「おなかが痛い…。」登校前 になると腹痛を訴え、休ませると元気になるわが子。そんな体調不良は、がんばりすぎのサインかもしれません。 腹痛を疑うのをやめ、安心と自信を積み重ねる関わりに変えたことで、娘に起きた変化を紹介します。
1.「またか…。」朝になると訴えてくる腹痛
朝、学校に行く時間になると「おなかが痛い…。」と腹痛を訴えだすわが子。
悩んだ末に「今日は休もうか。」と言った途端、けろっと元気になる。
「本当に痛いの?」
「仮病なんじゃないの?」
「このまま続いたらどうなるんだろう…。」
そんな不安を、胸の奥に抱えていませんか?
この記事では、登校前の体調不良として腹痛を繰り返していた娘と、わが家で関わり方を変えていった体験をお伝えします。

2.毎朝繰り返される娘の腹痛を、軽く考えていた私
もともと人一倍繊細で、不安になりやすい我が家の小学4年生の娘。
小学2年生のときから、時々朝に腹痛を訴えるようになりました。
「学校に行きたくない。」ということもなく、トイレに入って落ち着けば、すんなり学校にも行けていたので、
「行ってしまえば大丈夫。」
「パパがおなか弱いし、遺伝もあるかな?」
そんな風に軽く考えていました。
また、行事前など緊張していたり、気負っていたりすると腹痛を訴えることもありましたが、「緊張するのは当たり前だし…。」と思っていました。
しかし、3年生になると、その腹痛はたまにではなくなりました。
ほぼ毎朝のように「おなかが痛い。」と言うようになったのです。
それでも私は、
「トイレに行けば治るし…。」
「学校に行きさえすればなんとかなる。」
と、自分に言い聞かせていました。
そのころの私は、休み癖がつくのが怖かったのです。
一度休ませたらこのまま行けなくなるんじゃないか。
だから何とか行かせなきゃと思っていました。
また、時々休ませるとけろっと元気になる娘の姿を見てもやもやしていた私は、「本当は行けるんじゃないの?」と思い、行かせ続けました。
その結果娘は限界を迎え、休みがちになってしまったのでした。

3.登校前の体調不良は、がんばりすぎのサインかもしれない
人一倍刺激に敏感で、繊細な子どもは、学校のような刺激の多い場所で、私たちが思っている以上にエネルギーを使っています。
学校では、
- 授業にがんばってついていこう。
- 先生の話をよく聞かないと。
- 友だちと仲良くするにはどうする?
- 周りをよく見ていないと。
そんなふうに、人一倍気を張って、周りに合わせようとがんばっています。
嫌だったできごとや、叱られたこと、辛かったことなどが重なると、学校に対する不安や緊張が強くなっていきます。
一方で、子ども自身も「学校には行かなければいけない」という気持ちを持っています。
「行きたくない。」
「でも行かなくちゃ。」
その葛藤や強い不安、緊張が続いたとき、腹痛や頭痛などの身体症状として現れることがあります。
また、学校に対する不安や緊張がある場合、登校する時間が近づくことで症状が強くなることも。
そして反対に、「今日休もうか。」と言われた瞬間、不安や緊張がとけて脳は安心モードとなり、身体症状が軽くなる場合もあるのです。
※腹痛にはさまざまな原因があります。症状が続く場合や強い痛みがある場合など、気になる症状があるときは医療機関に相談してください。
だから私は、休むと元気になる娘を見て「仮病なのでは?」と疑うのではなく、
「もしかしたら、もうがんばりすぎているサインなのかもしれない。」
と考えるようになりました。
今振り返ると、当時の私は、
「トイレに行っておさまれば大丈夫だよ。」
「そろそろ行けそう?」
と声をかけていました 。
私は励ましてるつもりでした。
でもそれは娘にとっては、「もっとがんばらなくちゃいけない。」という負荷になっていたのかもしれません。
そうして私は、腹痛をなくそうとするよりも先に、娘が安心できる関わりに変えていこうと決めました。

4.安心と自信を積み重ねる関わりに変えた
そこで私は、まず娘の腹痛を疑うことをやめました。
「本当に痛いの?」ではなく、「がんばりすぎてないかな?」 と考えることにしたのです。
そして、「何とか学校に行かせなければ」という焦りも手放すことにしました。
娘が腹痛を訴えたとき、「休んでもいいよ。」と伝え、学校に行くかどうかを急かさずに待つようにしました。
すると、「行かなければいけない」と追い立てられることのない家の中で、娘も少しずつ安心して過ごせるようになっていきました。
そして、いつでも休めるという安心の中でもう一つ意識したのが、日頃からできていることに目を向け、どんな日も娘の存在を肯定することです。
「おはよう。起きたんだね。」
「着替えたんだね。」
「何のゲームをしてるの?ママにも教えて。」
「おふろ、さっぱりしたね。」
学校を休んだ日も、行った日も、娘への評価は変えません。
ひたすらできていることや、娘の存在そのものを肯定する時間を重ねていきました。
その積み重ねの中で、安心と自信を持てるようになった娘は、朝の腹痛を訴える日が少しずつ減っていきました。

5.安心が増える中で、娘に起きた変化
腹痛を訴えることが減っていく中で、さらに大きな変化だと感じていたのが、「休んでいいよ。」と言ったときに「うん、今日は休むね。」と選ぶだけでなく、
「ううん、今日は行くことにした!」
と登校を選ぶようにもなりました。
安心と自信が積み重ねていく中で、娘は少しずつ自分で選択できるようになっていきました。
こうして、毎日のように腹痛を訴えていた娘ですが、今では腹痛を訴えることがほとんどなくなりました。
子どもの腹痛は、怠けとは限りません。
がんばりすぎているサインかもしれません。
もし今、朝の腹痛に悩んでいるなら、まずは問いを変えることから始めてみてください。
「どうしていけないんだろう?」ではなく、「どれだけがんばっているんだろう?」その視点の変化が、親子の朝の空気を温かいものにしていくと思います。

執筆者:くろかわ えり
発達科学コミュニケーション トレーナー
この記事について
この記事は、発達科学コミュニケーション マスタートレーナー・いたがきひまりの指導のもとで活動する、発達科学コミュニケーショントレーナーによる実践記事です。
「ASDグレーゾーン子育て」をテーマに、子どもに合った家庭での関わり方を、具体的な場面からお伝えしています。
サイト運営:いたがきひまり
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