家では普通に会話できるのに、外に出ると挨拶や返事ができない。挨拶できない子どもの不安や緊張に気づき「できた」ことに目を向けたわが家の関わりをお伝えします。
1.外に出ると挨拶やお返事ができない子ども
家では、普通に会話できるのに、外に出ると挨拶やお返事ができないわが子。
「人見知りだから」「恥ずかしがりやな性格だから」と思っていました。
この記事では、外で挨拶や返事ができない子どもの行動の裏にあるものと、わが家で実践した声かけについてお伝えしていきたいと思います。

2.人見知りだと思っていたわが子の性格
わが家の子どもたちは、小さなころから人見知りがありました。
よく会うおじいちゃん、おばあちゃんの家に行っても、毎回帰るころに、やっと少し話しだす程度。
「慣れたころにいつも帰っちゃうね」といつも寂しそうに言われていました。
特に初めて会う人は苦手で、私の友人とレストランで会ったときには、極度に恥ずかしがってテーブルの下に隠れてしまい、しばらく出てこれないこともありました。
その姿に、私自身も驚きました。
まわりの人はみんな楽しそうに食事をしている中でわが家の子どもたちは、テーブルの下にもぐり、どんなに声をかけても出てこれない。
一緒に食事をしている友人になんだか申し訳なくて、必死に子どもたちを椅子に座らせようとしますが出てきません。
周りの視線を感じて恥ずかしいやら、情けないやら、全然食事も会話も楽しめませんでした。
ほかにも、学校では普通に過ごせるのに、外で友達にあって声をかけられても、無表情で返事もできずに、隠れるわが子。
一緒にいるママに、なんて思われているんだろうと思いながら、私が会釈や挨拶を返していました。
私自身も人見知りだったので、私の育て方が悪かったのかな?もっと人に会わせたほうがよかったのかなと悩むこともありました。
学校に行けなかった日は、職場に連れて行ったりしましたが、1日中黙ってゲームをして話しかけられても固まったままで一言も話さず、私と2人きりになると普通に話し出す。
初対面でも人見知りしない子どもたちを見ると羨ましかったり、まわりから「全然、話してくれないね」「あんなに人見知りなんてびっくりした」などのなにげない言葉に、ひそかに傷ついたりしていました。

3.挨拶ができない行動の裏には、不安の強さが隠れている
私は、小さなころから「ちゃんと挨拶をしなさい」と言われて育ちました。
だから、子どもが人に会っても挨拶ができなかったり、返事ができなかったりすると
「ちゃんと挨拶してほしい」
「どうしてできないんだろう?」
と心配になっていました。
でも、人見知りだから仕方がないかなとも思っていました。
家では普通に話せるのに、外に出るとうまく話せない。
そんな子どもの様子を発達科学コミュニケーション(発コミュ)で学ぶうちに、その行動の裏には、不安の強さや緊張が隠れている事を知りました。
ASDグレーゾーンのわが子も、慣れない場所や初めて会う人を前にすると不安や緊張が高まり、言葉が出にくくなったり、どうしたらいいのかわからず固まってしまったことがよくありました。
それまで、私は「人見知りだから」「恥ずかしがりやな性格だから」と思っていましたが、挨拶をしたくないのではなく、不安や緊張から「できない」こともあるのだと気づきました。
だからこそ、挨拶や返事ができないという目に見える行動だけではなく、その時子どもがどんな状態なのかに目を向けることが大切なのだと思います。

4.挨拶よりも「今できていること」に目を向けた関わり
わが家では、外で友達に出会って話しかけられた時や、慣れない場所で知らない大人に話しかけられると
- 答えられず固まって無表情になる
- 視線を合わせられない
- 無言で私の顔を見て、私に助けを求めてくる
ことが多くありました。
まずは、声をかけられたらきちんと挨拶や返事をするべきという、私の固定観念を手放しました。
子どもが、挨拶や返事ができない時、「話したくない」のではなく「不安や緊張が高まっていて話せない」事を知ったからです。
考えてみれば、家では普通に話せるのに、外では急に言葉が出なくなる。
それは、その場の緊張や不安で、どうしたらいいのかわからなくなっているのです。
だから「ちゃんと挨拶しなさい!」「お返事は?」と声をかけなんとか返事をさせることをやめました。
できない事に注目するママの対応は、緊張や不安で動けない子どもの気持ちを傷つけてしまうこともあるかもしれません。
そこで私は、できていないことを何とかさせようとせずに、今できていることに目を向けるようにしていきました。
相手の方を見ることができた。
少し笑顔を向けた。
小さく会釈できた。
声をかけられて振り返ることができた。
挨拶まではできていなくても、そこには小さな「できた」がありました。
小さなことかもしれませんが、できていることに気づいて「ちゃんと相手の方を見れたね」「会釈できたね」などできたことを伝えるようにしていきました。

5.「できた」を積み重ねて、見えてきた変化
わが子は今でも、慣れない場所や初めての人への挨拶は苦手です。
それでも、少しずつ「できたこと」を伝えていくと、挨拶された人の方を向きにこっと笑ってみたり、少しづつ変化が見られるようになってきました。
挨拶ができることを急ぐのではなく、まずは今できていることに目を向けてあげ、言葉にして伝えてあげることが大切だと実感しています。
不安や、緊張から挨拶ができない子どももも、ママが「できたこと」に気づいてくれることは、これで大丈夫なんだという安心感にもつながります。
ちいさな一歩かもしれませんが、「できた」を積み重ねていくことで子どもの自信にもつながっていくのだと思います。

執筆者:もりやまおりえ
発達科学コミュニケーション アンバサダー




