本記事では、学校の先生が味方になってくれる『合理的配慮』のお願いの仕方をご紹介しています。発達障害グレーゾーンの子どもが安心して学校生活を送るためには学校と家庭が連携しサポートしていくことが大切です。今回は先生を味方につけるための4つのポイントをお伝えします。
1.学校で頑張りすぎている発達グレーゾーンの子どもたち
発達に特性があったり、生まれながらにして繊細な気質を持っていたり。学校には、色々な個性を持った子どもたちが集まります。
ただ、同じ年に生まれて、同じ地域に住んでいるというだけで、30人ほどが同じクラスにまとめられ、同じように動くことを求められる。
これって、ものすごく窮屈なことだと思いませんか。
定型発達で、特にサポートが必要でない子だって、学校での集団行動には大変なことがたくさんあると思います。
それが、発達障害グレーゾーンの子なら尚更です。
例えば
・朝決まった時間に登校すること
・登校班で歩いていくこと
・登校ラッシュの混雑した下駄箱を利用すること
・ガヤガヤした教室でのホームルーム、授業
・給食が苦手な子
・みんなと同じように掃除ができない子
・集団が苦手で、教室に入るのがとても辛い子

発達障害グレーゾーンの子どもたちは日々学校という組織の中で、できないことでも苦手なことでもなんとか周りに合わせようと頑張っているのです。
そんな時に「学校へ行きたくない…」と言ったらどうしますか?
これは子どもからのSOSなんですがそれに気付けないママもいると思います。
ママが「大丈夫だから学校に行こう」や「教室に入りなさい」と言っても、できないものはできないですよね。
子どもの中で、「ママは自分のことを理解してくれない」と感じてしまいます。
子どもがこのようにSOSを出したとき、ずっと我慢して頑張ってきたものが溢れてしまっている状態です。まずはママがしっかり子どもの話を聞いてあげることが大切です。
そして、その子が何に困っているのか?その困りごとをどうサポートしていったらいいのかを考えていく必要があります。
2.学校での合理的配慮が必要なワケ
子どもの声に耳を傾けて、我が子が何に困りごとを感じているのか、不安を感じているのかが分かってくると、そこからのサポートの道筋が見えてきます。
子どもの困りごとがはっきりしたら、次はそこをどうサポートしてあげるかですよね。
家でできることは、家族で共有して支えていけば良いでしょう。ですが、学校での配慮が必要な場合は、先生たちとの連携、そして合理的配慮のお願いが必要になります。
ここで学校と家庭が連携して、合理的配慮をすることの意義について少し考えてみたいと思います。
合理的配慮とは「障害のある子どもが障害のない子どもと同じような教育を受けるために学校が必要に応じた変更や調整を行うこと」を意味する言葉です。
「障害者差別解消法」では、行政・企業・学校などに対して、障害のある方に可能な限り合理的配慮を行うことが求められています。
合理的配慮を学校で行なってもらうためには、保護者が子どもの困りごとについて、そして特性についてをしっかり先生に伝えることが必要です。

子どもの特性を伝えることで、学校の活動中などへの配慮も期待でき、さらには友達との関係性やクラスの中での居場所づくりにまで影響があると考えられます。
また、学校(先生)と家庭(母親)が連携することで不登校やいじめなどを未然に防止できることも期待できると考えられます。
特に発達障害グレーゾーンの子どもたちのように、行動面や社会面で特性を持っている子どもたちは、周りのお友達に行動を理解してもらえないこともあります。
しかし、合理的配慮により対応してもらえると、友達への説明や対処なども介入してもらうことができます。
特性を周りに理解してもらい、無理のない対応をしてもらえるようになるので、学校での窮屈さは和らぎ、子どもは気持ちよく過ごすことができます。
3.特性に合った対応で、学校に行けるようになった我が子
なぜ私が学校への連携について真剣に考えたかと言うと、わが家には繊細で不安を感じやすいという気質を持った子どもがいたからです。
朝登校するのも、教室に入るもの、不安で仕方がないということがありました。
楽しいはずのみんなとの時間が、わが子にとってはとても苦しく辛い時間だったのです。
そこで学校側へのサポートを相談し、子どもに合ったサポート『合理的配慮』をお願いすることにしました。
具体的には、朝の登校時は下駄箱でたくさんの子ども達がいて、気持ちが苦しくなったりお友達に会うのが嫌だということで、時間をずらして登校していました。
また、授業においても、苦手な音楽の時間はどうしても辛かったため、その時間は別室で読書をして過ごすなど、臨機応変に対応をしてもらいました。
このようなサポートを続けていくことでわが子が感じていた困りごとは少なくなっていき、学校に対する不安感が解消されていったのです。
先生がわが子の味方になってくれたことでうまく学校生活を送ることができるようになり、とても感謝しています。
実はこのようにうまくいったのには理由があります。サポートのお願いをする時に大切にしていた大切なポイントについて次で説を明していきます。
4.先生を味方につけて安心の土台を作ろう!
発達障害グレーゾーンの子どもの学校生活において、合理的配慮をお願いしたいと思っていらっしゃる親御さんは多いと思いますが
ここで問題なのが、学校や先生とのどうやって話を進めていくかということです。
学校の先生は正直、当たり外れもありますよね。担任の先生が、必ずしも話しやすいタイプの先生であるとは限りません。

担任の先生がどうしても分かり合えない相手であれば、学年主任や他のクラスの先生、養護教諭や教頭先生などに直接話をしても良いと思います。
学校側との関係性を作り協力し合うことができれば、子どもにとっての味方、理解者を増やすことができるのです。
実際に私が担任の先生とコミュニケーションをとる時に意識したポイントでもあります。ぜひ参考にしてみてください!
◆①子どもの特性を伝える際は、子どもの「良いところ」から先に伝える
これは、絶対にやって欲しいポイントです。
親が子どもの相談をする際、子どもの困りごとや苦手なことから話してしまいがちですが、それだと聞く相手は、その子の印象が「困りごとがある子」というマイナスのイメージから入ってしまいます。
そうすると、その子の良い部分よりも悪い部分がクローズアップされやすくなってしまうのです。

逆に子どもの良いところや得意なことを先に伝え、その後に
「一方で、今こんなことに困っています。こんな不安を抱えています。」
と伝えることができれば、その子のプラスのイメージから入るため、先生も子どもをプラスの目で見てくれるようになります。
伝え方ひとつでも、子どもに対する先生の印象が変わってくるのです。
◆②サポート内容の希望を具体的に、分かりやすく伝える
ママの中には、こんなこと言ったら学校に迷惑かな、モンスターペアレントだと思われるかもしれない、など遠慮してしまう人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
先生の方でも、その子に合ったサポートの仕方に悩んでいたり、知識が十分でない場合もあります。
そんなとき、ママからの具体的なお願いがあれば、学校の方でもサポートしやすくなります。
子どもの情報を共有して適切な支援をしていくためにも、学校側に求めるサポートの内容をはっきり伝えましょう。

学校の方でも、できないことがあればできないと言いますし、代替案を示してくれることもあると思います。
ママ一人が頑張って抱え込むことのないように、学校への要望は遠慮せずに伝えることが大切です。
◆③ママが、子どもと先生の橋渡しになってあげる
ママが間接的に、子どもと先生の間を取り持ってあげるのも効果的です。
例えば、子どもに先生からのメッセージを伝える際、
「先生、○○(子どもの名前)のこの部分をすごく褒めていたよ!」
と、先生から子どもに向けた肯定的なメッセージを付け加える。

すると子どもは、先生が自分のことを見てくれているのだと感じます。
逆に、先生に子どもの話をする際は、
「先生に褒められて嬉しかったって言っていました〜」など、子どもが先生の言動で喜んでいたことを伝える。
そうすると先生は、その子を更に肯定的な目で見てくれるようになり、ますます良い部分を探してくれるようになります。
このようにママが間接的に橋渡しをすることで、発達凸凹っ子と先生との間に徐々に信頼関係が生まれてくるのです。
◆④先生に感謝を伝える
最後はこれです。
基本的なことですが、子どものことで一生懸命になるとうっかり忘れてしまいがちな、先生への感謝の言葉です。
「いつも子どものことを見てもらってありがとうございます」
「先生のおかげで、○○ができるようになりました」
そんな言葉をかけられたら、先生だって嬉しいですよね。

そういった感謝の言葉や相手を思いやる心が、保護者と先生の間であっても基本なのだと思います。
合理的配慮をお願いするのであれば『先生を味方につけること』が一番の秘訣です!
先生との関係性を作ることができれば、発達障害グレーゾーンの子どもたちは学校で過ごす際の安心の土台を手に入れることができます。
「自分のことを分かってくれている大人」が家族以外に居るということは、とても心強いものです。
家庭と学校でチームになって、子どもの成長する姿を見守っていってあげましょう。