ご褒美作戦で幼児の行きしぶりを自己肯定感を高めるチャンスに変える!

幼児の行き渋りに、怒ったりなだめたりして、子どもの自己肯定感が下がっていませんか?ご褒美で釣れば行けそうだけど、いつまでもご褒美を続けないといけなくなるのでは?という心配事にお答えします。
 
 

1.幼児の行き渋り。行かせるためにご褒美で釣っていいの?

 
 
子どもの「幼稚園行きたくない」、 頻繁にある行き渋り
 
 
何とかして行かせたいという気持ちがあり、怒ったり、なだめたり、寄り添ったり、突き放したりしてしまうことってありませんか?
 
 
そんなとき、ご褒美があれば行けそうな気がするけど…
 
 
✔物で釣ることに抵抗がある
 
 
ご褒美がないと行かなくなるのではないか
 
 
ご褒美で行くなんて本当の姿ではない
 
 
行ってくれるのはいいけれど、ご褒美で釣ると、こんな心配もありますよね。
 
 
幼稚園に行かせるために、ご褒美をあげることはそもそもいいことなんだろうか。
 
 
そんなママの疑問にお答えします。
 
 
 
 

2.ご褒美で釣るとご褒美なしでは動かなくなると思うから

 
 
私たちが、自分で自分にご褒美をあげるときは、どういう時だと思いますか?
 
 
例えば、嫌だな、難しいなと思っているようなことをやらなければならないときに、
 
 
✔このプロジェクトが終わったら旅行に行こう
 
 
✔これが済んだらアイス食べよう
 
 
大きなご褒美から小さなご褒美まで、これがあることで、あとひといき、頑張れたりしますよね。
 
 
このように、自分から自分にご褒美をあげることはありませんか?
 
 
同じように、子どもが嫌だと思っていることにご褒美を使っていると「嫌なことをしたら、ご褒美がもらえる」と学習してしまって、「ご褒美がもらえるから、嫌なこともする」となってしまったり、「ご褒美がもらえないから、嫌なことはしない」と変化していくことがあります。
 
 
「もっと良いご褒美が欲しい」と要求が高くなる可能性も否定できません。
 
 
多くの育児本にもよく「ご褒美はよくない」と書いてあったり…。
 
 
それゆえ、私たちはご褒美で釣るとうまくいくこともあるとわかっているけど、その副作用とも言えるご褒美による弊害が起こるかも…と、抵抗があるのです。
 
 
 
 
 

3.幼児期は、生きる力の土台となる自己肯定感を育む大切な時期

 
 
ご褒美で釣ることは、本当に良くないことでしょうか?
 
 
行き渋りは親にとっても辛いものですが、子どもにとってはもっと辛いものです。
 
 
「行きたくない」と泣いている子どもは、親からいつも「どうして行きたくないの?」「お友達もみんな行ってるよ」などと言われています。
 
 
その親の言葉や態度に、子どもは怒られているようなネガティブな感情を持っており、少なくとも自己肯定感が高い状態とは言えません。
 
 
ご褒美を与えることは、実は、この子どもの自己肯定感を高めることに繋がります。
 
 
『ご褒美があれば行ける』と子どもが思うのであれば、それをチャンスに、「行けた」という成功体験を積むことができるからです。
 
 
その成功体験が多ければ多いほど、脳の発達黄金期である幼児の自己肯定感を高めることができます。
 
 
また、幼児期はご褒美が効きやすい!
 
 
幼児期の子どもの多くは、脳がまだ未熟であるため、価値基準が理解しにくく、目の前の報酬(ご褒美)に飛びつきやすい傾向にあります。
 
 
特に、発達凸凹キッズには、そのような傾向があるようです。
 
 
 
 
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4.行き渋りがひどい息子

 
 
私の息子は繊細なところがあり、年長の頃から「ママと離れたくない」と大泣きして離れないひどい行き渋りがはじまりました。
 
 
私は仕事と母の介護で、どうしても休ませることが難しい日も多く、何とか行ってほしいと思い、怒ったり、なだめたり。
 
 
それでも息子は、すんなり行ってくれることはなく、幼稚園の先生に引きはがしてもらって無理やり行かせていることに、私は罪悪感のようなものを感じていました。
 
 
息子は、家でも「ママ、ママ」とついて回るわりには、激しい癇癪や「ママなんて大嫌い」など暴言もひどく、正直、この子はどこかおかしいんじゃないかなと心配と不安でいっぱいでした。
 
 
私は、この状況を何とかしたくて発達科学コミュニケーションを学び始めました。
 
 
そこで、先生から言われた一言「ご褒美で行けるなら、行かせてあげて大丈夫
 
 
『えーっ!今までの育児本と真逆!!』と衝撃を受けました。
 
 
先生の条件は1つだけ。
 
 
ご褒美は必ず褒めることとセットで。そうすれば、ご褒美が一生続くなんてことはありません
 
 
そうは言っても、内心、そんなこと書いてある本に出会ったことのなかった私は半信半疑。
 
 
でも、この行き渋りは私も息子も本当に辛い。
 
 
ご褒美で行けるなら…
 
 
逆に、ご褒美で行けないのなら、もっと息子の状態は深刻なのかもしれない。
 
 
やってみよう!そう決意しました。
 
 
 
 

5.ご褒美は必ず褒めとセットで

 
 
私は、先生の言葉と学んだことを軸に、息子に1週間の頑張りカードを作りました。
 
 
子どもがこのカードに飛びつきやすくするために
 
 
①子どもが望むご褒美であること
 
②やることが簡単でわかりやすいこと
 
を工夫して頑張りカードを工夫してみました。
 
 
目標は普段できていることに加えて、息子にとってはちょっとだけ高い目標を設定。
 
 
息子と相談しながら、たとえ幼稚園に行けなくても、他で簡単にシールが溜まるように目標を立てました。
 
 
そして、ご褒美は…
 
 
1週間貯めたシールの数で、ドラゴンボールのカードゲームをしに行く
 
 
と設定しました。
 
 
すると、何と次の日から、息子は毎日のシールと週末のゲームを目標に、登園できるようになったのです!しかも嫌々ではなく、喜んで!
 
 
そして私は、先生に教わったとおり、必ず褒めました
 
 
「おはようが聞けて嬉しい」「歯磨き、もうしてる!」「元気に幼稚園行けてるね」
 
 
親がご褒美と一緒に褒めてあげると、子どもの脳は喜び、良い記憶として成功体験と共にインプットされます。
 
 
私があんなに悩んでいた行き渋りだったのに、いとも簡単に「ご褒美作戦」が見事に功を奏したのです。
 
 
そして、息子のご褒美のゲームは1か月(4回)で、パタッとしなくなりました。
 
 
そして、その後も続いていたがんばりカードのご褒美シールも、いつの間にか必要なくなり、何もなくても登園できるようになったのです。
 
 
息子の成功体験が毎日どんどん溜まっていき、いつの間にか、ご褒美がなくても褒めてもらうだけで満足できるようになったのです。
 
 
ご褒美作戦では、2つのメリットがあります
 
 
✔ 簡単にクリアできるものの積み重ねで「やればできる」という自己効力感が高まる
 
✔ 自分で決めたことをやるという責任感と、できたという達成感で成功体験を積み、自己肯定感が高まる
 
 
自己肯定感がグッと高まる大切な幼児期に、『行けない』ということで、子どもの自己肯定感を下げてしまうより、ご褒美を上手に使って、行き渋りを早く解決し、自己肯定感まで高めてしまいましょう!
 
 
 
 
執筆者:
発達科学コミュニケーショントレーナー
増満咲奈
 
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