということです。
 
 
単なる「わがまま」ではなく、背景にある原因を知ったうえで対応していくことが大切です。
 
 

4.家で癇癪を起こす子への大切な3つの対応

感情的な応戦をやめ、落ち着いた対応を繰り返すことで、少しずつ“自分で気持ちを整える力”が育ちます。
 
原因を整理してみると、どのケースでも、「外でがんばった分、家で気持ちが出やすい」という流れがあります。
 
 
だからこそ大切なのは、癇癪そのものを責めたり止めようとすることではなく、お家を『安心して気持ちを整えられる場所』にしていくことです。
 
 
ここからは、今日からできる3つの対応を具体的に紹介します。
 
 
どれも難しい特別な方法ではなく、家庭で無理なく取り入れられるものばかりなので、できるところからやってみてくださいね。
 
 

♦①癇癪は見て見ぬ振り(ディスタンシング)を!

 
 
癇癪が起きた時、同じように感情的になって応戦していませんか?
 
 
癇癪をやめさせようとお母さん達は子どもをなだめたり、注意したり必死に対応しお子さんの要求をのむこともあると思います。
 
 
実はその行為自体が子どもの癇癪をまた引き起こさせてしまうことになるのです。
 
 
癇癪を起こすと誰かが解決してくれる、誰かが手を貸してくれると脳が誤学習してしまうので、同じような対応をしていては癇癪はなくなりません。
 
 
なので、癇癪が起きた時はディスタンシングというスタイルをとります!
 
 
これは見て見ぬ振りをするという意味です。
 
 
お子さんの安全を確保しながら、徹底的に癇癪を無視します。
 
 
「癇癪を起こしても何も良いことは起きませんよ」という思考を脳に刷り込ませるためのテクニックです。
 
 
最初はなかなか見て見ぬ振りをするのが大変かもしれませんが、徹底したディスタンシングを行うと、癇癪の時間が減ったり回数が減ったりと必ず効果が出てきますので、ぜひ試してみてください。
 
 
お母さんは癇癪が始まったら安全確保をして家事をする、本を読む、別室に移動するなど工夫してみてくださいね。
 
 
癇癪後に自分で落ち着くことができたら、「自分で気持ちを整えられたね」などとできたことを褒めてあげることも忘れずにしてあげてください。
 
 
お家での癇癪に悩むママには、具体的な声かけや対応のコツをまとめた記事もおすすめです。
 
 
PCに向かう女性
 
 

♦②子どもの気持ちを言葉で吐き出させる

 
 
暴言などが出てくるなら、子どもがその気持ちを全部吐き出せるようにお母さんは聞いていきましょう。
 
 
子どもが文句を言っているなら、
 
 
母)「何かいやなことがあったの?」「どうしたの?」
子)「〇〇が腹が立つ」「むかつく」
 
母)「そうなんだね、腹が立つくらい嫌だったんだね」
  「それから?他にある?」
 
うんうん、それから?それから?と子どもが思っていることを全て言葉にして出させるようにしていきましょう。
 
 
心の奥底に溜まっているモヤモヤした気持ちを全て吐き出せるように手伝うという気持ちでやってみてください。
 
 
最初はうまくいかないかもしれませんが、筋トレと一緒で回数を重ねていくことで少しずつうまくできるようになります。
 
 
うまくいかない時は、話を聞くタイミングを変えてみるなどして、状況に合わせて声をかけるようにしてみてくださいね。
 
 

♦③家を安心・安全な居場所にする

 
 
癇癪やわがまま行為が目立つ子どもには、お母さんが子どもの1番の味方である、家庭が安心できる場所である、ということを分かってもらうことが大事です。
 
 
なのでお母さんは、極力指示を出すことなく笑顔のお母さんでいて欲しいと思います。
 
 
いつもお母さんがニコニコ笑顔でいると家の中の雰囲気はとても良くなりますので、子どもが外で頑張っていることを理解し、出来るだけ家ではゆったりとした気持ちで過ごしてもらうようにしましょう。
 
 
また、可能ならば家以外の場所、例えば放課後デイサービスなどでも、子どもの気持ちを聞いてもらえるように環境を整えていきましょう。
 
 
年齢が高くなり、母親に対しての暴言・暴力などが増えてくるとお母さんだけが子どもの気持ちを受け止めるということが難しくなってきます。
 
 
放課後デイサービスを利用していなければ、習い事や地域の子どもの集まる場所などを利用して、外にも居場所を作れるようにしていくと良いですね。
 
 
お母さん以外にも気持ちを出せるような居場所を作ったり、子どもが頑張りすぎることを当たり前とせず、外でもありのままの自分をさらけ出せるようになることを目指していきましょう。
 
 
そのような場所が出来ることでお母さんに向けていた暴言・暴力なども少なくなることが期待できます。
 
 
安心・安全な場所があるからこそ、外ではうまく適応しているので、わが子はどのようなタイプなのか観察してみるところから始めてみてくださいね。
 
 
 
 
●「家でついイライラしたり涙が出ちゃう子ども」に向き合うヒントはこちらの2本でチェック!
 
 
 

よくある質問

Q. 外ではいい子なのに家で荒れるのは発達障害ですか?
A. 断定はできませんが、発達障害グレーゾーンや不安気質の影響はあり得ます。
外で頑張り、家で安心して爆発するという流れが背景にあるケースが多いです。

Q. 叱るべき?無視したほうがいい?
A. 安全確保のうえでディスタンシング(見て見ぬふり)が基本。
落ち着いた後に「自分で切り替えられたね」と短く承認して誤学習を防ぎます。

Q. 年齢が上がっても癇癪が続くのは問題?
A. 続く場合は脳のストレスが高いサイン。
生活への支障や保護者の消耗が強いときは、早めに地域の相談窓口や専門家などに相談してみましょう。

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