ブランケット症候群は、安心感を求めて特定の物に執着する子どもの行動です。成長とともに自然と手放す子が多く、家庭や保育園での見守りとサポートが重要です。本記事では、発達特性との関係や対応方法を解説します。
1.ブランケット症候群とは?

2.ブランケット症候群の原因と発達障害との関係
子どもにとって、特定のアイテムは「ママの代わり」になっていることがあります。
特に、母子分離の不安を感じやすい時期や、成長に伴う自立のステップにおいて、不安を和らげる手段として、安心毛布のような「移行対象(トランジショナル・オブジェクト)」が必要になります。
発達障害やグレーゾーンの子どもたちは、以下のような特徴を持つことが多く、結果としてブランケット症候群が強く現れる場合があります。
・感覚過敏やこだわりが強い
・初めての場所や人が苦手で不安が強い
・日常の変化に対してストレスを感じやすい
・安心できるルーティンや物に固執する傾向がある
お気に入りのタオルやぬいぐるみを手放せないのは、自己調整の手段として役立っている証拠でもあり、決して「愛情不足」や「甘やかし」が原因ではありません。

3.発達障害グレーゾーンの息子は、ずっとお気に入りのタオルを手放せませんでした。
4.ブランケット症候群の治し方
「〇〇くんはブランケット症候群ですね!園にもたくさんいますよ!無理にタオルを離すことは逆効果になるので、全然園に持ってきてください!」と教えてくださいました。
①自然に手放すまで見守る
まず大切なのは「無理に取り上げない」こと。大人からすれば「ただの物」でも、子どもにとっては心の拠り所です。
不安を自分でコントロールできるようになると、自然とその対象への依存も弱まっていきます。親が焦って取り上げると、逆に不安が増大し、執着が強まることもあるため注意しましょう。
②洗い替えやスペアを用意しておく
お気に入りが汚れたり失くなったりした際のショックを和らげるために、同じ素材・香り・手触りのものをいくつか用意しておくのも有効です。
我が家では、タオルを小さくカットして4枚ほどの「スペア」を作り、同じ柔軟剤で洗濯することで「ママのにおい」を維持できるように工夫しました。
これにより、いつものタオルがなくてもパニックになることが減りました。
③園や学校との連携を大切に
登園や登校時にどうしても手放せない場合は、先生に相談し「持参OK」にしてもらえるか確認してみましょう。
我が家では、タオルを持たせる日と持たせない日を本人と相談しながら決めていくことで、徐々に手放せるようになっていきました。
特に、環境の変化が大きい以下のタイミングでは注意が必要です!
入園・入学・進級
引越し・転園
きょうだいの誕生
長期休み明け
こうした時期には、一時的にブランケット症候群が強く出ることもあるため、環境調整と気持ちのサポートが重要です。

5.「治す」より「支える」が大切
「いつになったらやめるの?」「恥ずかしくないの?」と、周囲の目が気になる気持ちもあるかもしれません。
でも、ブランケット症候群は「今この子が必要としている手段」なのです。
むしろ、不安を自己調整できているという意味では、とても健全な発達過程ともいえます。
大人ができることは、「早くやめさせる」ことではなく、「安心できる環境を整えてあげる」こと。大切なのは、「いつか自分で手放せる日が来る」と信じて、焦らずに見守ることです。
ブランケット症候群は決して「病気」や「問題行動」ではありません。不安を感じる時期に子ども自身が工夫して安心を得ようとする、成長の一部です。
発達障害やグレーゾーンの子どもたちは、特にこうした安心アイテムを必要とする場面が多くなりますが、それを否定する必要はありません。
無理に手放させない
安心できる代替策を用意する
園や学校と連携する
こうしたステップを踏むことで、子どもは自分のペースで安心を手放し、次のステージへと進むことができます。
「ブランケットを持っている今も、かけがえのない成長の時間」そう考えて、子どもの気持ちに寄り添っていきましょう。