「フリースタイル登校」シリーズ。今回は“時差登校編”です。コロナ禍で時差登校をした時期がありましたが、分離不安キッズには時差登校が有効な場合があります。すでに時差登校中という方もいらっしゃると思いますが、詳しくご紹介していきます。
1.時差登校は分離不安キッズのストレスを軽減できる
目に見えない不安と闘っている分離不安キッズの朝は、心がどんよりしています。朝起きてきて笑顔で「おはよう!」と言ってほしいものですが、なかなか難しいですよね。
朝起きることもしんどい分離不安キッズですが、脳の覚醒が低いことが特徴的です。ぼーっとしていたり、朝の支度が進まなかったりと、学校へ行く準備に時間がかかります。
いざ、学校へ行く時間になると登校しぶりなんてこともよくあるかと思います。そんなときは、登校しぶりを何とかするよりも子どもの気持ちを優先するこがとても大事です。
学校へ行く心の準備をするために、時差登校は有効な手段です。時差登校とは、定時に学校へ行くのではなく時間をずらして登校することを言います。もしくは、定時よりも早く下校することも指します。
つまり、遅刻と早退です。
分離不安キッズは、刺激に弱いため大きなストレスを感じやすいです。ですので、子どもにとって朝、障壁となることを取り除いてあげることでストレスは軽減され登校しやすい環境を整えてあげることが可能になります。
例えば、登校中に多くの子どもたちに囲まれることがストレスであれば少し時間をずらして登校すれば、多くの子どもに会うことはありません。
朝の活動が苦手であれば、1時間目から登校すればモヤモヤした気持ちは軽減されます。
学校にいる時間が長いことで疲れを感じてしまうのであれば、給食を食べて下校すれば心身の負荷は軽減されます。
このように時差登校は、分離不安キッズの不安や負荷を減らすことができるひとつの手段になるのです。
2.学校へ行くハードルが下がった時差登校
私の息子は分離不安が強いのですが、どうしても朝の超えられない壁が学校にありました。
それは、朝の玄関での混雑です。
まずは、学校の玄関が開くまで列に並ぶことが苦痛でした。次に玄関で上履きに履き替えるときの混雑が苦痛でした。最後に、健康観察カードを出すために並ぶことが苦痛でした。
息子にとって負の導線だったのです。
先生に相談して、1時間目に間に合うように登校する時差登校を試してみました。付き添い登校もしていたのですが、ストレスが減るといつも教室まで付き添っていたのに玄関でお別れができる回数が増えていきました。
また、朝に学校へ行く気持ちの準備をする時間ができたので、登校しぶりはかなり減っていきました。
このように時差登校は、息子にとって学校へ行くハードルを少し下げてくれたのでした。
3.時差登校2つのポイント
時差登校をするにあたり、大切なポイントがあります。
◆ポイント1
子どもの障壁は何かを見極めること
いつ、どんな場面で、どんなことが分離不安キッズにとってハードルに感じているのかを、よく観察してあげてください。障壁に合わせて時間をうまく調整することが重要です。
◆ポイント2
いつから登校するかを子どもに決めさせる
障壁を見極めたうえで子どもと作戦会議をしてください。この際、必ず子どもに何時に登校するか、もしくは下校するかを決めさせることで、毎日のモチベーションにつながります。
無理をしないことが一番です。時差登校はずっと続くものではありません。環境に慣れて自信がついてきたら、分離不安キッズは次のステップへ進んでくれます。その日を信じて、少しずつ前へ進みましょう。
発達科学コミュニケーション
トレーナー みやがわ あゆみ